4月に入って、新型コロナウイルス対策で、絵画の公募展は軒並み中止になりましたし、私が行きつけの画廊も一時閉鎖が相次いでおり、私も、都心に行くことが全くなくなりました。

 

こんな状況ですので、なかなか絵画の話題を取り上げられないのですが、今日は3月、東京小伝馬町にあるみうらじろうギャラリーで開催された「美人画ボーダレス弐出版記念展」について触れたいと思います。

この展示は、今年の1月、芸術新聞社から出版された「美人画ボーダレス弐」の出版を記念して行われたもので、同誌に掲載された作家の作品を展示しており、まだ、ブログでは触れていませんでしたが、3月某日、会場を覗きに行きました。

今日は、遅ればせながら、この記念展と美人画ボーダレス弐について触れたいと思います。

 

本誌は、現代的な美しい女性像は様々な表現手段で描かれている現在、美人画ボーダレスの第1弾と同様、ジャンルの垣根を取り払って、「美人画」表現を紹介するとされています。

この本の掲載作家は、浅村理江、伊藤知世、内田太郎、岡靖知、川口絵理衣、後藤温子、志賀絵梨子、高松和樹、徳田明子、中井結美、花菱慧、藤井佳奈、やちだけい、横田美晴、watabukiので17名の方々であり、今回の記念展では14名の方々の作品が展示されていました。

 

まず、みうらじろうギャラリーの入口です。ここでは今回展示の作品が紹介されています。

 

そして、美人画ボーダレス弐の表紙です。

 

今回、展示されている作家さんでお目にかかったことがあるのは、藤井佳奈さんだけでしたが、多くの方は、すでに作品を拝見しています。

また、この本に掲載された作品をすでに私のブログで紹介したものも何点かあります。

ここでは、展示された作品は、例外を除いて、紹介できませんので、本に掲載されてすでに私のブログで紹介したことがある作品について数点、ご紹介したいと思います。

 

まず、藤井佳奈さんの作品です。

本を開き、巻頭のいの一番に、この作品が掲載されています。

「乙女は煌めきの中に」 藤井佳奈

この作品は、昨年の白日会展第95回記念展に出展され、アートもりもと賞を受賞した作品です。

白日会展 第95回記念展(於 国立新美術館)に行ってきました。

 

また、昨年11月に、ギャラリーアートもりもとで開催された藤井佳奈さんの個展で展示されたこの作品も同誌に掲載されています。

「天使にだってなれたハズ」 90.9×90.9㎝ (30S)

藤井佳奈個展「小さい頃の夢のこと」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!

 

藤井佳奈さんは、本誌の中で、今井喬裕さん、ひらのにこさんとの3人で、「ロリータの衣装を描く」というテーマで鼎談をされており、本誌の中で大活躍でした。

今回のみうらじろうギャラリーにおいても、ご自身をモデルとした、よりご自身に近づいた印象がする作品を出展されていました。

ちなみに、今回は、作品は抽選により販売される方式でしたが、藤井さんの作品は人気がとりわけ高かったらしく、残念ながら抽選には外れてしまいました。

 

次は、内田太郎さんの作品です。会場に展示されていた作品です。

「紅樺」 内田太郎

伝統的で、奥ゆかしい色合いである「紅樺」を題した作品は、その色の印象に日本女性の美しさ、奥ゆかしさを表現した作品です。

内田太郎さんは、以前から存じ上げていた作家さんのお一人でしたが、作品を拝見するのは今回が初めてでした。

 

いま、こうして写真で紹介できるのは、この作品を抽選で購入することができたからです。

ご覧の通り、たいへん素晴らしい作品であり、今後、内田太郎さんを注目していきたいと思います。

 

次は、小野智佳子さんの作品です。本誌には次の作品が紹介されています。

「あの時君は」 小野智佳子 8F

モデルも魅力! Summer Show 2019(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました

 

そして、この作品も掲載されていました。

「そっと」 小野智佳子 油彩 P6

アルマ展(於 ギャラリーアーク)に行ってきました!

小野智佳子さんの作品は、これまで比較的多く拝見してきました。印象は作品によってかなり違うものがあるものの、そこには魅力的な女性が描かれています。本誌の中で、ご自身が女性を描く理由はご自身のコンプレックスからきているとのことですが、ご興味のある方は、いまいちど本誌をご覧いただきたいと思います。

 

次は、やちだけいさんです。本誌ではこちらの作品が掲載されています。

「寒蟬鳴」 やちだけい 絹・墨・アクリル 34×25

アウラ展(於 ギャラリーアーク)に行ってきました!

やちだけいさんの作品は、ここ最近になって、拝見するようになったのですが、さりげない動きのなかに、女性の色香を描く方だなと思い、とても気になっていました。ご本人も、物語には繊細な仕草が必要不可欠で、あわせて手の質感の重要と書かれています。

今後も、注目したい作家さんです。

 

また、中井結美さんのこの作品も掲載されています。

「彼方の君へ」 中井結美 315㎜×31.5㎜ 鉛筆、水彩、インク

「思い思いのプロフィールⅢ」(於 art Truth)に行ってきました!

 

このほか、これまで私のブログでとりあげたことがある、浅村理江さん、花菱慧さん、川口絵理衣さんの作品、そして、会場で初めて拝見した徳田明子さんの降る雪を見上げる女性の作品も大変魅力的でした。また、今人気の岡靖知さんは本誌では紹介されていますが、残念ながらご多忙のようで記念展では作品が拝見できませんでした。

 

以上、たいへん雑駁ですが、美人画ボーダレス弐に掲載された作品、そして、その出版記念展の雰囲気が少しでも伝わればと思います。

また、会場でお目にかかった画主のみうらじろう氏のお話によると、6月には美人画ボーダレスの作家にちなんだ作品展を予定しているとのことでした。

最後に、みうらじろう氏にお礼をを申し上げるとともに、ギャラリーのホームページのアドレスを紹介させていただきます。

http://jiromiuragallery.com/index.html