ブログネタ：夏の食べ物、1番好きなのは？
参加中「フライドポテト以外で夏の食べ物と言えば何があるだろうな」
「………………」
「やっぱりあっさり食べられる素麺とか冷し中華なんて夏の代名詞とも言えるんじゃないかな」
「………………」
「スイカとか梨とかも美味しいな」
「………………」
「えーと、お前も何か夏の食べ物で好きなのってあるか？」
「………………」
「あの……質問なんだけど……」
「うるさいわね。何かしら。訊きたい事があるなら遠慮せずに訊けば良いじゃないの」
「え？うん、だから訊いてたんだけど……まぁ良いか。夏になると食べたくなるものってあるか？」
「フライドポテトよ」
「いや、結局いつもそうなるからさ、今回は出来たらフライドポテト以外で何かあれば訊きたいんだけどな」
「あらそう。何かしら、突然。訊きたい事があるなら躊躇せずにはっきり訊けば良いのよ」
「え？……何かいつもと様子が違うような……もしかして暑さで疲れてるのかな……」
「何をごにょごにょごにょごにょ星のごにょごにょ星人みたいにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね」
「うっ、毒舌もいつもより適当な気がする……なぁ、大丈夫か？体調が悪いなら保健室にでも……」
「あら、体調は全く悪くないわよ。フライドポテト以外で好きな夏の食べ物を答えれば良いんでしょう？ちょっと名前が分からないだけよ」
「ああ、なるほどな。それを気にしてたわけか。それならどんな料理か言ってくれれば充分だぞ」
「あらそう。まずはスティック状に切ったジャガイモを油で揚げて、塩を振るのよ」
「……それからどうするんだ？」
「そうね。更に手を加えてお皿に盛ってしまおうかしら。油を吸うキッチンペーパーなどを敷くと良いわね。まだ名前の無い料理だけれど、何て名付ければ良いかしら」
「ただのフライドポテトじゃないか！」
「うるさいわね。いつものフライドポテトよりも２秒間長く揚げた料理を言っているのよ。１秒ごとに刻々と状況が変わる繊細な料理をバカにしないでちょうだい。自分が最も好きな状態がフライドポテトだとしたら、太さや揚げる時間によってそれぞれ独自の名前を名乗るべきだと思うわ。何でもかんでもフライドポテトだなんて失礼な。私達の名前が全員【日本人】になってしまっているようなものじゃないの」
「いや、２秒長く揚げただけで違う呼び名にされちゃうフライドポテトもちょっと気の毒なんじゃないのかな……やっぱりジャガイモを揚げた料理は全部無しで考えて欲しいぞ」
「あらそう。私のなけなしのアイディアを却下してしまうのね。それなら私の命はこの夏までで終わりよ。餓死してしまうもの」
「フライドポテト以外に好きな夏の食べ物を訊いただけじゃないか！他に好きな食べ物が無いなら何も食べるな、って言ってるわけじゃないぞ！昼に食べる弁当では他のものも食べてるけど、その中に好きなのは無いのか？」
「うるさいわね。フライドポテト以外私は何も食べないわよ。一体私の何を見ているのかしら」
「ウソ付け！朝揚げて昼食べるのは味が劣化する、とか言って昼の弁当は確実にフライドポテトとは違う食べ物を持ってきてるじゃないか」
「あら、あれは全部フライドポテトよ。朝と夜にフライドポテトを食べる間に空腹で死んでしまわないように、ちょっとつなぎとして食べているのよ。要するに次のフライドポテトのための準備の一環ね。だからもう食べ物が持つ概念としてはほとんどフライドポテトと考えて良いと思うわ。肉や魚や野菜やスープやパンのコース料理を全て合わせてフランス料理と呼んだりするじゃないの。フライドポテトもそれと同じよ」
「……またそんな屁理屈を……とにかくフライドポテト以外は好きじゃないって事だな。ホントに全然他には美味しいと思うものって無いのか？」
「しつこいわね。お弁当だって何となく美味しい気がするわよ。フライドポテトだもの」
「……それもスゴイな。ホントにフライドポテトの一環として味わう事に成功してるのか……？」
「違うわよ。二人で食べてるもの、って言ったの。って、何を言わせるのかしら、みっともない」
「そ、そっか。僕と一緒だと食事が美味しく感じられるのか。それは嬉しいな」
「うるさいわね。揚げたジャガイモみたいな顔で私の隣にいるからよ」
「どんな顔なんだそれは！……って、お前の唯一の好物って意味ならそれでも良いかもな」
「あなたのクリックも好物よ」
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