ブログネタ:仕事、宿題はギリギリまでためる?
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「昨日は英語の和訳の宿題が出てるのをすっかり忘れててさ、慌ててやったからメチャクチャな出来のまま持ってきちゃったよ」
「あらそう。良かったわね」
「いや、全く良くないと思うんだけど……どうしてそう思うんだ?」
「あら、だって宿題をやってきたんでしょう?それのどこが良くないと思うのか私にはさっぱり分からないわ。それともたったの一晩で世界の常識は逆転してしまったのかしら。例えば大学に通っているのに全く就職活動をしようとしない学生を教授が注意したら、その学生は大学は勉強をするところだから就職活動に時間を使いたくない、ちゃんと勉強だけをして卒業して、その後ちゃんと就職するから心配しないで下さい、と答えるのよ。教授はこのしっかり者の学生なら自分の信念を貫いてやり遂げてしまうかもしれない、それどころか将来は大物になるかもしれない、と期待するわ。そしてその学生が無事に卒業していった次の年、学び残した事がある、と言って学生が再び大学に入学してきてしまったようなものよ」
「何か例えと話がズレてるような気がするんだけど……とにかく宿題がメチャクチャな状態なのに良いとは思えないぞ」
「うるさいわね。出された宿題をやってきたのに何も悪い事なんて無いと言ってるじゃないの。それで先生から文句を言われる筋合いなんて無いと思うわ。例えば早く一人前の寿司職人になりたくて毎日眠らずに練習したものだ、と店主の昔話を聞いた新人の見習いが、自分も一人前になりたいと毎晩眠らずに練習を続けるのよ。そのうち昼間の営業時間の最中に居眠りをするようになってしまって、注文を間違えたりお客にお茶をこぼしたり簡単な仕込みを失敗したり、全く使いものにならなくなってしまうわ。怒った店主は新人をクビにしてしまうけれど、完全に昼夜逆転の身体になってしまった新人はその後深夜でも営業している寿司屋をオープンさせて大繁盛の全国チェーンにしてしまったようなものよ」
「……また合ってるようで合ってないような例え話だな……僕はとにかく宿題の出来が悪いのにお前が悪く思わない理由を知りたいだけなんだけどな」
「しつこいわね。何度も同じ事を訊いているうちに突然自分が欲しかった答えに変わるとでも思っているのかしら?もちろん生きていれば考え方が変わることはあるけれど、流石にこんな短時間では私の考えは変わらないと思うわ。例えば人間は全ての細胞が約半年で新しいものに作り変えられるという真実を知って感銘を受けた人が、半年後の自分は全く別人のように素晴らしい人間になるかもしれない、と極端な夢を抱くのよ。周囲は彼をバカにしたけれど、半年後に彼が言った通りの展開が巻き起こるわ。なんと彼以外の全ての人が記憶から性格から何から何まで全くの別人になってしまって、世界の秩序が完全に狂っておかしくなってしまうのよ。そして全ての人類が元に戻るかどうかは彼に託されるわ。そいうSFがあったら面白そうね」
「もう完全に例え話じゃなくて小説のプロットみたいになってるぞ!さっきから全然質問に答えてくれてないじゃないか!」
「うるさいわね。そこまで言うなら話しても良いわよ。本当にしつこい性格で困ったものね。こんな人の恋人をしていると知らぬ間に自分の生活を全て把握されて管理されるようになってしまうんじゃないかしら、腹立たしいわね。でもそうなった生活も仕方ないと思うわ」
「もし僕がそんな行動をしても受け入れる気でいてくれるのは嬉しいけど、全ての生活を把握されてるのは僕の方だと思うぞ……」
「違うわよ。あなたの成績に支障はないと思うわ、って言ったの。あなたがどうせ時間を掛けて真面目にやったって宿題は間違えだらけじゃないの。どうして今日のように答えを適当に書いてこないのかいつも不思議に思っていたのよ」
「こら!真面目にやればそこまで間違えないぞ!」
「うるさいわね。宿題をやってあるだけマシだと言ってるじゃないの。私なんて入学してから宿題は何一つやってきてないわよ。答えられないもの」
「いや、そんなウソを言われても困るぞ。学年トップのクセに」
「違うわよ。怒られないもの、って言ったの。どうやら宿題というのは授業を理解していない人向けに行われる行事らしいわね」
「物凄い上から見下ろされてるカンジだな……でもホントだから反論出来ない……」
「あなたの宿題は毎日ここをクリックする事よ」
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