【会話ブログ】真っ黒に真っ黒を合わせたような存在よ | 【会話ブログ】

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「お前はいつも黒い服だな」

「あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね。先週赤いTシャツを買った事で何かを思いついたのかもしれないけれど、残り3人も集めるのは容易ではないと思うわ。って、その前にもしかして私が敵役なんじゃないでしょうね。どうして5人がかりで暴行されて殺されるような目に遭わなければならないのかしら。彼らはただ地球の滅亡を企んでいるだけで、実際には全く人を殺している描写なんて無いじゃないの。企んだだけでヒーローを名乗る暴力集団に命を狙われるなんてとんでもなく理不尽で不自由な世の中だと思うわ。外見が悪そうに見えれば殺しても構わないなんて果たして誰が決めたのかしら」

「突然何を言ってるんだ!別に5人組の戦隊物がやりたくて言ったわけじゃないぞ!黒い服が好きなんだろうな、って思って言っただけじゃないか」

「うるさいわね。私が着るとどんな服も一日で真っ黒になってしまうから仕方がないのよ。って、誰がこの世の汚れの権化みたいな存在なのかしら、失礼な」

「だからさっきから僕は何も言ってないんだけどな……はっきり言って心も外見もお前より綺麗な人なんてこの世に一人もいないって僕は思ってるし……」

「……うるさいわね。明日から七色の服しか着れなくなりそうな事を言わないでちょうだい。って、何を言わせるのかしら、みっともない。とにかく私に気を使って黒い服を着ないようにしているなら今後は気にせず着れば良いじゃないの。色が同じだけならペアルックなどと思われたりもしないでしょうし、そもそも周囲から何を思われようが私は全く気にしないわよ。というよりまさかスカートも真似しようとしているんじゃないでしょうね。女性が二人で歩いていると勘違いされてナンパでもされたらどう責任を取ってくれるのかしら。私は油揚げが2枚並んでいるような人達とは会話なんてしたくないわよ」

「さっきから何の話をしてるのかよく分からないけど……僕は女装なんてしないぞ!っていうかナンパするような男性はお前のイメージでは小麦色に日焼けしてて脂ぎってるのか?」

「さぁ、どうかしらね。そんな油揚げのイメージが悪くなるような事を言わない方が良いんじゃないかしら」

「お前が油揚げに例えたんだけどな……しかもイメージが悪くなるのは油揚げの方なのか……」

「何をごにょごにょ彼女が黒い服が好きだから何か買ってあげようと思って一緒に買い物に行ったものの、どの服を勧めても彼女は【もう持っているからいらない】と言うばかりで、でも確実にどの服も今までに一度も着ているところを見た事が無いので【もしかしてお金を使わせまいとして言ってくれているのか。そんな気を使わなくても良いんだぞ】と優しく言うと、【それなら気を使わずにはっきり言うけれど、勧めてくるのはどれもセンスの欠片も無い服ばかりだから、買ってもらってもゴミが増えるだけで、これなら黒い布を巻きつけている方がマシだ】と言われてしまった男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。結局今日は何の話なのかしら?話題が暗闇に紛れ込んでしまって何が何だかさっぱり分からないわ」

「いや、だからいつも黒い服を着てるから、他に何か色を合わせたりするのは好きじゃないのかな、と思ってさ」

「あら、どういう事かしら?」

「いや、結構黒一色の服を着てる時が多いじゃないか。なるべく一色で他の色は合わせないのが好きなのかな、と思ったんだ」

「あら、そんな事は無いわよ。黒に白とか、黒に青とか、黒に黒の時ももちろんあるわね」

「うーん、まぁ黒に黒は分かるけど……じゃぁ次回からはもっと注意深く見てみようかな」

「あらそう。今日も黒に赤を合わせているわよ」

「いや、どう見ても赤は……って、えっ?もしかして僕の服の事を言ってるのか?」

「当たり前じゃないの。私はあなた以外に服を合わせる人なんて一人もいないわよ。って、何を言わせるのかしら、みっともない」

「そ、そっか、お前は僕の格好に合うかどうかって事も考えて服を選んだりしてたのか……僕もそういう事を今後は意識しないとな」

「あらそう。やはり残りの3人を本気で探すつもりなのね。だったら赤なら赤でずっと統一した方が良いわよ」

「僕は戦隊物なんてやりたくないって言ってるだろ!」


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