![迷惑メールくる?](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
「携帯とかパソコンを持ってると迷惑メールってのが送られてくるな」
「あらそう。良かったわね」
「いや、全く良くないと思うんだけど……」
「あらそう。良かったわね」
「いや、だから良くないって言ってるじゃないか。どうして良いんだ?」
「あら、だって携帯やパソコンのメール機能が故障していないのが分かるじゃないの。普段からメールなんて一切送られてこない私のような存在は重宝するかもしれないわ」
「それなら自分で自分に送れば良いと思うけど……っていうか僕が毎晩ちゃんとお前にメールは送ってるじゃないか」
「あらそう。あれは迷惑メールとは違ったのね。中身を読まないから全く気付かなかったわ」
「こら!送り主で僕だって分かるだろ!読まずに削除するなんて酷いぞ!」
「うるさいわね。誰かに成りすまして人を騙すのは最も基本的で効果的な詐欺の手法じゃないの。振り込め詐欺の被害の多さを見れば一目瞭然よ。あなたの身に何か悪い事が起こったからお金が必要だ、などと私が騙されて全財産を見知らぬ人の口座に振り込んでしまったらどう責任を取るつもりなのかしら」
「え、お前は僕が困ってたら全財産を使うつもりなのか?」
「……まぁ、メールどころか容姿まで成りすましているのね、いかがわしい。早く正体を見せないと警察に突き出すわよ」
「ちょ、ちょっと待った!お前のお金が欲しくて訊いたんじゃないぞ!その気持ちだけで充分嬉しいし……」
「……うるさいわね。それはそうと、迷惑メールというのは何だかとても都合が良くて美味しくて甘い話ばかり書いてあると聞いた事があるけれど、本当なのかしら?」
「まぁ基本はそうだと思うぞ。でもそんなのに引っかかる人もどうかと思うけどさ。いきなりそんな夢のような話を送信してくれる人なんてどう考えても存在しないと思うし」
「あらそう。という事は良い内容ばかりのメールは読むに値しないというカンジなのね。一体何がどうなっているのかしら」
「え?何が?何か妙な内容のメールでも送られてきたのか?」
「うるさいわね。毎晩あなたに成りすまして妙なメールが送られてくるけれど、やはり迷惑メールだったのね」
「いや、僕は確実に一通は送ってるぞ。もしそれ以外に一通も受信してないならそれは僕のメールだと思うけど……」
「うるさいわね。私にとって都合が良くて美味しくて甘い話ばかり書いてあるじゃないの。全てウソだったとは失礼な。今後は一切信じない事にするわ」
「そ、それは間違いなく僕の本心だぞ!っていうかちゃんと読んでるんじゃないか……」
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「クリックしないのも迷惑行為という事にしてしまおうかしら」
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