印鑑証明書がいるとき、いらないとき、これって整理しておく必要がある。
原則、
① 登記の申請人が登記義務者(犠牲を払う側)になる
でもって
② ①の義務者が不動産の所有者である
この二つ揃ったときに印鑑証明書が必要になる。
法律の世界では原則例外がはびこっている。
印鑑証明書もしかり、1つ例外がある。
抵当権の債務者の変更の場合、印鑑証明書が不要になるのだ。
抵当権は被担保債権が明確になっていることから、債務者が
変更になったとしても、抵当権者(債権者)に影響がないからだ。
たとえば、マイクラが家をたてるため、カズホ銀行から借金する。
このときマイクラの家に抵当権を設定する。
被担保債権はカズホ銀行から借りた1000万円。
被担保債権は1000万円と確定したうで、債務者をマイクラの父親に変更する。
カズホ銀行としても債務者がマイクラの父親になったとしても債権額1000万円
に変更はない。
だから、抵当権の場合の債務者変更は例外的に印鑑証明書が不要なのだ。
ところがこれが根抵当権だった場合はどうだろう。
私、マイクラが電気屋さんを経営している。
カズホ銀行から借金して店舗に根抵当権を設定する。
家電の仕入れのため極度額を1000万円として設定。
で、マイクラが債務者だったところ、債務者を友達のサンタくんに変更する。
サンタくんが借金を肩代わりしてくれるのだ。
根抵当権はマイクラの店舗のまま。
カズホ銀行からしたら、相手がマイクラだからこそ、根抵当権設定のうえ
お金を貸してあげているのに、債務者がどこの輩かわからないヤツに変更に
なったら、根抵当権の不特定の債権、つまり、限度額だけ決めているわけで、
借金がいくらになるかわからない状況であることから、よほど信用できる相手じゃ
なきゃ、銀行もお金貸せないよね。だから、根抵当権の債務者変更って一大事、
ってことで、店舗の所有者であるマイクラの印鑑証明書が必要ってわけだ。
債務者が追加の場合もしかり、印鑑証明書が必要。
ちなみに、債務者が私、マイクラとサンタくん二人から私、マイクラ一人に
なる場合、つまり、
縮減的変更の場合は印鑑証明書は不要。