最初から読む
前回
「ぴゅぴゅぴゅっ!ミッキーのもとから苦労して退散してきたタイサンタクロース参上かも!ちなみに参上は目上の人のところにやってくる言葉というのは有名な話なんだよ。だから今回は参上で問題ないのかも?そうなのかも。違うかも」
「あら、ハイジ、何かしら。いつの間に私とあなたの間に上下関係が構築されてしまったのかしらね。突然下手に出てこられると、かえって馬鹿にされていいように扱われているような感覚がしてしまうものよ。無能な上司を部下が上手にコントロールしていたり、自分では威厳があるつもりの父親が家族から冷ややかな目で見られているというのはよくある事だもの。だから本当に私の方が上位の存在なのか確かめる必要があるわ。ちょっとそこで四つんばいになってみてちょうだい」
「ぴー!またしても馬乗り、じゃなくてトナカイ乗りになってしまう展開に違いないんだよ!そして周囲は皆見て見ぬフリという東京砂漠を味わう私は、気分的にはトナカイじゃなくてラクダなのかも?ガクガクブルブル」
「あら、登場していきなり目の前で気絶して放っておかれるとはずいぶん酷い扱いね。やはりハイジの方が立場が上なんじゃないかしら。ここはハイジより下の立場の存在として、気絶から目を覚まさせるためにありとあらゆる手を尽くす必要があるわね。人間が意識を取り戻すのに最も効果的なのはやはり激痛かしら」
「シュタッ!たった今気絶以上の身の危険を感じて目覚めた次第かも!というわけでミニーはこれから私と一緒に来なければならないんだよ。もう既にミッキーも来ているのかも。そうなのかも?そうに違いないのかも」
「あらそう。何がというわけで、なのか理由がさっぱり分からないけれど、もしかして気絶していた時間は本来理由を説明するために使おうと思っていたのかしら?だったら悪かったわね。とにかくハイジの家に招待されるなんて珍しいわね」
「むっ?家に招待するなんてまだ一言も言ってないんだよ。何を隠そう私の家はここぞとばかりに大掃除中で、クリスマスという概念さえも掃除してしまったのかも。今日は今年やり忘れた新年会をしているんだよ」
「あらそう。大掃除をしたり新年会をしたり、ずいぶん忙しいわね。それならクリスマスの挨拶である【メリス】ではなく、【明けます】や【今年く】と言わなければならないかしら。何故か全く流行る気配が無い挨拶だけれど、しつこく使い続けていればいつか新語として定着するはずよ。って、結局これからどこへ行くのかしら?いち早く会話が迷子になってしまって何が何だか分からなくなっているわよ」
「んー?だからさっきから私の家に行くと言っているのかも!これが初耳っぽい二言目なんだよ。そうなのかも?違うかも」
「あら、一言も言っていない、というのが実は一言目になっていたのね。と、まるで他人事のように独り言でうわ言を言ってしまいそうよ」
「むっ?それなら私はやんごとない事情でそんなたわ言に付き合わないようにするのかも。日毎に庇護と飛語とが見事になっていくんだよ」
「ちょっと、こんな事を言っていると彼だったらパニックになってしまうわよ。と、思わずツッコんでしまったわね。彼は自分がツッコミだと思っているみたいだけれど、私がとんでもないツッコミの能力を見せないようにしているだけだと知ったら泣き出してしまうんじゃないかしら」
「………………」
「あら、何かしら、突然顔を覗き込んだりして、気持ち悪いわね」
「常にそうしてミッキーの事を考えているのかも?」
「……うるさいわね。何を聞き出そうとしているのか分からないけれど、彼の事は常に考えているわよ。考えない瞬間は全く無いでしょうね。心が温かくなるシーンばかりよ」
「ぴー!聞いてるこっちが恥ずかしくて一瞬にして血が沸騰してしまったかも!身体の内側から大やけどという奇跡体験をしてしまいそうなんだよ!グツグツグラグラ」
「違うわよ。こちらから叩きたくなるシーンばかり、って言ったの。考えていると何だか腹立たしくなってしまうもの。どうせ今日もハイジと彼で何か企んでいるんでしょうね。本当は大掃除でも新年会でもなくて、いかがわしいクリスマスを過ごす羽目になるに違いないわ」
「むっ!せっかくギトギトに塗り固めたウソがアッサリ大掃除されてしまったかも。これは一大事なんだよ!ぴゅぴゅぴゅっ!」
「……あら、私は一人でどうやってハイジの家に行ったら良いのかしら」
続く
「続きはクリックして待っててね」
「ツイッター とかいうものを始めてみたわ」
過去の会話一覧を表示する
小説版会話ブログ
第一弾【はじまりの日】
第二弾【拝啓、わが路】
第三弾【そして欠片は花弁のように】
会話ブログRPG
第1章
第2章
小説【えすえぬえす】
「リクエストや質問 、待っているわ」
All About 「暮らしの歳時記」 クリスマスを過ごしたい場所ランキング