ブログネタ：最近、眠れてる？
参加中前回
「今日はちょっとここで話していこうか」
「あら、改まって何かしら、気持ち悪いわね。ここも何もいつもと同じ公園じゃないの」
「まぁそうなんだけどさ、とにかくここで今日は話していこう」
「………………」
「えーと、最近の調子はどうだ？」
「さぁ、どうかしらね。わざわざ言うほどの事でもないという状態かしら」
「そっか。まぁ普段通りってカンジか。前回寝たのっていつぐらいだ？」
「………………」
「えーと、寝たのがいつか……」
「引っぱたくわよ」
「何でだよ！いつも全然寝ないから体調を気にして訊いてるんだぞ！」
「うるさいわね。何かと思えば今日は別れ話をするつもりだったのね。それで全く眠らない私がショックで泣き寝入りをするとでも思っているんでしょう？そんなのが眠る理由になったりしないわよ、失礼な。腹立たしくて今までよりも目が覚めてしまうでしょうね。あなたも今後一生眠れなくなるかもしれないわ」
「一体僕に何をするつもりなんだ！じゃなくて、お前と別れようとするわけないだろ！」
「うるさいわね。冗談よ。そもそもあなただけが別れを決意したところで思い通りに綺麗さっぱり別れられるはずがないじゃないの。一生眠れない日々が続くだけだと思うわ」
「そ、その部分は冗談じゃなくて本気なのか……僕は何を一生されるんだろう……って、そんな状況にならないから気にしない方が良いか」
「さぁ、どうかしらね。別に執念や怨念や悪念や邪念なんて無くてもその状況を作る事は難しくないと思うわ。そこまで言うなら今日から実践しましょうか。だからもう観念した方が良いわよ。残念無念だったわね」
「ちょ、ちょっと待った！僕は寝ずに生きていくなんて不可能だから辞めてくれ！」
「あらそう。でもそれはもしかしたら睡眠が人体には必要だと思い込んでいるだけなのかもしれないわよ。人それぞれ眠る時間の長さが全然違うし、眠りの質も全く違うわ。睡眠という概念なんて脳と身体から切り離してしまえば毎日無駄な時間を使わずに過ごせるかもしれないじゃないの」
「まぁそうかもしれないけど……でも無意識に眠くなったりするのは事実だしな……僕の身体は睡眠を必要としてるみたいだぞ」
「あらそう。それならそれで構わないけれど。毎晩眠っている姿が見れなくなるのもつまらないものね」
「……だからそういう事を言うんじゃない、ってのに……と、とにかく、全く寝ないってわけでもないんだろ？」
「ええ、そうね。残念ながら週に一度くらいは睡眠の概念が押し寄せてきて眠ったりもするわよ。でも眠っていても気は張っているから１時間とか２時間程度だけれど」
「そっか……やっぱり思った通り……強がってはいるけど、一人で寝るのが不安ってのが真相なのかもな……」
「何をごにょごにょ振られたのは相手に嫌われているだけという事にも気付かずに、相手がどうしても自分を振らなければならなかった理由を見付けようとしている男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかく何が言いたいのかさっぱり分からないわ。頭が混乱して思わず気絶するように眠ってしまいそうよ」
「それなら今から寝てみないか？」
「………………」
「えーと、今から……」
「うるさいわね。聞こえているわよ。私の耳に入りさえすれば何でもその通りになると思ったら大間違いよ、いやらしいわね。どうして突然私とあなたが同じ布団で眠らなければならないのかしら」
「そっ、そんな事は言ってないぞ！きっと緊張してるから眠れないんだと思うんだ。だから僕の肩でも膝でも好きに使ってくれて構わないから寝てみたらどうかな。リラックスして寝れるかもしれないぞ」
「うるさいわね。別に睡眠なんて必要としていないと言ってるじゃないの。帰って飽き飽きした気持ちになるわ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ！まさかもう愛想を尽かしたとか……」
「違うわよ。かえってドキドキした気持ちに……って、何を言わせるのかしら、みっともない。とにかくきっとリラックスなんて出来ないと思うけれど、そこまで言うなら試しても良いわよ」
「ほ、ホントか！まさか受け入れてくれるとは思わなかったぞ。サプライズのつもりが僕の方が驚いてるかもしれないな。お前を膝枕出来るとは感激だ……お、早速……って、いててててて！足に爪を立てるな爪を！」
「うるさいわね。目の前の私に眠って欲しいと思っているクセにどうしてそんな大声が出せるのかしら。恐ろしい価値観をしているわね」
「いててててて！爪を立てるからだろうが！」
「うるさいわね。だからきっとリラックスなんて出来ないと言ったのよ」
「リラックス出来ないのは僕の方だったのか！」
続く
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