終わった…。
『9-nine-新章』全て終わった…。
なんだろう…この感情。
ほどよい虚脱。一言で表すなら、「さみしい」かな。
久しぶり。ゲームをやり終えて感じる途方もない喪失感。
それだけこのコンテンツにのめり込んだ証なので、嬉しい反面、寂寥感も相当なもの。
あー、ダメだ。久しぶりにゲームロスの気分に陥りそう。
----------------------------------------------------
「新章」ルートは、いわゆるファンディスクに相当する章で、本編ではちょっと足りなかった甘いイベントを補填してくれる。
バッドエンドか不穏な先行きしかなかったみゃーこ先輩の枝や空の枝まで、全てハッピーエンドに「剪定」してしまうのは、ちょっともったいなかったかも。
不幸・苦難を乗り越えてこそ得られるものというのもあると思うので。
以下、各ルートの所感。
【希亜の枝】
ほのぼの担当。コスプレしながらできるゴミ拾いのボランティアって、面白い企画だな。
翔が希亜の趣味にちょっと興味を示したり、もう仮面をかぶらなくなった希亜の姿が見られたり、一番まったりできたエピソードだった。
【春風の枝】
なんで勉強中も裸Yシャツなんだ。
なんでコミュ障なのに海をデートの場に選んだんだ。
あんなにも痛々しい海辺デート初めて見たよ!相変わらず後先考えてないな春風パイセン!
イベントスチルは必見。『9-nine-』きってのダイナマイトボディが存分に堪能できます。
つばす先生ありがとう。
【天の枝】
翔に「ゴースト」=幻体の事実を教えて、罪悪感を削いでしまう展開にはちょっと異論あり。
翔は散々辛いを思いをしてきたので、これ以上不幸になってほしくないけれど、むやみにちゃぶ台をひっくり返す必要はなかったと思う。
あの出来事があったからこそ、今の彼があって、今の天がいるのだから。
それはさておき、お天さんのドライな結婚観は結構好き。
「恋人や夫婦よりも、兄妹の方がランク上じゃね?」は、ある意味至言だよなあ。
確かに、恋人や夫婦は言葉や紙切れ一枚で別離できるけど、妹は一生妹だ。
他の枝ではヒロインとのデートイベントがあるけれど、お天さんは妹なのでデートがないという展開もすごく好み。
新海兄妹はたとえ一線越えても、どこまでいっても新海兄妹なのだと思わせてくれる。
永遠に仲良くケンカしててくれ。
【都の枝】
ここに式場を建てよう。
いや、むしろ俺が式場になる!
俺たちが式場だ!
だから早く結婚してくれええええええええええええ(落ち着け
この枝は、翔と都が唯一「火事の犯人を都が殺した」事実を知らないルートだったので、そのまま知らずに幸せになってほしかったんだけど、やっぱりインストールしちゃうのねナイン。
まあ、放っておいたらスティグマ拡大で死亡フラグのEDだったので、致し方ないか。
二人ともさほど狼狽えてなかったけど、どの程度の記憶をインストールされたんだろう。
どのルートでも思ったんだけど、「記憶は有しているけど、体験はしていない」状態が及ぼす影響と、インストールの塩梅が気になる。
あの大殺界の枝に比べれば少数だけど、他のヒロインの枝に比べれば魔眼の被害者が一番多いEDなので、二人の背負っているものは重いけれど、翔と都が二人でいればそれも乗り越えられそうだと思わせてくれる。
あと、お天さんと春風パイセンが華麗にスル―した「他の枝では私以外の女と付き合ってる」という核弾頭ネタを、都が計3回ぐらい持ち出してくれましたッ!
ヤキモチ焼いてみせる都と、全く記憶になくて脂汗をかく翔の対比が面白かった。嫉妬深いところも可愛いよみゃーこ先輩。
浴衣姿も可憐で可愛いよみゃーこ先輩。
【新章の枝】
やっぱり翔を救えるのは都なんだなと強く確信した。
与一を倒した枝での翔って本当にもう悲惨で救いようがなくて、いくら希亜ルートがキレイにまとまってもやりきれない思いがずっと残っていて。
そんなプレイヤー側の想いを払拭してくれたのがこの「新章」。
「翔がかつて救えなかった都」が「何もかも失った翔」を救うという話の持っていき方に感動を禁じ得ない。
翔がこの騒動に巻き込まれるきっかけを作ったのは、そういえばこの枝の都だったんだよな。
その都が最後の枝の翔を救済する。何とも言い難い運命を感じる。
「翔くんを二度と不幸にしない」と与一に対峙する都がカッコいい。
後は、この枝では与一のアフターフォローがされているのもポイント。
「何もかも失った翔」に敢えて殺されることで全部を清算しようとするとは、潔いじゃないか深沢与一。
結局、翔とは最後まで分かり合えなかったけれど、別れの挨拶ができただけ他ルートに比べればマシな別離なんじゃないだろうか。
【別離の枝】
翔が急に「『世界の眼』を閉じて、一連の事件をなかった枝を作れないか」と言い始めた時は、シリーズの存在意義全否定かと思ったものの、「ナイン」=プレイヤーに別れを言い渡すための幕引きの章だった模様。
あー、びっくりした。さすがにそんなご都合主義は勘弁。
最後に「mile likehood」が流れ出して、名前入力画面に切り替わるのはずるいよなあ。
「New Game」も「Load Game」もできない仕様になるギミックが小粋。
こうして、新海翔と仲間たちの物語を綴った枝は無事剪定され、全ての枝へと至る道は閉じられたのであった。
感想はまだ続くよ!