プロ風水の御堂龍児です。
今回は、少し趣向を変えて、中国の古典を読んでみました。
私は、この本を寝る前の15分くらい、少しずつ読んでいます。
妖怪や死霊や狐さんが主人公の話しが散りばめられています。それが、ただの怖い話しではなく、うんチク深くて、とても考えさせられるところがあるのです…。
原文は、中国語ですから、私の意訳で紹介していきます。
ある家に修行している狐さんがいて…こういうのを狐仙というのですが、彼はその家の書庫に住みながら本を借りて読み、時には家の主人に代わって鼠避けを作ったり、本のほこりを叩いて書庫の整理をしていたのです。
その狐仙は、人の言葉を聞くことも話すこともできるらしいのですが、姿は見せませんでした。
その家では、時に多くの人が集まって食事会が行われています。その時には、主人の近くの上座に空席が設けられるのです。
時に、その誰も座っていない席では、誰も手をつけていないのにお酒が減っていくのです。
そこで、お酒をつぎ足すと、おっとりとして上品な声でお礼の言葉が、どこからともなく聞こえてきます…。
ある日の食事会では、参加者がこれまでに遭った怖い話をする、で盛り上がりました。
話がデタラメだとか詰まらないと、どんぶりに一杯の大酒を飲むのが罰ゲームです。
各人は、それぞれ…、怖いのはお金持ちだとか…、怖いのはお坊さんだとか…、怖いのは誰に対しても謙虚な人だとか…、といろいろと話しが出てきました。
最後に、狐仙の番になります。
その時に、皆のざわざわという声はいっせいに止まりました。
主人が
「さぁ、狐仙様、貴方の番です」
と少しだけ急き立てました。
「わし…、わしが一番怖いのは狐じゃあ」と。
それを聞いて皆んなは、箸やらコップやらを置いて大笑いです。
「狐仙様〜、罰に大盛りでお酒を一杯どうぞ」と。
狐仙は、
「はっ、はっ。皆さん〜。
この土地の者とあの川向こうの者は土地争いをしないでしょ。
こちらの道に荷物を運ぶものと、あの川に船で荷物を運ぶ者は客の取り合いをしないでしょ。
しかしながら、同じ街道の飛脚や籠のものならば、客の取り合いをしますね。
…それは、皆が違う生業のときは、争わないのですよ。
しかし、同じ父親を持つ子供たちは、醜いほどの財産争いを行なっています。
役所勤めの方も、同じ部署の人たち同士での反目には、おぞましいものがありますね。
全て、同類のもの同士による、目的を達成しようとすることから起きて来る争いでしょ…」
「だから、私も同類の狐が怖いのです……」
さてと、この話は、私もとても怖いなぁ〜と思います。
うんちくある話でしたね。
次回は、私が観たお稲荷さんのお話をさせてください〜〜〜。

