2020年の読書 21冊 | ゆきんこのブログ

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我が家の犬猫、保護犬、そしてゆきんこのブログです。

2020年の読書メーター
読んだ本の数:21

21冊、今まで最低でした。でも20冊読んだだけでもよかったです。
読んだページ数:5242
ナイス数:211

流浪の月流浪の月感想
文は更紗と出会い楽しい時を過ごした。更紗は優しい文が好きだった。ただ一緒に過ごしただけなのに、文は少女監禁の犯罪者となり、更紗はロリコンの犠牲者と憐れまれた。一緒に過ごしていただけなのに。 更紗が成人した後、文の経営するカフェで再会する。でも文は知らないふりを続けるが、二人は近づいていく。二人の過去は晒されて流浪の月の様に逃げながら暮らしていく。いつか過去から解放されて、怯えない穏やかな日が来てくれたらいいと思う。
読了日:12月19日 著者:凪良 ゆう
タマ、帰っておいでタマ、帰っておいで感想
画家である著者が捨て猫だったタマと15年暮らし、2014年5月31日12時過ぎに亡くなったタマとの暮らし亡くなった後のタマへの思いを綴ったたくさんのタマの絵と共にできている本。タマは亡くなっても飼い主にとっては永遠の存在であることが伝わった。
読了日:12月07日 著者:横尾 忠則
人間人間感想
又吉君の本だと思って読んだが、全然意味も分からず面白くなかった。作家である永山がシェアハウスでの人間関係、その後は実家での家族、特に父親との関りが主な内容だが 家族の話は父親が沖縄出身で母親が奄美大島出身という自信の両親を意識して描いたのではと思われた。 実話ではないとは思うが、父親はかなり近いものなのではないだろうか。永山自身も又吉君ではないだろうが重なって見てしまう。
読了日:12月03日 著者:又吉 直樹
下手くそやけどなんとか生きてるねん。: 薬物・アルコール依存症からのリカバリー下手くそやけどなんとか生きてるねん。: 薬物・アルコール依存症からのリカバリー感想
10代から鑑別所入所、少年院入院を繰り返し、20歳からアルコール依存症等で精神科に48回入院、30歳から刑務所服役後、自助グループへつながり、やさと回復の道を歩む。アルコール、薬物依存のフルコースが記載されているがここまでどうして堕落してしまうのか、若いころに助けてくれる人がいればこうもならなかったのではとも思える。依存症になるのは簡単であるが、そこから抜け出すのは自助グループなしでは不可能のようだ。今は介護福祉士として自分と同じ依存症になった人たちを助けられる ようになってよかったと思う。
読了日:11月24日 著者:渡邊 洋次郎
新増補版 心の傷を癒すということ: 大災害と心のケア新増補版 心の傷を癒すということ: 大災害と心のケア感想
神戸大学医学部の精神科医だった著者が阪神淡路大震災の時の色々な立場の人の心の状態をきめ細やかに記している。PTSD Posttrumatic Stress Didorder(心的)外傷後ストレス障害は震災の被害者だけではなく消防署員やボランティアもなってしまう。 震災以外の戦争やレイプによるPTSDについて、虐待された子供のPTSDについても書かれていて、根が深いことが感じられた。 阪神淡路大震災の5年後、2000年12月2日に安氏は肝臓がんで無念の死を遂げる。享年39歳。道半ば、無念だっただろう。
読了日:10月11日 著者:安 克昌
【第163回 直木賞受賞作】少年と犬 (文春e-book)【第163回 直木賞受賞作】少年と犬 (文春e-book)感想
第163回 直木賞受賞作。直木賞受賞作でこれほど、涙が出そうになるほど感動した本は初めてだった。 犬「多聞」たもん6歳は釜石市で散歩の度に出会ったの少年光に再開するため、道中さまざまな人に飼われながら熊本市にたどり着く。震災後釜石を離れ熊本市に移住してきた光の父親の車の前に栄養失調の姿で現れ、連れて帰られて光と再会する。そして家族は二度目の大震災に遭い、家が倒壊した時に多聞は光の盾になり自らは命を失うことになるが光は助かる。それを光にためらいつつも伝えた父親。光は多聞が今も自分の胸の中にいると言った。
読了日:10月06日 著者:馳 星周
いわずにおれない (be文庫)いわずにおれない (be文庫)感想
欲のない「生かされていることに感謝」しているまどさんの気持ちがたくさんの動揺『ぞうさん』などを生んだことがわかる。 みんながよく知っている歌の作者はまどさん。自然体のまどさんの言葉が並べられている。 2014年2月28日に104歳で他界されている。長生きされるような人柄がよくわかる。
読了日:09月19日 著者:まど・みちお
病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー (ちくまプリマー新書)病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー (ちくまプリマー新書)感想
腸チフスの無症状の保菌者として隔離されたメアリー・マローンは「チフスのメアリー」と呼ばれ、事実からかけ離れた描写をされてていく。本人はノース・ブラザー島に隔離され、23年以上も死ぬまで隔離された。 当時の医療ではチフスの菌をは排除することができないのでそうなってしまった。 当時の絵が誇張されて現在でも使われることもある。気の毒な人生だった。こういう悲劇は繰り返してはならない。
読了日:08月09日 著者:金森修
冥土めぐり (河出文庫)冥土めぐり (河出文庫)感想
第147回芥川賞受賞作、「冥土めぐり」と「99の接吻」二作が入っていた。 受賞作「冥土めぐり」は裕福だった家族が転落してその家族と離れるために結婚したが、夫が不治の病に冒される。 そのことにより家族から離れられて却ってよかった。それほど引き込まれる作品でなかった。 「99の接吻」は4人姉妹のエロチックな話。こちらもおもしろくなかった。
読了日:07月25日 著者:鹿島田 真希
ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言感想
1929年愛知県生まれの認知症の専門医の著者が2017年10月、88歳の時認知症であると自覚して公表。 認知症になった専門医からの視点で認知症が書かれている。 認知症になったからといって人間は変わっていない。「なにもわからなくなってしまう」のではない。 「暮らしの障害」が本質で周囲の助けでずいぶん軽減できる。 長生きすればだれでもなりうる認知症。他人ごとではないと真に思ったのと認知症の人に対する態度も考えなければならないこともわかった。
読了日:07月23日 著者:長谷川 和夫,猪熊 律子
気がつけば、終着駅 (単行本)気がつけば、終着駅 (単行本)感想
佐藤愛子さんの50年前から今日まで『婦人公論』に書かれたものであって新刊ではない。 古いものもそれなりに新鮮でもあった。でも30代、40代に書かれたものより、80代、90代に書かれた最近のものの方が世の中や死について達観されており、興味深かった。 長生きしてよかったことは死ぬことがイヤでなくなったこと。歳をとって社会生活から離れた後は、なるべく欲望は ないほうがいい。95歳になり耳が遠くなった対処の仕方もおもしろかった。死ぬときに苦しいのは当たり前と思われているのもそう覚悟していれば怖くないかも。
読了日:07月19日 著者:佐藤 愛子
「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書)「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書)感想
日本は「世間」と「社会」という二つの世界から成り立っていて、日本人は基本的に「世間」で生きているからいろいろ面倒なことに悩まされている。 「世間」の人と言うのは現在または将来定期的に関係ある人で、「社会」の人というのはこれがただ一度だけであなたの世界とは関係ない人のこと。西洋には「世間」がない。だからアメリカで暮らすのは楽だった。 「世間」の5つのルールも説得力があった。 自身はあまり「世間」に束縛されることはないが、「世間」の人たちがいかにそれに束縛され悩まされている人が多そうなことがよくわかった。
読了日:07月11日 著者:鴻上 尚史
パパは女子高生だった――女の子だったパパが最高裁で逆転勝訴してつかんだ家族のカタチパパは女子高生だった――女の子だったパパが最高裁で逆転勝訴してつかんだ家族のカタチ感想
性同一性障害で女から男へ体も戸籍も変えた著者が結婚し、子供を設けた時に性転換した父親は父親ではないと父親になることを却下されたが最高裁で「性別変更した夫を父親として認める」と逆転勝訴。認めないのは性同一性障害者に対する差別であると担当弁護士が解説で語っている。 この本には著者自身の視点だけではなく、妻、次男視点から書かれたものもあり、そちらの方が著者がどのような立場 状況に置かれているか、また客観的に見てどうかということがよくわかった。
読了日:07月03日 著者:前田 良
70歳のたしなみ70歳のたしなみ感想
55歳の私には少し早い本かもしれないが、70歳になることの想像ができたような気がする。 当たり前のことが書かれていたが、結局は人のためにできることはして、人に頼らず孤独を楽しむことが最後は大切なようだ。人は一人で生きて、一人で死んでいく覚悟が求められる。
読了日:06月27日 著者:坂東 眞理子
透明な遺書 (講談社文庫)透明な遺書 (講談社文庫)感想
仲がよかった友人が自殺し、それは自殺でないという娘、清野翠の訴えを聞いた藤田、西村、そして浅見が真実を追う。 最後はその真実は明かされないが、ここまで警察が犯罪に絡んでいるのかと驚くような最後だった。 これが本当ならすごく残念であり、小説のようなことがないことを願う。 題名は遺書と書かれた封筒だけが残されているので、中身がなくそのことを透明な遺書と呼んでいた。
読了日:05月24日 著者:内田康夫
愛という名の支配愛という名の支配感想
この本が書かれたのが1992年なので、今とは違っていると思われる。まるで女性は男性の奴隷のようであるように書かれているが、1992年にそれほどであるようには私は感じてはいないし、そういう待遇を受けたこともない。 良妻賢母をやっている限りは女性蔑視はなくならないと著者は言っている。確かにそうかもしれない。それが女性の目標の様に教育されていると、それが男性の従者であることが前提だということに気づかない。差別されていることがあまりに当たり前で気付かないところにも田嶋さんは気付き指摘している。
読了日:04月30日 著者:田嶋 陽子
うちの子が結婚しないので (新潮文庫)うちの子が結婚しないので (新潮文庫)感想
うちの子28歳の友美が結婚しないので、親婚活に出た50代夫婦。おもしろかった。最初は色々慣れないこともあったが 回を重ねるうちにそれなりの要領や相手の見方もわかってくる。見かけも家柄も学歴も釣り合うことは大切のようだ。六回目も七回目もうまくいかなかったが、打たれ強くなってくる。一年かかり、20人の人とデートし、八回目の婚活で友美が結婚できそうな、また相手もそう思う人を見つける。自分と見合う相手を見つけるのって大変なんだ。親婚活って子離れできない親の活動という感じがしていたが、決して悪くないと思った。
読了日:03月23日 著者:垣谷 美雨
脳科学者の母が、認知症になる: 記憶を失うと、その人は“その人"でなくなるのか?脳科学者の母が、認知症になる: 記憶を失うと、その人は“その人"でなくなるのか?感想
脳科学者は本人で母親が脳科学者ではないことに今気づいた。脳のどこで症状が起こっているかの分析は細かくされいた。主に海馬と偏桃体と眼窩前頭皮質に異常が起こるとアルツハイマーの症状が出るようだ。やる気もなくなりいろいろな区別がつかなくなる。家族、親しい友人がわからなくなることもある(相貌失認)。でも適応能力、感情機能は残っている。だから題名の"その人"でなくなることはない。周りが暖かく見守ることが大切。哲学者カントも晩年アルツハイマーだったということはあまり知られていない。
読了日:02月11日 著者:恩蔵絢子
丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-感想
39歳の時に若年性アルツハイマーと診断された著者、丹野智文さんが明るく元気に笑顔過ごして認知症になってもサポートがあれば暮らしていけることを訴えている。周りの偏見も認知症当事者を言聞きにくくしているが、それよりも自分の偏見をなくすことが大切と語っている。認知症であることは恥ずかしくなく、オープンにすると助けてくれる人はたくさんいる。家族会で同じ当事者と話すことで救われたとも書かれていた。彼を助けてくれる若生栄子さんはサポーターではなくパートナーでありこの観念はスコットランドでも珍しく取り入れられたそうだ。
読了日:01月29日 著者:丹野 智文
黒パン俘虜記 (1983年)黒パン俘虜記 (1983年)感想
直木賞受賞作。モンゴルからの帰還者友弘正雄さん94歳のドキュメンタリーでこの本を知る。 ロシア抑留はよく知られているが、モンゴル抑留はあまり知られていない。友弘さん同様、その帰還者である著者が書いた作品。想像を絶するような寒さの中に出されて殺されてしまう人、わずかな黒パンのみで重労働させられやせ細りそのまま死んでしまう人たちなど、戦争は終わっているのにこのようなことを強いられるなんて信じがたいことである。この著者、たくさんの危機を乗り越え帰国できて本当によかった。
読了日:01月14日 著者:胡桃沢 耕史
劇場劇場感想
主人公永田が又吉君のような気がして、読みながらずっと又吉君の顔を浮かべていた。 たまたま出会った沙希ちゃんのところに転がり込んでヒモのような存在になる永田。 沙希ちゃんに甘えすぎで、自身は理屈ばかりこねて、自立して沙希ちゃんを支えるくらいに ならなければいけないことを後回しにし過ぎて沙希ちゃんを失うことになる。 これからも演劇の仕事をしていくのだろうが、そこで成功できるかは見えない。 もっと明るい最後がよかった。
読了日:01月09日 著者:又吉 直樹

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