今日は、横浜中華街の画廊art Truthで開催されている「思い思いのプロフィールⅡ」に行ってきました。
(会期1月27日(土)~2月5日(月))
今回は、大橋絵里奈(アクリル画)、篠塚はるみ(混合技法)、永見由子(日本画)、林ゆいか(日本画)、星奈緒(パステル画)の5名の異なる手法の作家による人物画の作品展になります。
一人一人、私が気になった作品を紹介していこうと思います。
まず、星奈緒さんです。
「雫」という作品です。
斜め後ろから見た女性の横顔です。
淡く、明るいパステル画ですが、彼女の描く女性は、表情が生き生きしており、その意思、こころが伝わってくる印象があります。
特に、この作品は、この角度から見た女性の優しさ、魅力をとても引きだしている作品と思います。
「ある夜/遠くの水音」という作品
「ある夜/雪の気配」とい作品
同じ女性の表情を描いた2つの作品ですが、
最初の作品は、静かな夜に遠くで聞こえる水音を聞いている表情を、
そして、次の作品は、雪が落ちる気配を感じている表情を描き分けています。
その違いを、目の表情、そして唇の微妙な表情の違いなどで表現しています。
久しぶりに拝見する彼女の作品ですが、彼女が描く人物の表情、その魅力は増しているのではないかと感じる作品です。
(なお、一昨年の4月の個展の感想を書いたブログは此方です。
次は、永見由子さんの作品です。
「ひとり遊戯」という作品
彼女が描く独特な表情をもった少女です。
古い教室で、リアルな表情の犬とウサギの人形で遊ぶ少女。
この少女自体が、遠い思い出、心深くにある心象とでも言えるのでしょうか。
永見ワールド全開の作品です。
「悲しいことなんかじゃない」という作品
一輪の花を持つセーラー服の少女。
思春期の少女の心の揺れが感じられる作品です。
でも、作品名は「悲しいことなんかじゃない」と名付けられています。
心の揺れを描きつつ、ウェットさを感じさせないように頭の上に蝶を止まらせた、それが彼女の仕掛けかなと勝手に想像してしまいます。
「封印」という作品
謎と可愛さが混在した作品、とだけ言っておきます。
彼女の描く少女の独特な世界を今回も楽しむことができたと感じました。
(一昨年の個展の際の私の感想は此方になります。
永見由子個展「糸を蒔くもの」(於 art Truth) あなたは、何を感じ取ることが出来ますか?)
次は、大橋絵里奈さんです。
「首飾り」という作品です。
首飾りをつけようと、首の後ろに両手を回している女性を描いた作品です。
その首飾りは、宇宙の光のようです。
うつむく女性の表情が、首飾りの神秘の光と相まって謎めいた魅力を引き出していると感じる作品です。
「冬の間」という作品
セーラー服を着て、マフラーをした少女の姿です。
うつむいた表情から白い息がこぼれています。
そして、耳にカマキリの卵がついた枝で飾り付けています。
春を待つ少女の姿を描いた作品です。その仕掛けとして、カマキリの卵を使うところに、ドキドキするようなおもしろさがある作品と私は感じてしまいました。
彼女の作品、初めて拝見しますが、綺麗な画風に加えて、発想がおもしろく、楽しませてくれる方と思いました。
そしてこんな作品も。
「アティチュード」という作品
美しいけど、蓮の花托と一緒というのが、なかなかです。
次は、篠塚はるみさんです。
「沈む夕日」という作品です。
オレンジに輝く夕日のまばゆさ、そして、女性の顔の強さと美しさ。
圧倒的な迫力がある作品です。
「ゼリービーンズ」という作品
沢山の色とりどりのゼリービーンズと、目がぱっちりした少女の作品です。
圧倒的な表現力と、女性の魅力を引き出す、神秘な空間は、やはり篠塚ワールドとも言える独特な世界観を感じます。
最後は、林ゆいかさんです。
「氷の花」という作品です。
この作品を拝見すると、私のイメージする日本画の枠を越えてしまっています。
何か、マリー・ローランサンの印象にも似ている感じがしますが、彼女の独特な表現のように思えます。
顔の表情だけでは、もったいない、もっと大きな作品を見てみたいと思います。
「つのふたつ」という作品
以上、それぞれ、全く異なる画風の5人の作品展。
それぞれにおもしろみがあり、大変楽しめた作品展でした。
art Truthのホームページは此方になります。
http://www.yccp.jp/art-truth/exhibition/20180127.shtml