「ふざけるな!お前はずっと、公務員である前にヒーローだったじゃないか!」
なにこの熱い関係性……。
涙で画面が見えないんだけど、これ以上感動させるの勘弁してずびびびー!(鼻をかむ音
直前で星野君との関係性を描いていたからこそ
神戸と春のバディが余計に映える構成になっておるわ…。
春の元部下・星野君は、1話からずっと加藤に辛辣な態度を取って来た。
その理由が紐解かれるのが9話。
彼は春を先輩として慕っていたからこそ1課から逃げてしまい、
「ヒーロー」を止めてしまった彼にずっと憤りを抱いていた。
冷たさや恨みは、いわば愛情の反転。
もともと関心がなければ発生し得ない感情だからね。
故・武井課長のデスクから春の「辞表」が発見され、
春と武井さんの真の関係性に気づいて長年のわだかまりが解消されるシーンは必見。
余計な会話なんかなくても映像だけで人物の感情を豊かに表現している。
「ヒーローが戻って来た」と素直に喜ぶ星野君に対して、
神戸大介、我関せずのリアクション。
おまえ、とんだ鬼畜やな(笑)…と思っていたら、そうではなかった。
自分の窮地に駆けつけてくれる。
子供相手にも真摯に向き合う。
相手の善性を信じて最後まで説得を諦めない。
我が身を呈して市民を救う。
神戸大助にとって、加藤春は出会った頃から一貫して「ヒーロー」だった。
神戸は出会った頃からずっと「ヒーロー・加藤春」の姿を見てきた。
対極と言っていい位置にいる春のことを心の底ではずっと認めていた――――。
「相棒」の言葉を受けて、春はトラウマを乗り越え、あやまたず標的を打ち抜くのであった。
………熱い。熱いぜ。富豪刑事。
これが男の友情ってやつか。
神戸にとっては春は端からヒーローだったわけで、星野君の「ヒーローが戻って来た」というセリフは、「は?お前何言ってんの?」状態だったわけですな。
それはそれで可哀想ですが星野君(笑)
10話のBパートにおける
「仲本長介及び武井克弘殺害の容疑でお前を逮捕する」
という神戸の台詞も熱い。
母殺しの犯人追及にしか興味がないかと思わせて、長さん・武井課長殺しのホシをあげるという刑事としての本分を、彼は忘れていなかった。
あんた口数少なすぎ…。そういう感動することはもっと早く言って…。
大助さま……かっこよすぎやで…。
たとえシークレットブーツ常備でも!
ブーツ脱いだら春よりちんまくても!
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真相は、まあ何となく予想してましたけどな。
実行犯が執事だとは思いませんでした。
忍者だとは予想もしてませんでした。
脇腹に傷を負ってるのに、現職刑事の顔負けの握力見せつけて、
空中一回転の上に拳銃をスるって、富豪刑事はファンタジーだったのか。
ハッ、執事の名字は服部…ってこれも伏線だったかんかーい!!
こんなオチがつくとは思いませんでしたわ。。。ニンニン。
全てが片付いた後、現対本部は日常へ。
殉職した長さんのデスクには、餞の手紙と花、最後に堪能したかった日本酒がたんまり。
神戸&春は事件の発端となったアドリウム関連の騒動を収束するため、世界中を駆け回ることに。
過去の事件で銃が撃てなくなったヒーロー。
父が母を殺したと錯覚し、虚無の世界で生きてきた青年。
そんな二人がタッグを組み、反発しながらも時に共闘し、親睦を深め、
過去を乗り越えていくという王道の物語。
何だかんだでこの二人、2020年最高の凸凹バディだった。
長さん、武井課長という大人世代の過去も話に厚みを持たせていて、
素晴らしいヒューマンドラマに仕上がっていたと思う。
8話のエピソードは絶対に忘れない。
事件には直接関与しなかったけど、過去を乗り越えようとあがく男たちを
一歩下がった場所から見守っていた部長も素敵なキャラクターだった。
塩谷さんのとぼけた演技もすごくいい味を出していたと思う。
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評価 (★:1点、5点満点)
シナリオ ★★★★☆
キャラクター ★★★★★
演出・テンポ ★★★★★
作画・美術 ★★★★☆
音楽 ★★★★☆
総合 ★★★★☆
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