4つの異なる世界
1つは 妖艶な女性の魔的な魅力と魔界美の世界
1つは 少女の心象、可憐な姿を描き出すやさしい世界
1つは 空間における物体の存在感を浮彫りにする調和の世界
1つは 時と生物、創造の世界が織りなす神秘の世界
そこには、異なる4つの、かおり高い美空間への扉が開かれていました。
今回の画廊art Truthの作品展は、篠塚はるみさん、永見由子さん、小林岳さん、つだなおこさん、4人の異なる世界を持った作家による、鉛筆画の作品展です。
まず、篠塚はるみさんの作品です。
「与えられし恵み」という作品
美しい現代的な女性が、描かれています。
着ている服にはパブリカやアスパラガス、ショールには薔薇が立体的に描かれています。
帽子には、空が描かれています、いや、帽子そのものが空です。
手には、時と空間を支配するかのように、糸を持っています。
背景には、不思議な時を刻む時計と、薔薇が描かれています。
こうした、魔法の世界の女性の姿(?)が、確かな表現力により、リアリィティをもって描かれています。
「光の中へ」という作品
この作品も、モデルのような美しい女性が描かれています。
しかし、背中には翼があります。また、美しい百合の花が、全面に大きく描かれています。
先ほどの作品もそうでしたが、女性の顔よりも、むしろ手の表情がより女性らしさを、見事に描いていると私には感じられました。
このほか、それこそ魔女を描いたと思われる「黄昏の降魔ヶ丘」など、篠塚さん独自の世界が展開されています。
次は、永見由子さんの作品
「やすらぎ」という作品
赤頭巾とオオカミを描いた作品です。
赤頭巾は、オオカミに寄り添い、オオカミもそれを温かく迎えています。オオカミの姿をよく見ると、お婆さんに扮したオオカミなのかもしれません。
永見さんの描く赤頭巾の世界は、本来は恐ろしいオオカミが、赤頭巾に受け入れられる、独自の赤頭巾ちゃんの世界が描かれています。
そして、やさしく、柔らかい絵のタッチが、より作品を、暖かいものに仕上げています。
「ディオリッシモ」という作品
少女が、うっとりとした顔をし、目を瞑っています。
少女の周りには、スズランの花が描かれ、スズランの香りが広がるように、かおりが丸いシャボン玉のように広がっています。
甘いスズランの香水、ディオリッシモ(※)をモチーフにした作品です。
かおりをも甘く、美しく描く、永見さんの世界です。
※ディオリッシモ 1956年に発売された、スズランの香りをメインとするディオールの代表的な香水。
永見由子さんの前回の作品展の感想は、此方です。
永見由子個展「糸を蒔くもの」(於 art Truth) あなたは、何を感じ取ることが出来ますか?
次は、小林岳さんの作品です。
「くるみ」という作品
宙に、くるみが、静かに浮いています。
くるみの、表面の描写、質感、そして温度までが感じられる。
空間の中のくるみの存在感が、きわだち、見事に描かれています。
「アスパラガス」という作品
緑のアスパラガスが、黒い背景の中に、浮き出されて描かれています。
画廊の店主のにしうみさんの話によると、この作品は、緑色の紙に鉛筆で描かれているとのことです。
アスパラガスの確かな描写、背景の奥行きなど、感服します。
このほか、「夜の迷宮」という女性を描いた、見事な作品などが展示されています。
最後は、つだなおこさんの作品です。
「螺旋の記憶」という作品です。
中央に巻き貝、その奥に、恐竜時代の海獣が描かれています。
巻き貝の中には、小宇宙を感じさせる渦が描かれています。
静かで神秘的な世界、
「螺旋」に、地球の成り立ち、さらには宇宙の成り立ち、そして、その記憶が刻み込まれている
・・・・、そんなメッセージを感じさせる作品です。
「迷宮の道案内」という作品
3匹の昆虫が、飛んでいます。
光と影の奥には、光で覆われた、宮殿が描かれています。
昆虫たちは、この宮殿、迷宮へ我々を誘う使者なのでしょう。
昆虫の姿が、硬質で、神秘的な姿に描かれており、迷宮への使者に相応しい姿をしています。
このほか、クラゲを描いた作品などが展示されており、生き物を効果的に描き、神秘的な世界を描き出しています。
本当に駆け足になってしまいました。今日、拝見した作品の感想を、気持ちが昂ぶっているうちに書いていますので、不十分な面もあろうかと思います。
今回の作品展は、きわめて質の高い4人の鉛筆画の世界を堪能できる作品展でした。
この作品展の会期は、本日19日(木)から29日(日)までです。
art Truthのブログは此方になります。







