「話では以前と比べて結婚する平均年齢が上がってきてるらしいぞ」
「あらそう。良かったわね」
「そうか?どうしてそう思うんだ?」
「知らないわよ、そんなの。他人がどうなろうと関係ないんだからそれで良かったじゃないの。あえて詳しく言うなら、こんな捻くれた事を言っているのにこうして誰からも暴力を振るわれずに元気に生きていられる世の中で良かったわね、というカンジかしら。って、誰がいつの間にかこんがらがってわけがわからなくなってしまったパソコン周りの電源コードのような女なのかしら、失礼な。途中で付け足した外付け何とかの配線をそのままにしておくからこういう事になるのよ。要するにこのセリフに限ると、【あえて詳しく言うなら】以降が途中で付け足された外付け補足説明部分ね」
「何だかよく分からないけど、ずいぶん早い段階でこんがらがり始めてたんだな。っていうか他人に対してそんなに突き放した言い方をしなくても良いんじゃないのか?」
「あら、そうね。何でもかんでも関係ないで済ませたら会話にならないわ。だから私が妙な事を言い出した時点であなたは私に暴力を振るわなければならなかったのよ」
「えっ!?何で?そんな事出来るわけないじゃないか」
「あら、何故出来ないのかしら。もっと結婚が盛んに行われていた時代は生意気な女はところ構わず引っぱたかれたと聞いているけれど」
「どんな時代なんだよそれは。昔のドラマや映画の中だけの話じゃないのか?それにお前は生意気ってわけじゃないし……っていうか例え何を言われようと僕にはお前を引っぱたく理由は見付からないぞ」
「あらそう。長い長い人類の歴史を紐解くと、いつの時代も男女平等が広く叫ばれてきて、ようやく今のような時代になったんじゃないかと思うわ。でもその結果あなたは私を叩く事は出来なくて、私はいつでもあなたを引っぱたく事が出来るわ。これが人類の求めた平等の正解の形なのかしら」
「……お前は理由なくいつでも僕を引っぱたけるのか?いくらなんでも酷いぞ!」
「うるさいわね。冗談に決まっているじゃないの。言葉だけで冗談を冗談だと見抜けないような鈍さを見せ付けられると次はいよいよ引っぱたくくらいしか方法が無くなるわよ」
「いずれにしてもかなり高い確率で引っぱたかれるような気がするぞ。まぁでも何だかんだ言って今まで一度もそういう事はされてないけどさ。お前がそんな人間じゃないって信じてるしな」
「……うるさいわね。あなたがそういう事を言うと、もし引っぱたいたら私が悪人になったのかと思われてしまうじゃないの。あなたは私が悪人になっても構わないと思っているのね。二度と近寄らないでちょうだい」
「ちょ、ちょっと待った!引っぱたかなきゃ済む問題じゃないか!」
「うるさいわね。冗談よ。でも今後もあなたは私が悪人にならないように常に引っぱたかれる可能性を秘めている、という事が分かって良かったわね」
「まぁそうならないように気を付けるよ。って、僕が何を話したいのか今日は訊いてくれないんだな」
「引っぱたくわよ」
「何でだよ!何も変な事は言ってないぞ!」
「うるさいわね。冒頭で妙なテーマを口にしていたじゃないの。どうせロクな展開にならないのは目に見えているわ。私達には関係のない話よ」
「ううっ、結婚の話が関係ないってのはどういう気持ちなんだ……もしかして二人の将来は……」
「うるさいわね。どう考えても私達には関係ないテーマじゃないの。相変わらず鈍いわね。ロクな展開にならない予感に満ち満ちているわ。引っぱたくしかないかしら」
「もしかして別れようとしてるのを察しろ、って言いたいんじゃないだろうな!そんな話なら僕は鈍くても一向に構わないぞ!」
「……うるさいわね。私達には関係ないと何度言わせるつもりなのかしら。だって結婚が遅い人の話でしょう?」
「クリックも早く済ませてしまえば良いのよ」
「ツイッター とかいうものを始めてみたわ」
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