![ラッキーナンバーってある?](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
「そういえば何か験の良い、普段意識してるラッキーナンバーってあるか?」
「あら、何かしら、突然、気持ち悪いわね。第一声から妙な話をされてしまった現在二人きりの私は、場合によっては三人で会話する事もあるわね。今後四人になる可能性に関しては五里霧中と言わなければならないのが心苦しいけれど、六という数字は……ちょっと置いておきましょうか。時にはこんな七転八倒ぶりを発揮してしまう私は……」
「お、おい、ちょっと突然何を言ってるんだ?」
「うるさいわね。そうやって私の話を頭ごなしに上からキューっと、ジューっと押さえつけて黙らせようとするのは辞めてちょうだい。まぁ、あなたのせいで1から10まで全てがアンラッキーな数字になってしまったわね。ラッキーナンバーになるような数字が一つも無い、要するにゼロ個という事は、何と0から10までの全ての数字がアンラッキーナンバーになってしまったわ」
「いや、どうして今の話でアンラッキーになるのかよく分からないぞ」
「うるさいわね。何が何だか分からない展開のうちに大して意味も意図も意志もなく登場して消えていってしまった数字がラッキーなはずがないじゃないの。ラッキーじゃないならそれはアンラッキーよ」
「うーん、そのわりにはずいぶん無理して数字を登場させてたような気がするけど……あ、それなら6で良いじゃないか。6は置いておかれたまま使われてなかったぞ」
「あら、意外とよく聞いていたわね。その点からもラッキーナンバーに昇格しそうな可能性を秘めている事は否定しないけれど、でもフライドポテトを注文して六本だけ出てきたとして、私はラッキーと思うのかしら。あなたとの会話が六回だけ行き来した段階で終わってしまって、私は満足するのかしら。こんな短いやり取りで既に八回も私達は言葉を発しているのよ。更にあなたが六人に増殖したとして、私は歓喜するのかしら。面倒過ぎて七人くらい消したくなってしまうでしょうね。更に……」
「わ、分かった。もう良い。無ければ無理してラッキーナンバーなんて作らなくても良いと思うぞ」
「あらそう。という事は私は今後一生数字との相性が最悪な状態のまま生きていかなければならないのね。あなたが妙な質問をするから私は数学界や自然数界から追放処分になってしまったわ。ある意味無理数みたいなものかしら。それなら今後はルート3、ではなくてルートさんと呼んでちょうだい」
「何を言ってるのか意味が分からないぞ!別にラッキーじゃない数字が必ずアンラッキーになるとは限らないじゃないか。それにラッキーナンバーって言っても、ただ単に好きな数字とか、そういう捉え方でも良いと思うぞ」
「うるさいわね。特に好きな数字なんて無いわよ。それならあなたは何か好きな数字でもあるのかしら?」
「うーん、そうだなぁ。ミッキーとミニーの名前のイメージで3なんて良いんじゃないのかな。さっきお前も言ってたように、ハイジを入れると三人にもなるし」
「あらそう。それなら私は1にしようかしら。私は単純には語り切れないわよ」
「そうか?1は単純で分かりやすいってイメージがあるけどな」
「違うわよ。単純に割り切れないわよ、って言ったの。あなたの3で私を割ろうとしても割り切れずに同じ3が並ぶだけじゃないの。退屈なあなたにはぴったりじゃないかしら」
「0.33333……ってカンジか。わざわざ僕を罵るために1を選んだんじゃないだろうな……全く」
「うるさいわね。この計算式は途中で終わらずに永遠に続くのよ」
![【会話ブログ】](https://stat.ameba.jp/user_images/20100803/01/mickey-minnie-heidi/f3/b3/g/t01500060_0150006010672559401.gif?caw=800)
「あなたの好きな回数だけクリックしてみたらどうかしら」
公認会話士の小説連載中
小説版会話ブログ第一弾
【はじまりの日】
小説版会話ブログ第二弾
【拝啓、わが路】
小説版会話ブログ第三弾
【そして欠片は花弁のように】
会話ブログRPG
第1章
第2章
「リクエストや質問 、待っているわ」