先週からずっと風邪を引いている。
喉が痛くて、咳が止まらない。咳をすると頭も痛くなってくる。
医者にも行ったが、やはり風邪らしい。

僕もずっとそう思っていた。


先週の木曜日には県民文化会館に「ステッピング・アウト」というミュージカルを観に行った。
上演時間は2時間50分!


ステッピングアウト

主役は前田美波里という人で、プロポーションが素晴らしい。
ストーリーよりもその姿に見とれてしまう。

宝塚出身なのだそうだ。


ストーリーはそれぞれ悩みをもったダンスクラブの仲間たちが、タップダンスを通じて成長していく、といったものだった。

でも、今ひとつ面白みに欠けていて、俺はこのコンセプトなら映画のフットルースの方がいいや、と思いながら観ていた。

ミュージカルの最後に花束を渡す係が10名ほどいた。

なぜか僕もやらなければならないことになって、紙でできたシルクハット(日本語的におかしいけど)とベストを着て、出演者に花束を渡した。
「お似合いですよ。その衣装。本当に。」
僕が花束を渡した人は、僕にそう声をかけてくれた。


「この衣装が似合ってもなあ」微妙な気持だった。


ミュージカル自体は9時10分頃に終わった。

でも僕は帰ることができなかった。
「あなたはお客じゃなくてスタッフなの。後片付けをしてから帰るの。」
僕を誘ってくれた女の子は僕にそう言うのだ。
「冗談だろ。」
「本当。」


軍手を渡され、ステージに上がる。
大道具が次々に解体され、トラックの中に運ばれていく。
僕もダンス用の床を運んだり、スポットライトをいくつも外したり、様々な道具や機械類をトラックや舞台のそでに運んだ。


最後にステージの上を掃いて、帰ったときにはもう11時を回っていた。


忙しいのにミュージカルなどを観ていたので、仕事は十分に溜まっていた。
金曜日にはなかなか仕事が終わらず、職場を離れることができたときは夜の12時30分を過ぎていた。


くたくたに疲れていたのだが、日曜日に受ける英検2級のことが気になって、それからデニーズに行って少しだけ勉強した。
でも、もう頭がもうろうとしていて、ほとんど解くことができなかった。


土曜日は10時過ぎに起きて、それから勉強を始めた。


正月から試験の日までに旺文社の「英検2級20日間集中ゼミ」、「英検2級合格最速ナビゲーター」、ECCの「10日間完成英検2級」の3冊をやり、できない問題には印をつけて、直前に復習をすることにしていたのだけれど、復習どころか直前になっても全然進んでいなくて、ほとんど泣きながら問題を解いていた。


英検2級デイリー

結局、土曜日はずっと問題を解いていて、一通り終わって、できない問題だけを集中して解いていたら、日曜日の朝の4時30分頃までかかった。


5時間は眠ろうと思っていたのだけれど、結局8時には起きて続きを始め10時頃に終わった。


試験は1時からなので1時間くらい寝ようと思っていたら、姉から電話があった。
「悪いけど、今日英検2級の試験なんだ。あまり寝てないから寝かせて。」
そう言うと「うちの高校生の娘も今日英検の2級を受けるの」だと言う。
「そうなんだ。」
電話を切って1時間くらいは寝た。


11時30分頃に、僕が受験用の写真を切っていたら、姪から電話があった。
「今日、試験受けるって聞いたよ。私も受けるんだ。できそう?」
「わからない。ヒアリングが難しいかも。」
「ああ、そういう時代の人なんだ。」
「何が?」
「今はリスニングって言うんだよ。」
「…。」


試験会場は長野市立西部中学校という所だった。


近頃は小学生のガキンチョがママに連れられて英検を受けに来ることが多い。
自分が受けるわけでもないママたちが偉そうにしているのをみると本当にうんざりする。
自分自身の足で1人だけで会場まで来られるようになってから受けさせろ、とつい思ってしまう。


試験はやはりリスニングでつまづいた。
風邪を引いていて咳が止まらない。

他の人の迷惑にならないよう、テープが流れている間、必死に息を止めていたら、毎回出だしの数秒間、何を言っているのかサッパリわからず、会話を空想しながら解答していた。


試験が終わって家に帰ったら、急に悪寒がしてきたので、簡単に夕食だけ食べて寝た。


それで昨日は10時間ほど寝たはずなのだけれど、まだ眠たい。

風邪もひいたままだ。
そして仕事もたっぷりまだある。

今週は飲み会の多い週だった。


水曜日には30名ほどの大きな飲み会があった。
僕は幹事だったので、場所の選定や通知文の配布、参加者の取りまとめなどをした。
課長や部長に声をかけるのは、係長に頼んだ。
「酒を飲む(段取りを組む)のもめんどくせえなあ」と係長は言っていたが、僕も全く同感だった。


水曜日はその飲み会の後、スナックに2次会に行き、さらに中国人のいる店に飲みに行った。

帰ったときには2時を過ぎていて、木曜日はつらかった。


金曜日には手作り餃子などを囲んでの飲み会があった。
10人くらいはいただろうか。
美味しい料理を知り合いの職場の人が作ってくれて、僕は何もせずに飲んでいるだけでよかった。

餃子は野菜やキノコがたっぷり。ミンチした牡蠣も入っているのだという。

腹一杯食べて動けないのに、それでも手が伸びてしまうようなうまさだった。


会場も知り合いの人のマンションだった。
本棚を見て「小説とかないんだね」と言ったら「そういう言葉って傷つくんだから」と多くの人に怒られた。


土曜日には、池袋のレストラン「銀兎」にスペイン料理のコースを食べに行った。
とても美味しかったが、どうしても「銀兎」のエビマヨが食べたくて、コースに押し込んでもらった。
おかげで随分とボリュームのあるコースになってしまい、メインのイベリコ豚にたどり着いたときはかなりへろへろになってしまった。


池袋までの行き帰りに医者をしている義理の兄から薦められた久坂部羊の「無痛」(幻冬社)を読んだ。


無痛

司法戦争

かつて弁護士である中嶋博行が「司法戦争」というサスペンスを書いて話題になったことがあるけれど、医師である久坂部羊が書いたストーリーの方が遙かに迫力がある。
その一番の差は「話せばわかる」「理屈が通じる」「利害の観点が同じ」人間同士の話か否かという点にある。
中嶋博行の「司法戦争」でも金で動く殺人鬼が出てきたが、「無痛」に出てくる犯罪傾向の強い少年に甲状腺ホルモンを与えて、無理矢理知能を伸ばして医師が作り出した人工的な殺人鬼の方が、何をするかわからないだけに恐ろしい。


医学的な話は、作者が医師でもあるので正確なのだろう。
凄惨な話も多く、目をつぶりたくなるような描写もある。


あれは短編集の「思い出トランプ」に収録されていたのか正確には覚えてはいないけれど、向田邦子の短編で「指」というのがあって、確か妻が、料理の途中に手を伸ばしてきた自分の息子の指を、普段から研ぎ澄ましていた包丁で切断してしまう、という話だった。


思い出トランプ

読んだとき「そんなに簡単に指なんか切れないだろう」と思っていたんだけど、今回、指は膝の関節などとは違って軟部組織で繋がっているだけだから、メスで簡単に切断できるのだと知って、あの話はリアリティがあったんだ、と思い直した。


本当に指が骨でつながっていたら、ヤクザの指つめだって、ノコギリでも持ってこなければ切れないだろうしなあ。


刑法39条がらみでは、かなり取材はしているんだろうなあ、とは思ったけれど、「原因において自由な行為」とか、心神喪失者の行為を利用する場合には「間接正犯」とか、実行行為時に実行行為をする者がたとえ心神喪失状態であっても、それを補う理屈はいくつもあるから、必ずしも行為時に心神喪失だったからといって無罪になるわけではない。
心身喪失者の行為は無罪だということを過度に強調しすぎているなあ、という印象は受けた。


それから、間瀬元朗の漫画「イキガミ」(1~3巻、小学館YSコミックス)も読んだ。


イキガミ1

イキガミ2

イキガミ3

(架空の)国の法律で、18歳から24歳までの1000人に1人が国により命を奪われることになっている。

それが誰かはわからないが、本人には1日前に知らされる。

「あと、1日しか生きられない」ことを本人に伝えなければならない区役所戸籍課の公務員と、実際に死んでいく若者たちの物語だ。

「いま、一番泣ける漫画」なのだそうだ。


読んでいる間には「ありえないよな」なんて思っていて気がつかなかったけれど、戦争時代の赤紙って、まさしく若者の1000人に1人は死ななければならない、この「イキガミ」みたいなものだったんだよなあ、と思い至って、それから「しん」とした気持になった。


たまたまこうして生きているのも、たまたまこの時代の日本に生まれたからで、たまたまアフガンで生まれていたらもう死んでいたかもしれないよな、なんて思ったりして。


そんなことをして週末は過ごした。

いろいろと思いを馳せることはいいことかもしれないが、英検2級の試験まで、あと2週間しかない。
恐ろしいことに何もしていない。
そして、未だにやる気もあまりない。


明日からの僕に期待したい。

昨年末に職場の忘年会の後、先輩たち(2人)に連れられて3人でスナックに飲みに行った。


仕事が忙しく、最近は飲み会に行くこともほとんどなくなってしまった。
何よりも2日酔いが恐ろしく、仕事ができなくなってしまうと困る。
昔は2日酔いだからと職場のソファーに寝ていても全然平気だったが、今の職場は緊張感が張り詰めているのでそんなことを考えることさえできない。
年を取るとそんなことにも心が小さくなってしまうのだろうか。


スナックにはカラオケ芸というのがある。
郷ひろみの曲やピンクレディの曲を振り付きで歌う人とかが一般的だろう。
外国人で多いのはテーブルに乗って歩き回ったり、踊り出したりする人。


昔、ケネディの子供向けの伝記を読んだときに(当然、子供の頃)、ケネディが初めて選挙で勝ったときに、叔父がテーブルに飛び乗ってタップダンスを踊ったというくだりがあって、昔から外国人は嬉しいときにはテーブルに乗るものだと思っていたけれど、初めて見たときは本当なんだと感動した。


日本人は怒ったときにちゃぶ台をひっくり返すんだよね。
「なぜ、日本人はテーブルに乗らずにちゃぶ台をひっくり返すのか」
たぶん日本のちゃぶ台は壊れやすいからだろうな、きっと。

それからたぶん天井が低いせいだ。


カラオケ芸では脱ぐ人もいるし、六本木心中を叫びながら歌う人も今まで見たことがあったけれど、一番気に入ったのは、名古屋で飲んだときに女の子がボニータイラーの「Holding out for a Hero」をカラオケでかけて、英語の字幕が出ているのに、麻倉未稀の「HERO」の日本語の歌詞で歌いきったときだ。


カバー曲だから当然できるのだろうけれど、カイリー・ミノーグの「愛が止まらない ~Turn It Into Love~」をカラオケでかけて、Winkの歌詞で歌う人とか見たことがないので、意外と難しいのかもしれない。


でも、今回はそれを上回る大技を見せてもらった。


スナックで僕がRCや浜省なんかを歌っていたら、普段から真面目な先輩が、松山千春の「大空と大地の中で」を入れてくれ、と店の女の子に頼んだ。
店に入ったときから、なぜか真剣な顔で仕事の話をぽつぽつと話すので、先輩が話しているときだけは僕も真剣に聞いていた。


曲が始まると先輩はおもむろに立ち上がって、周りのお客さんの拍手に応えながら歌い出したのだが、それは曲も歌詞も全然違う「長い夜」だった。
カラオケから流れる「大空と大地の中で」と全く関係なく、どこまでも真剣に「長い夜」を歌っている先輩を見ていたら笑えた。


先輩はそのまま歌いながら客席をまわってトイレに入り、そしてトイレから出てきた。
僕は笑いすぎて、腹が痛くなったほどだった。


翌日、古くからその先輩のことを知っている人に「彼は昔はすごい遊び人で、結婚したとき、相手は人間なのか?」と話題になったほどだと聞いた。


なるほどなあ、と思った。

昨年末、朝、長野駅で切符がないのに気づいて探していた。
コートのポケットにもズボンのポケットにもない。
頭のなかに井上陽水の「夢の中へ」が流れ出す。


探しものは何ですか?
見つけにくいものですか?
カバンの中も つくえの中も
探したけれど 見つからないのに
まだまだ探す気ですか?
それより僕と踊りませんか?
夢の中へ 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか?


「踊ってどうするんだ!」


仕方がなく、精算窓口に行き、状況を説明する。
駅員が疑わしそうな顔をしながら「同じ金額を支払ってください」という。
財布の小銭入れを開ける。
切符はその中にあった。


職場で仕事をしていたら、銀行から電話がかかってきた。
「あなたの銀行のカードが長野駅に落ちていたそうです。長野駅に今すぐ電話をして、取りに行ってください。」
財布の中身を確認する。
銀行のカードと、免許証がない。
切符を探しているうちに落としたのだろうか。
顔から血の気が引いた。


仕事を1時間休んで、長野駅に銀行のカードを取りに行く。
免許証は落ちていなかったそうだ。
それで、駅前の交番に行き、落とし物の申告をする。
「見つかったらここに電話して。」
電話番号を書いたカードを渡された。


結局、免許証は家に置きっぱなしだった。
カードの番号に電話をしても誰もでないので、昨日(1月6日)まで連絡しなかった。


昨日、駅前に行く用事があったので、雪の中を歩いて交番に行った。
「以前、遺失物の手続きをした免許証が出てきました。」
「免許証の再発行はしなかった?」
「はい。」
年寄りの警官は書類から、僕の名前を削除して、「はい。わかりました。」と言った。
なぜもっと前に来なかったのか、などとうるさいことを聞かれなくてほっとした。


雪の中を歩いていたせいで、体がすっかり冷え切ってしまっていた。

久しぶりに岩盤浴に行くことにした。


男性客は誰もいなくて、貸し切りにしたかのようだった。

1時間も入っていると大量の汗をかいて、暑くて寝ていられなくなる。
風邪もだいぶ改善したような気がした。


それから家に帰って、DVDで「タイガーランド」を観た。

主人公のボズ役をフォーン・ブースのコリン・ファレルが演じている。


タイガーランド

ストレスが極限になった状態でのボズの態度は見上げたものだ。
僕には決して真似ができない。
彼のように信念のとおりに生きられるのなら、僕はもう仕事になんか行かないだろう。
僕は彼のようには生きられないが、彼の生き方を支持する。
こういう生き方をする人間を僕は助けたい。
なかなかいい映画だった。

新年になった。今年はイノシシ年だということだ。


ほとんどの人はメールですませたが、そういうわけにはいかない人にはちゃんと年賀状を印刷した。
「パパッと出せる年賀状」という雑誌を買ってきて印刷する。
確かに手早く印刷ができたけれど、インクがなかなか乾かないので、それが他の年賀状についてしまい、随分と汚れた、手作り感覚に溢れた年賀状になってしまった。


イノシシ年といえば12年前、女の友達が結婚した。
相手が随分と太った人だったので「今年の干支にちなんだような新郎でうらやましいです」などと年賀状に書いたのを思い出す。
あれから12年。


その友達のあだ名は「あみんちゃん」だった。
あみんちゃんとは毎晩深夜にずっと長電話をしていた。
僕に「ちびまる子ちゃん」や岡崎京子の「くちびるから散弾銃」を教えてくれた子だった。


ちびまる子ちゃん

くちびるから散弾銃
漫画の選び方にセンスがあった。
あの子は今どこで何をしているのだろうか?
もう名前も思い出せない。


さて、今年の目標はこんな感じ。
1 英検2級を今年こそとる
2 社会保険労務士の資格を取る
3(まともな社会人になるためにしなければならないという強迫観念に負けて)結婚


1と2は努力次第という気がするけれど。
でも3は天使が目の前に降りてきてくれるようなことがない限り無理なような気がする。
祈ればいいのだろうか?


ふと気がつくと、2級の試験は1月28日に一次試験がある。
「英検2級20日間集中ゼミ」(旺文社)という問題集を持っていて、今までは「なんだ20日でいいのか」と思っていたのだが、新年になったら「20日もかかるのか」と少しプレッシャーになってきた。

英検2級デイリー

別に「ECC編10日間完成英検2級」(南雲堂)という問題集もあるので、いざとなったらこっちをしよう、とも思うけれど。


いずれにしろ、年が明けた。


実家に帰るとき、元旦から新しいダイアリーに日記をつけようと思っていた。
実際に書こうと思って広げてみたら、2007年用と間違って2005年用を持ってきてしまっていた。
「まったくなあ。」
新年早々ため息が出る。


でもため息をついたら、いつかは息を吸わないと。


陽水の「新しいラプソディ」を聴く。
新年に聴くにはいい曲だ。


「新しいラプソディ」


街が未来へ向け走る
星が夜空からはじける
懐かしいメロディ
あざやかなハーモニー
喜びのシンフォニー to me


夢を はてしのない夢を
夜にまぶしい程 夢を
散りばめてジュエリー
星屑のファンタジー
新しいラプソディー to me


I love you 願いをこめて
I love you 夜空の星に
I love you あなたの胸に
I love you 届くように…

年末は実家で過ごした。
風邪気味だったので、大掃除などはそうそうにやらないことに決めて、簡単なメダカの水槽の掃除や庭の穴掘りなどだけをした。


なにしろ風邪気味だったので、基本的には布団に入ったまま過ごしていた。
布団のなかで寝ながら「風の影」(上・下巻、カルロス・ルイス・サフォン著、集英社文庫)を読み終わった。

この本は、最初は少し取っつきにくいかもしれないけれど、ゆっくりと読んでいるとだんだんと世界が広がってくる。

風の影上

風の影下
スペインの歴史を物語のなかに感じ取り、読み終わるときっとバルセロナに行きたくなる。
僕のペネロペやベアトリスもスペインにいるのだろうか。

会いに行きたい。


プリズン・ブレイクのコレクターズBOX2(8巻~12巻)も布団に入ったまま見終わった。


プリズンブレイクBOX2

プリズン・ブレイクのBOX1(1巻~7巻)は、今、職場の先輩に貸しているが、3巻目だけ「ついうっかり間違えて」豚が食肉になるまでを描いたドキュメント映画のDVDを入れてある。
「さっきまで刑務所の話だったのに、なぜ、ここで精肉工場の話に…」ときっと不思議な気持になるに違いない。


プリズンブレイクBOX1

プリズン・ブレイクは心配したとおり、BOX2でも終わらなかった。
次は塀の外での追いかけっこだ。
でも、もう買わない。付き合いきれるか!


風邪気味ではあったが、年末には牡蠣の殻をむくという仕事があった。
昨年は針金を引っ張ると牡蠣の貝柱が切れるものだったので、簡単だったが、今年は針金なしの牡蠣が届いた。


パリに行ったとき、夜、レストランの前で職人が震えながら牡蠣の殻をむいているのをそこかしこで見た。
僕もいつか、あの仕事をマスターしたいものだと思っていたので、さっそく挑戦することにした。
 
「牡蠣の殻のむき方」
1生牡蠣を殻の深い方を下にして左手に持ちます。
2牡蠣の先端の柔らかい殻の部分を調理ばさみで切り落とします。
3殻の隙間から、ナイフを入れ、上の殻にそって動かします。
4手探りで貝柱の位置を探し当てて、切ります。
5上の殻をめくりあげて、はずします。
6下の殻と身をつないでいる貝柱もナイフで切ります。
7生食用は塩味が強いので、身を洗って殻ごと氷を敷いた皿に盛りつけてできあがり。


最初は、貝柱の手応えがよくわからないけれど、やっているうちにわかってくる。
50個くらいむいた。


きれいに盛りつけができたので、よしよしと頷いて、それから姉の夫婦が来られなくなったので、1人で36個くらい食べてしまった。

牡蠣は今年の冬、ノロ・ウィルスなんてのび太みたいな名前のウイルスのせいであまり売れないらしい。
僕が食べてやるのに、と思う。


31日の夜、ウイスキーのお湯割りに甘いワインを入れて飲んでいたら、カリフォルニアに住んでいるクリスから電話があった。
「俺、今日本に着いたんだ。」
「いつまでいるんだ?」
「来週の土曜日。今年はすぐ帰るんだ。おまえ仕事は相変わらず、忙しいのか。」
「ああ。忙しいよ。」
「ところでおまえ、結婚したのか?」
「俺?ああ。2回くらい。」
「本当か?エッチと結婚は違うんだぞ。知ってるか?」
「じゃあ、まだ俺、結婚してないや。」
「ははは。またな。暇なとき電話してくれ。」
未だに日本語を忘れないクリスをほんの少しだけ尊敬した。


ここで突然だけどクリス先生のモテモテ講座。


「いっぺんに3人の彼女ができたとき、クリスマスイブをどう過ごせばいいか」
1 イブの夜、他の女と遊んでいると、女は必ず他の女と遊んでいたことを見破ってしまう。
2 なので、イブの夜は仕事をする。
3 そのかわり、イブの代わりにと言いながら、それぞれ別の日に3人の女と順番に遊ぶ。
4 そうすれば、イブに仕事をしていたって堂々と言えるし、他の女と遊んでいることも見破られない。


31日の夜、紅白歌合戦も何も見ずに、ウイスキーで風邪薬を飲んで寝た。
禁止されているだけあってよく眠れる。


2006年はこうして終わった。 

今年も1年が過ぎようとしている。


今年の1月に立てた目標を見てみる。
1 アロマテラピー・インストラクターの資格を取る。
2 英検2級を取る(今まで英検って受けたことないから。)。
3 TOEICで730点以上を取る。
4 ジムに週に2日くらい通う。


何ひとつとして達成できなかった。
かえってサッパリした気分になるほどだ。
ジムもやめてしまったし。


今年は、そのかわりに秘書検定の2級を取り、英検は準2級を取った。
仕事のためにではなく資格のために資格を取る、資格マニアの色が一段と濃くなってきたように感じる。


ちなみに、僕の今まで取った(役に立たない)資格は、アマチュア無線技師、行政書士、宅建主任、一般旅行業取扱主任、アロマテラピーアドバイザーなどだ。


高校時代に父親から「勉強や仕事は体系だってするものだ。野口英世は優秀だったかもしれないが、梅毒の研究をしたかと思えば、毒蛇の研究をして、最後は黄熱病の研究をしていた。体系だった研究をしてないから、たいした功績も残していないんだ」と言われたことがある。


確かに、彼は有名だけど、じゃあ結局何をしたのか?と言われるとよくわからない。


あらためて体系だっているかどうかという観点から自分の資格を見てみると、実に節操がなく、何かの功績に結びつくような気配は全く感じられない。


これでは暇つぶしだと言われてもしかたがない。



今年は読んだ本のベスト10を威張って出すほど本も読んでないし、映画も観ていないので、とりあえずベスト5くらいを出しておきたい。
そして、笑っちゃうんだけど、今年読んだ本のベスト1は、実はまだ下巻の途中を読んでいる段階で、読み終わっていない。


今年読んだ本のベスト


1「風の影」(上・下巻)カルロス・ルイス・サフォン著、集英社文庫

風の影上

風の影下
 まだ下巻の前半を読んでいる状態なんだけど、読み応えのある本。バスに乗っているときに読んでいたら、夢中になりすぎて降りるべき停留所をスルーしてしまった。


2「数学的にありえない」(上・下巻)アダム・ファイアー著、文藝春秋
 ハードSFの読者からは「デタラメだ」とけなされているが、SFではなくサスペンスとして読めば超いい本。読んだあと自分も主人公の真似をして、現実を何度も理想どおりになるようにリピートする。でも僕には能力がないので、現実には全く変化なしだけど。


数学的にありえない 上

数学的にありえない 下

3「侵入社員」(上・下巻)ジョセフ・フィンダー著、新潮文庫
 とても面白かった。取材もよくできていて感心した。


侵入社員 上

侵入社員 下

4「蜂の巣にキス」ジョナサン・キャロル著、創元推理文庫


蜂の巣にキス

5「10ドルだって大金だ」ジャック・リッチー著、河出書房新社


10ドルだって大金だ

6「すべては海になる」山田あかね著、小学館


すべては海になる

7「センセイの鞄」川上弘美著、文春文庫


センセイの鞄

今年観た映画とDVD等のベスト


1「Vフォー・ヴェンデッタ」
 
Vフォーベンデッタ

この映画のベースに流れる思想が好きだ。権力に従い尻尾を振ることはたやすいことだけれど、個人として立ち上がるべきときは、立ち上がらなければならないと考えさせられた。チャイコフスキーの音楽もとてもよかった。


2「フォーンブース」

フォーンブース
 

安い作りの映画だけど、十分に堪能した。映画における脚本の力をとても強く感じた。


3「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」

ライフオブデイビットゲイル

 今年はケビン・スペイシーの映画をよく観たなあ。「ユージュアル・サスペクツ」、「アメリカン・ビューティー」もそうだったし。本当にいい役者だと思う。


4「(ドラマ)プリズン・ブレイクBox1」
 今は、Box2を観ている最中。


プリズンブレイクbox1

プリズンブレイクbox2

5「(ドラマ)アリー my Love Season1」


アリー・マクベイル

今年はあと、音楽では「COLD PLAY」のコンサートが素晴らしく、アルバムではストーンズの曲をボサノヴァ風にした「Bossa 'N' Stones」をよく聴いた。


coldplay1

ボッサンストーンズ

旅行は県外はTDLくらい。

秋から県内を何度も旅行した。

国外はまったくなし。


仕事は否応なしに、大量にした。

特に3月から5月にかけての仕事量は殺人的だった。

もう一度やれと言われてももう、そんな気力がない。

早く転勤したいが「絶対に無理」と早くも係長からダメ出しを受けている。


恋愛その他にはまったく進展がなく、きっかけもなく、名古屋のSちゃんから「ブログ見て、ダメすぎて涙が出そうになった」と言われたほどだった。

スナックで働いている女の子が「先週ダブルデートみたいで楽しかったから、今度は東京ディズニーランドに行こう」と言う。


旅行会社に相談したら、入場制限があるからチケットは予約をした方がいいという。
予約券を手に入れて、パレードを待っているときに下に敷く山用の銀マットも手に入れた。
仕事も忙しいのに、なんてこったと思いながら。


23日の朝3時頃、ボルボに乗った男の人と、スナックの子と、その友達が迎えに来る。
「寝てていいですよ」
男の人がそう言ってくれたので遠慮せずに寝てしまう。


ディズニーランドには7時頃に到着した。


切符の購入、パークへの入場、アトラクション、ポップコーン、コーヒー、トイレ、昼食、パレード、買い物。
ディズニーランドでは何をするにも待たされる。

みんな我慢強いなあと思う。


僕は英語のジョークブックを持ってきていたので、いろいろ待っている間にそれをずっと読んでいた。
「一人で本読んで、ニヤニヤ笑っているのは気持ちが悪い。」
スナックの女の子に、途中で本を読むのはやめさせられた。


スプラッシュ・マウンテン、イッツ・ア・スモールワールド、ガジェットのゴーコースター、プーさんのハニーハント、カリブの海賊、スターツアーズなどのアトラクションに行って、それから昼のパレードを見て、夜はエレクトリカルパレードとシンデレラ城の点灯式と花火を見た。



パレード

パレードのときのミッキー


ライトアップ

シンデレラ城のライトアップ
どっちも本当に下手な写真だなあ


楽しかったけれど、パレードでミッキーマウスに向かって「ミッキー!ミッキー!」と周りのお姉様たちが絶叫している姿を見ると、「俺はもういいや」と冷めてしまう。
ミッキーはどこに行っても人気者で、一緒に写真を撮るのにも長蛇の列がすぐにできる。


以前、韓国のロッテワールドに男3人で行ったことがある。
ロッテワールドのキャラクターはロッティとローリー。
「ローリー、こっちこっち。」
写真を撮るときに、近くを歩いていたローリーを呼びつけたら、ちょっと嫌そうにやって来たのを思い出す。
ローリーは庶民的なキャラクターでよかったなあ、と思い出す。
もし、ミッキーが1人で歩いていたら、大事になるだろう。


スナックの女の子は、昨日も深夜1時まで仕事だったという。
エレクトリカルパレードの最中、とうとう居眠りを始めてしまっていた。


チェシェ猫
エレクトリカルパレード

不思議な国のアリスに出てくるチェシェ猫(だと思う)。

SFや物理の本にもよく登場する。


帰りは、お台場のクリスマスツリーを見て、レインボーブリッジを渡って帰ってきた。


途中から、僕がボルボを運転していた。
重いアクセルになかなかなじめずに、途中、何度もサービスエリアで仮眠を取ったり休憩したりしていたので、長野まで戻ってきたときはもう明け方の6時過ぎだった。


それから12時頃まで寝て、シャワーを浴びていたら、この前遊びに来た看護師の女の子から電話があって、「30秒だけでいいから外に出てきて」と言う。


急いで服を着て出て行ったら、「メリークリスマス」と言って靴下をくれた。
「私には何かくれないの?」
「だって、来るとも思わなかったし。」
「じゃあ、忘れていた罰として100倍返しね。」
「はあ?」
「じゃあまたね。私これからデートだし。」
彼女は車に乗って去っていった。


夜にはスナックの女の子が夕食を食べに来た。
パスタとピラフを作った。
「まあまあだったよ。」
たいそうな褒め言葉をいただき、ふざけるな、と思う。
「これから彼氏の家でケーキ食べるから。じゃあね。」
彼女も帰っていった。


シンクに汚れた食器が並んでいる。
部屋には飲み散らかしたペットボトルがそのまま置いてある。
後片付け…。
「ああ、クリスマス・イブってめんどくせえなあ」と思った。

スナックで働いている女の子が「友達と一緒に馬曲温泉に行きたいから車出して」というので「いいよ」と言っておいた。
でも、当日の朝になって「今日は温泉はいけない」ことになったらしい。
「どうして?」
「そのくらい察しなよ!」
よくわからないけれど、怒っているようなのでそれ以上は聞かない。


彼女が予約していた小布施町にある蔵部という人気のお店で昼食を取り、それから雷滝を見に行く。
もうシーズンオフということもあり、入り口にはロープが張られ、滝に行けないようになっている。
「めんどくさいなあ」と言いながらロープをまたいで越える。


この滝は別名「うらみの滝」と呼ばれていて、滝を裏側から見ることができる。
紅葉シーズンも終わって観光客はほとんどおらず、僕たちのようにロープを越えてきた人が何人かいるだけだ。
枯れた谷間に落ちていく滝も迫力があって、それなりに楽しかった。
雷滝


スナックで働いている女の子は、今日はほかにも約束があるという。
「今からその人に会って約束を果たしたら、国立アルプスあづみの公園に行って、それからキュイジーヌ扉に行く。車は今から会いに行く人が出してくれるから、気にしないで」と言って去っていった。


残された僕と彼女の友達は、仕方がなく、僕の家でDVD「ボーンスプレマシー」を見て過ごす。

ボーンスプレマシー
「手を出したら許さないから」とは言われていたが、DVDが始まるとつい集中してしまい、ほとんど会話もしなかった。


彼女の友達だというその男の人は、ボルボに乗ってやって来た。
「どうもこんにちは。」
「はじめまして。」
ボルボは本革張りの豪華な車だった。


国営アルプスあづみの公園では、この時期「森の光物語」というライトアップイベントを行っている。

僕も以前、軽井沢で立木のライトアップをしたことがあるが、これは意外と難しいものだ。

枝の先の方まで電飾を届かせるようにするのがなかなかうまくいかず、苦労したのを覚えている。

今回も僕がしたような失敗を何本かの木で見て、ほほえましい気分になった。


森の光物語
相変わらず、写真下手ですみません。


それを見た後、松本にあるキュージーヌ扉でイベリコ豚や信州牛の炭火焼き肉のコースを食べてまた長野に帰ってきた。



矢作俊彦の「ららら科學の子」(文春文庫)を読み終わった。
SFだと思っていたのだが、全然そうではなく、殺人未遂で日本を離れた男が、中国に密航し、そして30年ぶりに帰ってくるという話だった。
取材をしているのはよくわかるけれど、ストーリーが走っていないので最後まで読むのに苦労した。
メインになるべき妹や親友との再会は結局、最後までなく、能力があるのに感傷に浸ったままの主人公にはうんざりさせられた。


DVDで「TAXI NY」も見た。

TAXY in NY

コンビニで999円で買えるけれど20円の価値もない。
くだらない映画だった。

職場の同僚のお父さんが亡くなり、葬儀に行くことになった。

会場は僕の実家の近くなので、年休を1日取って出かける。


仕事は忙しいのだが、仕方がない。


会場が寒いお寺ではなく葬儀式場だったので、暖房も温かく、焼香してイスに座っているだけで、あとは何もしなくてすんだ。


昔、父の葬儀のときに、叔父が「こんな大げさにしてくれなんて本人だって、思っていないだろうけど、こういうものは仕方がないんだよ。俺も故人が好きだった音楽でも流して、お別れして、それだけでいいって思うけれど、仕方がないよ」と言いながら励ましてくれた日のことを思い出す。


今回、焼香をしている間、ずっと式場にクラッシックの音楽が流れていた。

だんだんと望んでいる方向に世の中が動き出したのを感じる。

僕のときは映画「ラブ・アクチュアリー」のようにベイ・シティ・ローラーズの「バイ・バイ・ベイビー」を流すか、シーナ&ロケッツの「グッド・ラック」を流してもらいたい。


ベイシティローラーズ

シーナ&ロケッツ

グッドラック


…そうさ、涙は禁物さ

まだ俺たちは終わっちゃいない

ブルーなしめった空気には

もってこいの言葉だぜ


さよなら、その言葉は

聞かなかったことにするぜ

馬鹿げたゲームだって

あとくちだけは 汚さずに


グッドラック

グッドラック

グッドラック 笑ってみせな



帰りに実家に寄って、カレーライスを食べて昼寝する。

起きたら、もう辺りは暗くて雨が降っている。


母親にコーヒーを淹れてもらい、ぼんやりと考え事をする。

明日から仕事か。もうすべて投げ捨ててしまいたいなあ。


それでも、立ち上がって、荷物をまとめて車に乗り込む。

雨の日の運転は気を使うことが多くて僕は嫌いだ。


高速道路を走る。

フロントガラスに浮かんだ油膜のせいで外がきれいに見えないので、だんだんとイライラしてくる。

サービスエリアに入り、トランクから「油膜一発」というスプレーを取り出してフロントガラスにかける。


再び車に乗り込んで、走り出す。

油膜はますます伸びて、かえって広がった感じがした。

イライラしたまま、高速を降り、コンビニで食器洗い用の洗剤を買う。


ボンネットを開け、洗剤をウインドウォッシャー液の中に一本丸ごと流し込む。

油汚れに強いんなら、油膜くらい一発で取れると思った。


スイッチを入れる。

何度スイッチを入れてもウインドウォッシャー液の噴き出し口からモゴモゴと泡が出るだけで、フロントガラスまで届かない。

「ああ、もうめんどくせえ。」


ガソリンスタンドに入る。

きれいなお姉さんが走ってきたので説明をする。

ボンネットを開き、現状を確かめる。


スタンドの建物のなかで待っているように言われたので、なかに入って、最近読み出してはまっているカルロス・ルイス・サフォンの「風の影」(集英社文庫)上巻を読む。

これがあれば、どれだけ待たされても平気だ。


結局、モーターまで洗剤の原液が巻き込まれていて3回ほど洗い流したという。

そのあと、ウインド・ウォッシャー液を入れてもらったら工賃も含め2500円くらいかかった。


家の駐車場で、スポンジに台所用洗剤を含ませて、フロントガラスを拭く。

今度はきれいになった。


「やっぱ、ウインド・ウォッシャーは機械だからフロントガラスを洗うには、普通の台所用洗剤じゃなくて、食器洗い機用の洗剤じゃないとダメなのかなあ」と思った。