「身長っていつ頃まで伸びるんだろうな」
「あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね。気持ち悪さを増せば存在感が増して身長まで増すと思ったら大間違いよ」
「別にそんな事思ってないぞ!何歳くらいまで身長が伸びるのか訊いただけじゃないか!」
「うるさいわね。声が大きくなれば背まで大きくなると思ったら大間違いだと言っているじゃないの。そんな態度ではあなたへの嫌気とか不満とか恨みとかが大きくなるだけだと思うわ。私に近寄らないでちょうだい」
「ちょ、ちょっと待った。どうしてこんな展開に……僕はいつまで身長が伸びるのか訊きたかっただけなんだけど……」
「しつこいわね。そんなの人それぞれ違うから何とも言えないわよ。高校生で身長の伸びが止まったかと思いきや、大学生や社会人になってから突然伸びた、とかいうケースだって聞いた事があるもの」
「なるほど。じゃぁ25歳とか、もしかすると30歳くらいまでは伸びる可能性もあるのかな」
「さぁ、どうかしらね。かなり太っていた人が痩せただけで身長が伸びた、とかいう話もあるみたいよ。その場合は身長が伸びたのとは少し意味合いが違うかもしれないけれど」
「そっか。もしかして背骨とか軟骨とかが自分の重さで圧迫されてたのかな。そう考えると僕達みたいな年齢のうちからあまり太ったりしない方が背は伸びるかもしれないぞ」
「あらそう。でもそんなに伸ばしたいなら一度思い切り太ってみたら良いんじゃないかしら」
「いや、特に身長を伸ばしたいわけでもないんだけど……っていうか思い切り太って、その後はどうするんだ?」
「その後は思い切り痩せるのよ。反動でビックリするくらい身長が伸びてどこかに飛んでいってしまうかもしれないわ」
「そんなバネみたいになったらスゴイな……とんでもなく短期間のうちに太って痩せないとそうならないような気がする……」
「あらそう。それならずっと遠くにいれば良いんじゃないかしら。そして身長を高く見られたいと思う相手に対してだけ突然近寄ってくれば良いのよ」
「遠近法というか、目の錯覚みたいなカンジか……でもそれって一回しか使えないような気がするぞ」
「ええ、そうね。でもたった一度大きさを見せて二度と目の前に現れないくらいの潔さが人間としての大きさにも繋がるんじゃないかしら」
「何か身長の話とかなり懸け離れてきてるぞ。何でこんな話になったんだっけ……?」
「何をごにょごにょダイエットが苦にならないように開発された、美味しくてカロリーが控えめなダイエット食品が発売されたから購入してみたところ、あまりの美味しさに食べるのを辞める事が出来なくなってしまって、ほとんどカロリーが無い食べ物にもかかわらずしっかり食べ過ぎて太ってしまった男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。結局今日は何の話をしたいのかしら?話題ばかりが伸びに伸びてしまって何が何だかさっぱり分からないわ」
「えーと、だからまぁ身長は何歳くらいまで伸びるのかな、って訊こうとしただけだぞ」
「あらそう。一生伸びるわよ。あなたは問題外の話だけれど」
「おい!どうして僕だけ成長しないんだ!?っていうか結局は一生身長って伸びるのか?」
「違うわよ。あなたの存在感の話だけれど、って言ったの。きっと私の中で一生大きくなり続けるわよ。って、何を言わせるのかしら、みっともない」
「ううっ、僕への想いが大きくなり続けるって事か……感激だ……」
「鬱陶しさや腹立たしさがとんでもない大きさになるに違いないわ」
「想いだけじゃなくてそんな要素も大きくなる可能性があるのか!?気をつけます……」
「クリック数も毎日伸ばせるらしいわよ」
「ツイッター とかいうものを始めてみたわ」
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