過去問で理解を深めておく。
問 1 配偶者居住権が譲渡された場合、その移転の登記を申請することができる。
答え ✖
そもそも配偶者居住権は譲渡できないため、移転登記はあり得ない。
問 2 配偶者居住権の存続期間を定めなかったときは、存続期間の登記を要しない。
答え ✖
存続期間は絶対的登記事項!
記載のパターンは2つ
① 存続期間 配偶者居住権者の死亡まで
② 存続期間 令和〇年〇月〇日から配偶者居住権者の死亡まで
問 3 被相続人が生前に長男に建物の半分の持分を贈与していた場合、当該被相続人が死亡時に、その建物が長男と共有状態になっていた場合であっても、配偶者居住権が認められる。
答え ✖
被相続人が残した建物が配偶者以外の者(直系家族であっても)である場合は、配偶者居住権は認められない。
ただ、被相続人の持分は生存している配偶者に相続されるため、この事例では、生存している配偶者と長男が共有状態になる。
ちなみに、被相続人が夫である場合、生前に遺贈等してなかったら、一人息子と被相続人の嫁さんが相続する。
この場合、被相続人が死亡時に、なんら共有状態でないため、残された嫁さんに配偶者居住権が認められる。
問5 登記原因を遺産分割として配偶者居住権の設定登記をする場合の登記原因日付は、被相続人の死亡した日である。
答え ✖
遺産分割の成立の日となる。
各原因日付は以下となる。
① 遺贈・・・原因日付は遺言の効力の発生日
② 遺産分割・・・原因日付は遺産分割成立日(協議、調停成立日、審判確定日)
③ 死因贈与・・・原因日付は贈与した人の死亡日
問6 被相続人が所有権の登記名義人である建物について、配偶者居住権の設定登記をするときは、前提として、当該建物について被相続人から承継人への相続が原因の所有権移転登記をしておく必要がある。
答え 〇
手続きの順番はまず、相続!
誰が相続するか、所有権の移転先を確定してから配偶者居住権。
所有権がまず大事ということ、その次が債権でる賃借権に類似している配偶者居住権。
手続きの十番は
① 相続による所有権移転登記
② 配偶者居住権の設定登記
問7 配偶者居住権を死因贈与契約した場合、贈与者の生存中に当該配偶者居住権の設定仮登記ができる。
答え 〇
一般の死因贈与と同じで、被相続人が生存中に配偶者居住権を仮登記できる。
ただし、前述の問題にあるように、相続時に配偶者が居住していなかったり、被相続人が配偶者以外に生前贈与していて
配偶者以外の子供とかと共有状態にあるときは配偶者居住権は認められない。
問8 配偶者居住権の設定登記後、配偶者居住権の存続期間が短縮されたときは、当該短縮を内容とする配偶者居住権の変更登記をすることができない。
答え ✖ 配偶者居住権設定後、変更登記できる。
問9 配偶者居住権者の死亡によって配偶者居住権が消滅したときは、登記権利者は、単独で配偶者居住権の抹消を申請できる。
答え 〇
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【参考】申請情報
登記の目的 配偶者居住権抹消
登記原因 令和〇年〇月〇日死亡による消滅
及びその日付
申請人の氏名 権利者 (申請人)建物の所有権登記名義人・・・建物の所有者
又は名称 義務者 配偶者居住権者・・・死亡した人
添付情報 登記原因証明情報
代理権限証明情報
登録免許税 金1,000円
※ 配偶者居住権者が亡くなっているため、義務者側が提出すべき登記識別情報の提出は不要。
ただし、配偶者居住権者が亡くなったという証明として戸籍謄本等の提出が必要。
住所証明情報は所有権移転じゃないから関係なし。
抹消に関する登録免許税は1件につき千円。
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