ブログネタ：ロココ調ドレスと十二単、一週間着て過ごすならどっち？
参加中「昔の人って色々と大変だっただろうな」
「何よ、突然、気持ち悪いわね。いきなりそんな話を持ち掛けられる私の大変さは完全に無視されているみたいだけれど、どうしてそう思うのかしら」
「いや、情報は少ないし、便利な物は少ないし、今の時代と比べて足りないものが凄く多いと思うぞ」
「さぁ、どうかしらね。そもそも今の時代にあるような新しい情報や便利な物について当時の人は何も知らないし、現代人の感覚で話しても仕方が無いんじゃないかしら」
「なるほど。でも知りたい事が中々分からなかったり、毎日やるような作業に時間が掛かったりするもどかしさは感じてたんじゃないか？」
「そうかもしれないわね。でも人情や人と人との繫がりに溢れていたり、生産性と意外性と発展性に富んでいたりして、常に希望の未来に囲まれた楽しい生活をしていたかもしれないわよ。今は誰かと関係を持てば裏の読み合い腹の探り合い陰口の叩き合いでギクシャクして、地球は終焉に向かっているという事実ばかりが広まって、情報と便利が溢れた事によって未来に何も新しい物が無い事を悟った閉鎖的な世の中とも言えるんじゃないかしら」
「うっ、それは確かにあるかもしれないけど……でも色々な情報があるのは決して悪い事ばかりじゃないんじゃないのか？」
「ええ、そうね。夜中に誰かが眠っている映像を撮影出来たり、誰かの過去の恥ずかしいエピソードを聞き出す事が出来たりするものね。情報化社会だからこそ、情報を上手く使えば豊かな生活が送れると思うわ」
「その二つは上手な情報の使い方として正しいのか……？使い方によっては犯罪の臭いがするぞ……まぁとにかく今回は、昔の人は服を着るのも大変だったんじゃないかな、ってのを訊こうと思ったんだ」
「あらそう。あなたが昔の人に対してどういう認識を持っているのか分からないけれど、ほとんど現代人と身体の作りは同じはずよ。袖に手を通したり、足を上げて履物を履いたり、それくらいの動作は現代人と同じように出来たと思うわ。あなたは歴史の教科書の挿絵や写真でしか見ていないから、昔の人が全員身動きが取れない肉体だと思っているのね、可哀想に。確かにもし皆がそんな状態だったら服を着るのも数日掛かりの重労働だったでしょうね。あまりにも当たり前過ぎて誰もあなたに昔の人の運動能力を教えてくれなかったのね。私と付き合っていなかったらいつか恥を掻いていたんじゃないかしら、良かったわね。私はあなたの知識がどれだけ不足していても笑ったりしないわよ」
「それくらい分かってるに決まってるだろ！お前が一番バカにしてるような気がするぞ！何枚も重ね着したり、コルセットで上半身を締め付けたりするのが大変だったんじゃないかな、って言ってただけだ！」
「まぁ、自分が誤解させたクセに、そうして罵る言葉を幾重にも重ねたり、私を力ずくで締め付けようとしているのね、失礼な。二度と私に近寄らないでちょうだい」
「そんなつもりはないぞ！とにかく僕だって昔の人の運動能力ぐらい分かってるって言ってるんだ！」
「うるさいわね。冗談にいちいち過剰に反応して波状に反論しないでちょうだい。あなたみたいな人はコルセットで締め上げた上に何枚も重い服を着せて息苦しくした方が世の中の、というより私のためなんじゃないかしら」
「そんな事したら下手すりゃ死ぬぞ！いくらなんでもやり過ぎだ！」
「あら、そうかしら。でもそんなやり過ぎだと思うような服を着て昔の人は生活していたのよ。そう考えると現代人よりも骨や筋力などは強かったのかもしれないわね。あなたが思い描く当時の人とは丸っきり違うと思うわ」
「だから僕はそんな事は思ってないってのに……まぁ良いか。それはそうと、もしお前が数日着て生活するとしたらああいうロココ調のドレスと十二単とどっちが良い？」
「さぁ、どうかしらね。着た事が無いから分からないわ」
「そっか。まぁ実際に着てみると想像とは全然違うかもしれないしな。着れる機会があったら着てみたいと思うか？」
「ちょっと、何を言っているのかしら。辞めてちょうだい。どれだけ興味や関心を煽ってもまだ私は結局着ないわよ。今の私に言うなんて頭がおかしいんじゃないかしら」
「何だか分からないけどそこまで罵らなくても良いだろ！別に着たくないなら着なくても良いし」
「違うわよ。まだ私は結婚し……って、何を言わせるのかしら、みっともない。そんな服を着る機会なんて現代では限られているじゃないの。せめて私が１６歳になってからにしてちょうだい。気持ちが悪いわね」
「じゅ、１６歳になった時に言ったらどうなるんだろう……」
「クリックしないと締め上げるわよ」
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