【会話ブログ】今年は過去で来年も過去よ | 【会話ブログ】

【会話ブログ】

ここは旧【会話ブログ】です。
新アカウントでお楽しみください。

夏休みの思い出教えて ブログネタ:夏休みの思い出教えて 参加中


「今年の夏休みはどうだった?」

「あら、どういう事かしら」

「いや、そのままの意味だぞ。どうだったのかな、と思ってさ」

「ちょっと、私に近寄らないでちょうだい、いかがわしいわね」

「どうして突然そうなるんだ!変な事は訊いてないぞ!」

「うるさいわね。いつの間に別人と入れ替わったのかしら。どこの誰だか知らないけれど、今ならまだ正直に本性を明かせば許してあげる可能性もあるわよ」

「僕は僕だぞ!別人になんてなるわけないだろ!突然どうしたんだ!」

「うるさいわね。毎日朝から晩までずっと一緒にいたあなたなら私の夏休みがどうだったかなんて何もかも知っているじゃないの。それ以外の時間の事まで知りたいなんて、一体どれだけ独占欲が強いのかしら。まさかストーキングでもしないと気が済まないくらい、常に近くにいないと何も手につかない状態になってしまうんじゃないでしょうね」

「ああ、そういう意味か……何か誰かの事を言ってるようにも聞こえたけど……と、とにかく何をしてたのか、じゃなくて、感想を訊いてるんだぞ。楽しかったとか、もっと遊びたかったとか」

「あらそう。何も無いわよ」

「うっ、ずっと僕と一緒だった夏休みの感想が何も無いってのは寂しいな……」

「あら、リストラされた会社の元同僚達が自分のリストラを盛大に祝うパーティーをしていた事を知ってしまった人のような顔をしているわね。そんなにリストラして欲しいならもう私に二度と近寄らないでちょうだい」

「こら!何も感想が無いなんてショックを受けて当然じゃないか!お前と別れたいと思って暗い顔をしてたわけじゃないぞ!」

「うるさいわね。そんな大声を出しただけで特に変わった場所に出掛けたり遊びに行ったりしなかった夏休みが盛り上がると思ったら大間違いよ。とにかく学校にいるのもこうして休んでいるのも特に変わらないじゃないの」

「まぁそう言われればそうなんだけど……僕は凄く楽しく感じたんだけどなぁ……あ、そうか。普段の学校生活と比べたんじゃなくて、去年までの夏休みと比べたからそう感じたのか」

「何をごにょごにょリストラされたサラリーマンが以前よりも条件の良い会社の面接を受けて好感触だった時のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。どこかに新しく就職したいなら二度と私に近寄らないでちょうだい」

「こら!お前以外の人と付き合う気なんて無いぞ!全く。それはそうと、お前も去年までの夏休みと比べてみてくれないかな。それなら今年の夏休みの感想も多少は変わるんじゃないか?」

「あらそう。何も無いわよ」

「ぐっ、結局僕がいてもいなくても何も感想は変わらないって言いたいのか……寂しいを通り越して悲しくなってきたぞ」

「あら、せっかく採用されて再就職だと思ったら就職準備金とかわけの分からないお金を請求されて、支払った途端に会社から何の音沙汰もなくなってしまった男のような顔をしているわね。私といる事がそんなに苦痛ならもう二度と私に近寄らないでちょうだい」

「いや、まぁ期待しただけに裏切られたショックが大きいのは確かだけど……お前こそさっきから僕がいてもいなくても何も変わらないって言ってるようなものじゃないか。どうして付き合ってくれてるのか心配になってきたぞ」

「うるさいわね。何も無いから何も無いと正直に言っているだけじゃないの。また恥を掻いてばかりだもの」

「どういう事だ!僕と一緒にいると恥ずかしいとか言い出すつもりじゃないだろうな!」

「違うわよ。まだ始まったばかりだもの、って言ったの。私の人生なんてあなたと出会ってから始まったようなものじゃないの。私にとって過去なんて全く何の価値も無いわ。だから過去の夏休みなんて比べる対象でも比べるつもりも比べる要素も無いわよ、って、何を言わせるのかしら、みっともない」

「ううっ、そういう意味だったのか……そう思ってくれて凄く嬉しいぞ。これからは一日一日全部良い思い出にしていけたら良いな」

「この夏休みもあっと言う間に過去の夏休みになるけれどね。残念だったわね」

「全く素直じゃない!」


【会話ブログ】
「今この瞬間クリックするのよ」

kounin_kaiwashiをフォローしましょう
ツイッター とかいうものを始めてみたわ」

過去の会話一覧を表示する

小説版会話ブログ
第一弾【はじまりの日】
第二弾【拝啓、わが路】
第三弾【そして欠片は花弁のように】

会話ブログRPG
第1章
第2章

リクエストや質問 、待っているわ」