少女の夢、そして憧れ

少女の不安、そして空虚

 

少女の優しさ、内に秘めた残酷

そんな、少女の揺れる心を映し出す世界がここにあります

 

「睡蓮の夢」という作品

睡蓮が咲く水面の世界に、夢を見る少女が描かれています

その表情には、憧れと不安が感じられます

 

今日から、横浜中華街の画廊art Truthにおいて、永見由子個展・夢のしたく・・・が始まりました。

(会期10月3日(水)~10月8日(月))

永見由子さんの描く世界は、少女の憧れ、不安といった少女の持つ心を、懐かしく美しい画面に描きあげられています。

 

「あこがれ」という作品

着物を着て、リボンをつけた少女が、目を瞑り、物思いに耽っています。

そして、何と言ってもチンの存在感が際立っています。

在廊していた永見さんに聞くと、現在、チンを飼われているとのことでした。

この作品は、永見さんにとって、好きな物が盛りだくさんなのかも知れません。

 

「私を知った日」という作品

この作品は、F100号の大作で、以前、現代童画展に出品した作品だそうです。

桜が散る夜の風景を背景にして、カーテンを手に巻きながら、少し不安そうに立つ少女。

空の鳥かごに欠如感を感じますが、むしろ愛しささえも感じてしまいます。

 

「羽化」という作品

蚕の繭に包まれた少女、これから新しい世界に生まれるという印象があります。

蚕の柔らかい繭に包まれた少女の純粋無垢さも感じます。

ただ、永見さんは、蚕は繭から孵っても自然界では生きられないとの話をしていました。

ここにも、処女の憧れと哀しさの両面性が秘められているのではないでしょうか。

 

「陸の金魚」という作品

金魚そのものを描かなくとも、ここには様々な金魚が描かれています。

陸の金魚と言われる犬、狆(チン)

少女の赤い着物にふんわりした帯は、まるで金魚のような姿

そして、金魚草。

少女の物語は、ここに美しい、愛らしい作品に仕上がっています。

 

「抱き犬」という作品

美しくて、可愛いて、懐かしい物が溢れている作品です。

 

そして、最後に、この作品を是非とも紹介したいと思います。

「Mercy」という作品

雲の上、天国で天使がパグを抱いています。

飼い主にとても愛されたパグ・・・パグの表情を見れば、飼い主の愛情の深さが分かります。

 

つい先日、永見さんが飼われているパグが亡くなったそうです。

この作品は、この作品展に間に合うよう、短い間に、完成させたそうです。

特別な作品と思いますが、作家にとっては、これも作品の一つです。

 

小さな命を愛する多くの皆さんに是非とも見ていただきたい作品の一つです。

 

この他にも数多くの印象的な作品が展示されています。

 

以上、永見由子の世界を満喫できる作品展でした。

 

参考に、art truthで行われた過去の永見さんの個展やグループ展についての私のブログを紹介しておきます。

思い思いのプロフィールⅡ大橋絵里奈・篠塚はるみ・永見由子・林ゆいか・星奈緒 於art Truth

Black and white FantasyⅢ―鉛筆画展―(於 art Truth)

永見由子個展「糸を蒔くもの」(於 art Truth) あなたは、何を感じ取ることが出来ますか?

 

最後に、画廊art Truthのホームページのアドレスです。

http://www.yccp.jp/art-truth/