![何色の猫が可愛いと思う?](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
「昨日近所で真っ黒の猫を見たぞ」
「あらそう。それでどうなったのかしら」
「いや、別にどうもならないけど、真っ黒で綺麗だったな、と」
「あらそう。それで何が言いたいのかしら」
「いや、それ以上は別に何も……」
「あらそう。分かったわ。そんな事で私が怯んで自重すると思ったら大間違いよ。まず鮮明に映っている映像をアリバイと共にしっかりと提示してちょうだい」
「え?何を言ってるんだ?猫の映像とアリバイなんて何に使うんだ」
「うるさいわね。私があなたの家の近くでウロウロしていたのをついに見かけて、私を脅してストーキング行為を辞めさせようとしているんでしょう?」
「何を言ってるのか全然分からないぞ!いつお前の話をしたんだ!」
「まさか付き合っている人からこんな陰湿で回りくどい誘導尋問のような取調べ行為をされるとは思わなかったわ。望み通りあなたが何を言おうとしているのか私が察する事が出来て良かったわね。腹立たしい」
「まさか付き合っている人からストーキングをされてる僕の身にもなってもらいたいけど……」
「うるさいわね。とにかく真っ黒で綺麗な物体がどうこう言っていたじゃないの。私を食べる直前までは物凄く美味しいのかと期待させる水羊羹みたいに言うなんて失礼な」
「お前の中で水羊羹が見た目ほど美味しくない食べ物って事になってるのかどうか知らないけど、僕は黒猫の話をしてるだけだぞ!」
「まぁ、ここまで言いたい事を見抜かれているにも関わらず、あくまで猫の話として押し通すつもりなのね。分かったわ。それならその想像の中にいる幻の猫の特徴でも言ってみたら良いじゃないの」
「……何でこんな緊迫した展開になるんだ……えーと、とにかく真っ黒で、他の色の毛は一切混じってない綺麗な猫だったな。艶があって光ってるようにも見えたぞ。今まで近所で見た事が無かったし、誰かが飼い始めたのかもしれないな」
「まぁ、改めて聞き直してみたらやはり私の事じゃないの。あえて言い直す事で私の脳に深く刻み付ける魂胆なのかしら?しかもあなたに飼い慣らされているなんて、ずいぶんと自信があるのね。そのうち飼い猫に引っ掛かれるんじゃないかしら」
「どうして今の説明で猫がお前で飼い主が僕になるのか分からないんだけど……しかも自分で飼い猫って言っちゃってるし。とにかくホントに想像とかお前の事とかじゃなくて本物の猫の話だぞ。今度見かけたら携帯で写真を撮ってくるよ」
「あらそう。ちゃんと証拠を見せるつもりなのね。分かったわ。それなら黒猫以外の猫の写真は一切撮らなくて良いわよ。白けてしまうわ」
「……まぁそこまで言うなら黒だけ撮るけど、本来なら可愛い猫の写真だったら別に何色でも楽しめると思うぞ」
「違うわよ。白を着てしまうわ、って言ったの…………まず白い服を買いに行かなければならないわね……全く面倒だわ」
「心の声が聞こえてるぞ……っていうか僕をストーキングするのを辞めるっていう選択肢は全く無いのか?」
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