昨日は、残った夏休みを一日いただいて、都心の美術館、画廊巡りに行きました。

 

まず、上野の東京都美術館で開催されている、院展を見に行き、それから銀座に足を向けました。

上野は、コロナ対策のため、動物園や各美術館の主要な特別展が予約制になっているためか、私が経験したことがないほどの少ない人出でしたが、残暑が厳しく、院展を見終わった後は思いのほか体力消耗していたので、幾つかの予定をあきらめ、銀座の画廊、美の起原に向かいました。

院展は、個人的利用での写真撮影可でしたので、後程、ブログで取り上げたいと思いますが、今日は、銀座の画廊、美の起原で開催されている「月下美人」(出展作家は、奥山忠さん、丁子紅子さん、中園ゆう子さん、永見由子さん、政井亜子さんになります。会期 9月1日(火)~9月11日(火))について書きたいと思います。

 

この月下美人に参加している5人の作家さんのうち、丁子紅子さん、中園ゆう子さん、永見由子さんは、私のブログでもよく取り上げさせていただいている方々です。

 

まず、丁子紅子さんの作品です。

「心があること。」 丁子紅子 雲肌麻紙に岩絵の具 F4 

長い黒髪と、下を向いた視線、少しぷっくり下唇の女性で、とても優しい印象がします。

黒の衣装、立ち上る黒い羽、そして黒髪が調和し、赤い唇と金のネックレスが見事に映えており、最近の丁子さんの魅力が凝縮されている作品ではないかと感じました。

丁子さんの作品は、比較的よくみているつもりでしたが、コロナの影響もあり、最近はちゃんと作品を見ていなかったと、この作品の新鮮な印象から、そう思いました。

 

この作品の横には、次の2点の作品が並べられています。

「夢見た日」 丁子紅子 絹本に岩絵の具 SM変形

 

「目覚めたとき」 丁子紅子 絹本に岩絵の具 SM変形

ほかにも、星を描いた作品が展示されています。

 

次は、中園ゆう子さんの作品です。

「眼に視ゆる」 中園ゆう子 日本画 紙本着彩 F4

鳳凰と少女を描いた作品です。

鳳凰のち密に描かれた羽や尾の表現、色彩に目を凝らしてみるだけでも、飽きが来ない作品です。

あどけない表情をした少女ですが、大きな瞳、その色合いからも、鳳凰の力と美しさが感じられます。

聞くところによると、中園さんは、霊獣にこだわりを持って描いているとのことで、この鳳凰もいろいろ取材や情報収集して、描きあげたとのことです。

中園ゆう子さんの新しい魅力を感じさせる一品です。

 

「香炉が呼ぶ」 中園ゆう子 日本画 紙本着彩 F10

こちらも、霊獣の竜を描いた作品です。

少女の表情、姿は、可愛らしく魅力的ですが、竜の姿や、着物、香炉、そして夾竹桃でしょうかその花と緑が、バランスよく配置され、見事な作品です。

 

画廊のイトウさんが、その場で、中園さんをビデオ電話で呼び出していただき、久しぶりに中園さんとお話しすることができ、絵のお話を伺うことができ、感動も2倍で、この場をお借りし感謝申し上げます。

 

中園さんの個展を取り上げた私のブログ記事を一つ紹介させていただきます。

中園ゆう子個展「色彩の住人」(於 銀座画廊・美の起原)に行ってきました!

 

会場には、当初、作家の方はいらっしゃいませんでしたが、長居するうちに、奥山忠さんがいらっしゃいました。

奥山さんにお目にかかるのは初めて、作品も初めてすが、なかなか迫力ある作品で驚きでした。

 

「慈」 奥山忠 和紙 膠 胡粉 顔料 60.0×34.0㎝

 

「風姿」 奥山忠 和紙 膠 胡粉 顔料 30.0×14.7㎝

淡い光の中に、女性が奥ゆかしく、浮かび上がる作品です。

奥山忠さんの作品は日本画ですが、ご本人のお話では、独学で絵を学び、独自の手法で描いおり、専門家の方でもその技法に驚かれるとのことです。

写真では、なかなかその良さが伝わらないと思いますので、是非、実物をご覧いただければと思います。

 

次は、永見由子さんです。

「終わりとはじまりの場所を」 永見由子 麻紙に岩絵の具、水+絵の具、胡粉、墨、膠 45㎝×38㎝

大正・昭和テイストの独特な少女です。

赤い糸を描いた作品は、少女の運命的なものを象徴するものとして過去の作品にも描かれていました。

私には、この少女の表情の中にある小さな闇に、いつもドキドキして、永見さんの作品を拝見しています。

この作品は、まさに永見由子さんらしい作品ではないかと思います。

 

「櫛と満月」 永見由子 麻紙に岩絵の具、水+絵の具、胡粉、墨、膠 18㎝×13㎝ 

 

永見由子さんの過去の個展について取り上げた私のブログを参考に紹介させていただきます。

永見由子個展・夢のしたく(於 art Truth)に行ってきました!

永見由子個展「糸を蒔くもの」(於 art Truth) あなたは、何を感じ取ることが出来ますか?

 

最後は、政井亜子さんの作品です。

「水鏡」 合板 アクリル 鉛筆他 242mm×410mm

 

「月界」 合板 アクリル 鉛筆他 242mm×410mm

政井亜子さんの作品を拝見するのは初めてですが、なかなか美しい作品です。

特に、木の木目の良さを生かした作品は、政井さん独特なものではないでしょうか。

今後、注目していきたいと思います。

 

以上、特色ある5人の作家さんの作品を、十分に堪能できる作品展でした。

最後に、美の起原のホームページのアドレスを紹介させていただきます。

https://xn--xxtyc847fky0a.jp/