支配人とは?
支配人とは、会社や商店などで、経営者に代わって日常の業務を行う人。会社の重要な事務を任されているので、広い範囲で会社を代表して行動できる。
代理権の制限とは?
会社は支配人の代理権(会社を代表して行動する権利)に制限を加えることができる。
例えば、「この取引は支配人には任せず、経営者自身が決定する」というように。
制限が第三者に対抗できないとは?
第三者とは、会社や支配人以外の人たち、例えば取引相手など。善意の第三者というのは、その制限を知らない人たちのこと。
法律では、「支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない」と規定されている。これは、制限があっても、それを知らない取引相手に対してその制限を主張できない、という意味。
具体的例
①例えば、会社が「支配人は100万円以上の契約をしてはいけない」という制限を加えたとする。
②しかし、取引相手がその制限を知らない場合、支配人が150万円の契約を結んでも、その契約は有効。会社は「支配人にはそんな権限はない」と言ってその契約を無効にすることはできない。
制限したことを登記できない理由
支配人の代理権に加えた制限は登記事項でない。つまり、登記(法務局に登録)することはできない。これは、制限の内容が取引相手に対して明確に知らされる手段がないため。だから、取引相手がその制限を知らない場合には、その制限を主張することはできないというたてつけ。
まとめ
- 支配人は会社を代表して広い範囲で行動できる。
- 会社が支配人の代理権に制限を加えても、それを知らない取引相手にはその制限を主張できない。
- この制限は登記できないので、取引相手が知る手段がない。