【えすえぬえす】一日目 33 | 【会話ブログ】

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どういうわけか、キッチンのIHヒーターの上にあるフライパンの中で何かが完全に真っ黒に焦げ付いていて、白っぽい灰色の煙を噴出していた。


天井に備え付けられた火災報知器がその煙に反応して、消防署に自動で通報されたらしい。


そして僕の家に確認の電話をしても誰も出ないため、最悪の事態を想定して緊急出動してきた、というのが今回の顛末だった。



幸い煙が充満しただけで火の手は上がっていなかったけど、もうあのフライパンは使えないだろうな。


結構お気に入りだったのに。


一体誰が。


じゃなくて、一体どうして?


ミナミのヤツ。


僕はTシャツを鼻と口に押し当て、


「そういえば料理をしていたのにお風呂に入ってしまいました。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」


と消防隊に丁重に謝った。


こっぴどく叱られたものの、それ以上の詮索はされずに引き上げてくれた。



僕はその足で急いで部屋へ向かった。


ここに真犯人がいる。


完全に包囲した。


僕は勢い良くドアを開けた。



「おい! ミナミ! 一体どう、ブッ!!」


顔に何かが直撃した。


痛くはなかったが、僕は衝撃と驚きで膝から崩れ落ち、目の前に枕が転がっているのが見えた。


「ちょっと見直したらもう裸か! この痴漢ヤロー!」


声のする方向を見ると、掛け布団を風呂上りのバスタオルのように身体に巻き付け、右手に持った目覚まし時計を振りかぶっているミナミの姿が見えた。


触髪が天井目掛けて垂直に立ち上がっている。


僕が急いで枕を顔の前で構えると、枕にボフッと衝撃があった。


ぐぬぬ、ミナミのヤツ。


本当に投げやがった。


続く


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