合資会社の有限責任社員の払い込みは後で加入後でいい理由 | 行政書士受かって調子に乗って司法書士を勉強するブログ

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合資会社が新たに有限責任社員を加入させる場合には,その者がその出資に係る払込みを新たに履行しなくても,その者は,加入に係る定款の変更の時に当該合資会社の有限責任社員となることができるが,合同会社が新たに社員を加入させる場合には,その者は,加入に係る定款の変更があった後も,その出資に係る払込みの全部を履行するまでは,当該合同会社の社員となることができない。

 

合資会社の有限責任社員が出資の履行なしに社員となることができる理由は、合資会社と合同会社の性質や法的要件の違いに起因する。

 

  合資会社と有限責任社員

 

合資会社は、日本の企業形態の一つで、無限責任社員と有限責任社員の両方が存在する。無限責任社員は、会社の全ての債務に対して無限の責任を負うけど、有限責任社員は、その出資額を限度として責任を負う。

合資会社が新たに有限責任社員を加入させる際、出資の払込みをすぐに求めないのは、以下のような理由がある。

  1. 契約上の柔軟性: 合資会社の運営は比較的柔軟であり、既存の社員との合意に基づいて加入条件を決定できるため。有限責任社員の出資については、定款の変更時に合意されることが多く、その履行が後からでも認められる。
  2. 資金調達の多様性: 会社が直ちに資金を必要としない場合や、出資の履行を後回しにすることで、新しい社員を迅速に加入させることができる。

 

  合同会社と社員の加入

 

合同会社の場合、新たに社員を加入させる際には、その者が出資の履行を完了するまで社員とみなされない。

これは以下の理由による。

  1. 法的要件の厳格性: 合同会社は有限責任社員のみで構成されており、各社員は会社に対して出資義務を負う。法的に定められた要件により、出資の履行が完了しない限り、社員としての権利義務を完全に行使することがでない。
  2. 信用保護のため: 出資の履行が確認されないと、会社の資本構成や信用に影響を及ぼす可能性があるため、会社の健全な運営と第三者の信用保護のために、出資の履行を厳格に求めている。

 

簡単な例

合資会社の場合

  • 加入手続き: 田中さんが合資会社の有限責任社員として加入するとする。田中さんはまず会社の定款変更に同意する(※以下に整理)。出資の払込みは後でも可能です。
  • 理由: 合資会社は運営が柔軟であり、すぐに資金が必要でない場合、加入手続きを迅速に進めることができる。

合同会社の場合

  • 加入手続き: 佐藤さんが合同会社に加入する場合、佐藤さんは出資額を全額払わなければならない。それが完了するまで正式な社員とは認められない。
  • 理由: 合同会社は資本の透明性と信用保護を重視しており、出資が確実に履行されることが必要。

まとめ

  • 合資会社: 新しい有限責任社員は、出資の払込みを後から行っても社員になれる。柔軟な運営が可能。
  • 合同会社: 新しい社員は、出資を全額払ってから社員になれる。資本管理が厳格。

 

 

  合資会社における有限責任社員の加入手続き

 

合資会社の有限責任社員が出資の払込みを加入後に行うことが許される理由の一つは、無限責任社員が存在するため。

1. 無限責任社員の存在

無限責任社員は、会社の債務に対して無限の責任を負う。つまり、会社が負うすべての債務について、無限責任社員が最終的な支払い責任を持つため、会社の信用力が高くなる。このため、有限責任社員の出資の履行が後回しにされても、会社全体の信用には大きな影響を与えない。

2. 会社の資金調達と運営の柔軟性

合資会社は、資金調達と運営において柔軟性を持っている。無限責任社員がいることで、会社の運営は安定しており、急速な資金調達が必要な場合でも、既存の無限責任社員がカバーできるため、新たに加入する有限責任社員の出資の履行を後回しにすることができる。

3. 法的枠組み

合資会社の定款変更により新たな有限責任社員を迎え入れることができます。この際、全社員(無限責任社員と既存の有限責任社員)の同意が必要。定款変更に同意することで、新たな有限責任社員が正式に加入し、その後出資の履行を行うことが許されるのだ。

 

 

 

例えば、田中さんが新たな有限責任社員として加入する場合、以下のプロセスが行われる。

  1. 提案: 田中さんの加入を定款変更として提案。
  2. 同意: 既存の無限責任社員と有限責任社員全員が同意。
  3. 定款変更: 変更内容を法務局に届け出て登記。
  4. 出資履行: 田中さんは後から出資の払込みを行う。

 

まとめ

 

合資会社における有限責任社員の加入後の出資履行が許される理由は、無限責任社員の存在によって会社の信用が維持されるため。また、法的に定款変更と社員全員の同意を得ることで、新しい有限責任社員の加入が正式に認められ、出資の履行が後回しにされても問題ないとされている。

 

 

手続き

 

例えば、田中さんが新しい有限責任社員として合資会社に加入する場合、次のようなプロセスが行われる。

  1. 提案: 田中さんの加入を含む定款変更の提案がされる。
  2. 協議: 既存の社員全員が集まり、この提案について話し合う。
  3. 同意: 全員が同意すれば、定款変更が承認される。
  4. 登記: 法務局に届け出て、正式に田中さんが有限責任社員として加入する。

合同会社は全員有限責任社員だから絶対に加入前の払い込みが必要。合資会社の有限責任社員は後でもいいという違いを理屈で覚えておく。同じ有限責任社員でも扱いに違いがあるとういこと。