駒沢公園へ夜、酒とつまみを持って行った。飲み比べと称して輸入ビールを10本近く。久しぶりにお互い気持ちを吐露した。彼女にとって僕は恋人よりも家族に近いらしく、それは嬉しいような悲しいような複雑な感情だったが、距離は縮まったことは確かだ。この1年半の間でピークの一つだったといえる。数日後からすれ違いが生じるなんて、彼女を送ってから帰って布団に入るまでニヤニヤしっ放しだった時は夢にも思わなかった。
この日にした約束を反故にされ、それはやんごとない理由だったので仕方ないのだが、対応から彼女と僕との気持ちに大きな差があることを汲み取った。次に進むべき日が来たのだとさえ感じた。
出会いは昨年の1月までさかのぼる。僕がその前の年の暮れから通い始めていたワークショップに、彼女は年明けから来た。
顔に関する自分の好みを30を過ぎてまだ把握できていないが、中央に寄った目と小さな口は個人的にバランスが良いと感じた。趣向で自覚しているのは背の小さい女性。それはフィットする。彼女のことを知りたいという気持ちは徐々にではあるが会うたびに強くなった。
顔に関する自分の好みを30を過ぎてまだ把握できていないが、中央に寄った目と小さな口は個人的にバランスが良いと感じた。趣向で自覚しているのは背の小さい女性。それはフィットする。彼女のことを知りたいという気持ちは徐々にではあるが会うたびに強くなった。
彼女から電話がかかってきた。酔っている。どうしたいのか聞かれたが答えは出なかった。それは彼女も同じ。彼女には弊害がある。僕は僕で断ち切ろうと、次に向かおうとしていた矢先だった。愛していると言われ、僕も愛していると言った。最も距離が近づいた時かもしれない。偽りかもしれない。ただ、その言葉だけで幸せだった。この時はまだ抱きしめることすらできていない。
社交的な彼女は面白い話が大好きだ。「すべらない話」もたくさん持っている。笑いのためなら自らをも犠牲にする。体を張って笑いを取る。その姿勢は僕も同じだが、僕は彼女ほどのユーモアセンスと話術を持っていない。なにしろ日々に変化が乏しいので僕は、些細なことを展開でネタにする。
ガムは必ず携帯する。それを知っている彼女は、会えばせがむ。最近は同じものばかり買っていて、それに気づいた彼女は「飽きた」と僕に言った。めずらしいガムをみつけるに躍起になった。
ここ1ヶ月近く彼女に会っていない。ネタとガムは増えるばかり。
