無垢な人魚の贖罪と再生の物語、堂々完結。
職人と役者とOTONAたち、みんなの渾身の「愛」が込められた名作。
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異種族間の葛藤は、人間同士の葛藤にも相通じる。
全く異なる存在なら、最初から関わらなければいい。
端から相容れないのであれば、近づかないのが得策だ。
でも、少しでも感じ入るものがあるのであれば、傷つくことを恐れず、我が身を賭して、前に進め。
リスクや責任を負うことなく、無傷で手に入れられるものなんて、何一つない。
ララの痛みは、成長の証。
傷と共に手に入れた、本当の「愛」。
痛い。
いたい。
ここに居たい。
「痛い」けど、ここに「居たい」。
ララの叫びが胸を打つ。
同音異義のフレーズを用いた言い回しが見事。
この作品、設定や画面だけでなく、台詞でも考察させてくれるので、見ていて飽きない。
ララという光に依存する人魚の一族は、いまだ眠りについたまま。
でも、それでいい。
彼らは伝聞によって人間を知り得ただけで、人間そのものと交流をしたわけではない。
だから、未だに幻想に囚われている。
誰かが得た「光」の恩恵を受けたいと、今でも願っている。
そんな思考を放棄した存在なんて、目覚めないのが世のためかも知れない。
リサは、一族とは違い、人間と実際に相対し、傷ついた。
彼女の怒りは本物で、その憎しみから人間に復讐しようとした。
でも、リサは人間を直接見知っている。
だからこそ、父とは違い、人間に対して最後まで非情になり切れなかったのだろう。
知ったからこそ憎いけれど、知ってしまったからこそ憎み切れない。
リサは、二律背反めいたこの感情を胸に、これからも生きていくのだろうか。
そして、ララの旅立ち。
大津一家のところに留まれば、ララは安寧の日々を送ることができる。
けれど、それはできない。
なぜなら、いとし子はいつか大人の手を離れる。
子は育った地を離れ、悠久の大海原へと進み、未知の世界へ旅立ち、
そして、いつの日か帰ってくるものだから―――――。
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総括。
感無量。
感無量!
感無量!!
この胸の高鳴りがお分かりだろうか。
長く語り継がれる童話を題材に、職人たちが魂を込めて作り上げた逸品。
キャラクターだけでなく、背景も手描きにこだわっている点が古参オタクの胸を打つ。
CGもかっこいいと思うよ。
最新の技術を駆使して良いものを早く仕上げたい、という欲求は自分にだってある。
でも、人間って元々腕一本からのし上がったよね?
機械やAIが主流になりつつあるって、知ってるよ。
だからこそ、まだやれることがあるって、みんなに証明したい!
職人たちの声なき声が、そう訴えているように思える。
本作では、花にも、木々にも、飛沫にも、すべてのものに躍動感を感じる。
これは、子供の頃に味わった感動と幸福だ。
本作で最も鮮烈だったのは、「青」の使い方。
ララの心のうちに潜む獰猛さを体現したナイフ。
その内側は自然のものとは思えないほど、無機質な「青」をしていた。
次回予告の背景も同色の「青」なんだよね。
あー、スタッフインタビューが掲載された設定資料集、発売されないかなあ!!
この作品は、企画から制作工程、配色の意図まで、全て本を通して知り尽くしたいッ!!!
湖岸清掃から始まる制作秘話。
ガテン系なのか、『ララ』の現場は。
そして、標準化された価値観よりも自分の「愛」を前面に押し出す方が人の心に響く、という話に大いに共感。
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アニメや漫画は一部の愛好家がひっそりと愛でるものだった。
なのに、多くの耳目を集め、経済政策の一環に利用されはじめた。
持て囃されるのは、作品の本質に関係のない要素ばかり。
サブカルチャーって、大量消費されるだけの悲しい「商品」になってしまったのかと、肩を落とすことも少なくなかった。
でも、職人とOTONAたちは、まだ諦めていない。
機械やAIに侵食される今だからこそ、できることがある、と。
アニメが好き。
マンガが好き。
ゲームが好き。
絵を描くことが好き。
物語を紡ぐことが好き。
人の心に訴えかけることが好き。
この「好き」は、数字で表すことはできないし、機械に理解できるわけがない。
オタクをやめないでいて、
「好き」を忘れてずにいて、
本当に良かった。
『さよならララ』を視聴し終わって、強く思った。
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シナリオ ★★★★★
キャラクター ★★★★☆
演出・テンポ ★★★★★
作画・美術 ★★★★★
音楽 ★★★☆☆
郷愁の念 ★★★★★
職人の愛 ★★★★★★★★★★
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