…続きです。
「そうじゃのう……。
どうわかってもらおうかのう?
違う言葉でいうと、自分のワクを広げていくとか、自分のワクを壊していくとか、
月並みではあるが自分を変えていくということじゃろうな。」
「ところでな、話が大きくなるがの、この自分のワクを壊すということの大規模な宇宙版が、今の世界中で起こってきている世界恐慌とか、大地震とか、そんなお前たちが不安になっている大変な出来事なのだよ。」
うーん。何か凄い話を聞いてしまったような気がします。
しかし、今の私には、自分のワクを壊していくとかの方に気持ちが集中しています。
「すみません……。
話を戻して、自分のワクを壊してみるには、どんなことをするといいのでしょう
か?」
おじいさんは、少し声の調子を落として静かに話し出してくれました。
「そうじゃのう、その第一にな、生活のパターンを変えてみることじゃな。
例えばな、普段がジーパンとティシャーツとかトレーナのような物ばかりを着ている人だったら、きちんとアイロンのかかったスラックスと糊のよくきいたワイシャツを着てみる。いつも色の濃い服を選びがちの人なら、全く反対の色を選んで着てみる。
――自分に合わないと決めていた色や形を選んでみることだよ。
しかし、今の私には、自分のワクを壊していくとかの方に気持ちが集中しています。
「すみません……。
話を戻して、自分のワクを壊してみるには、どんなことをするといいのでしょう
か?」
おじいさんは、少し声の調子を落として静かに話し出してくれました。
「そうじゃのう、その第一にな、生活のパターンを変えてみることじゃな。
例えばな、普段がジーパンとティシャーツとかトレーナのような物ばかりを着ている人だったら、きちんとアイロンのかかったスラックスと糊のよくきいたワイシャツを着てみる。いつも色の濃い服を選びがちの人なら、全く反対の色を選んで着てみる。
――自分に合わないと決めていた色や形を選んでみることだよ。
さっきのような交差点では、青が点滅した時に、これまでには立ち止まっていた
人ならば、そこから走り出してみる。あるいは、これまでのパターンで青が点滅
したら走り出していた人は、反対にそこで待つようにする、そんなことじゃよ。
普段の身なりや行動というものはすべてがあなた自身、その人自身からでていて、
どうしてもそのワクの中の出会いしかないのだから、そのワクを変えることが重
要なカギとなってくるだろ。
おまえは、どう思う?」
私はどう思うと聞かれても、こんな話自体が、今までに考えたことのないことですから、何とも答えようがありません。
しかし、たしかに論理的で、変な御神籤(おみくじ)を引いたり、ご祈祷をお願いするよりもよほど効果がありそうです。何といっても神頼みじゃないところがいいです!
……あれ、このおじいさんは仙人か神様じゃないの?と私が思った瞬間に、私の
方をちらっと見た白い方は、話を続けられます。
「そういうワクを超えていこうとする中でな、その人の想いのエネルギーは形を変え、そうして空間の広がりの幅を超えて、これまでとはまったく違う世界にその想いのエネルギーの糸が広がっていくんじゃよ。」
「自己認識プラス自分の服装、行動パターンを変える、ということが縁結びの秘訣なのですね!?」
「まさにその通りじゃ!
しかしなぁ、人はどうしても自分のパターンに戻ってしまいがちじゃからな、せ
めて半年は新しい変化を続けてほしいものじゃ。」
この話がとてもよく理解できたので、たったさきほど聞いた…、この自分のワクを壊すということの大規模な宇宙版が、今の世界中で起こってきている世界恐慌とか、大地震とか、それがどうなるのか…、について続けて質問しょうとしたそのときです、白い作務衣のおじいさんの姿はだんだんと真っ白な雪の中に溶け込み、消えてしまいました。


