ブログネタ：募金、寄付したことある？
参加中「今朝は何だか駅前で募金活動をしてたな」
「まぁ、ついにどれが私でどれが私ではないかの見分けがつかなくなってしまったのね、失礼な。私が募金をするならまず街頭に出る前にあなたの全財産を没収するに決まってるじゃないの。今朝あなたが見たのは私の幻よ。今後は二度と見間違えないでちょうだい」
「お前が募金活動をしてたな、って意味じゃないぞ！駅前で何人かやってたじゃないか。っていうか僕の全財産はお前が必要な時に没収されちゃうんだな……まぁ良いか。ああいうのに寄付ってした事あるか？」
「ええ、あるわよ。私の頭には赤や緑の羽が今も募金した時の記憶という形で突き刺さっているわ。そろそろジャングルに入っても迷彩になって紛れる事が出来る本数じゃないかしら」
「どんな状況なんだそれは。そういえばあの赤とか緑って何か違いがあるのか？」
「赤と緑が違うのなんて当たり前じゃないの。何を考えているのかしら。カップラーメンだって赤と緑で中身が全然違うわ。厳密にはラーメンじゃなくてうどんとそばだけれど」
「いや、その直接的な色の違いじゃなくて、あの募金にはどういう違いがあるのかな、って意味だぞ」
「うるさいわね。冗談よ。色はそのまま募金内容の色を表しているわ。あなたのように真っ白な思考回路の人でも考えたら分かるんじゃないかしら」
「うーん、そうだなぁ……赤っていうと赤十字とかそういうのか？それで緑っていうと何となく森林伐採とかそういうテーマと結び付きそうな気がする」
「あらそう。残念だったわね。赤い羽根はポストや消防車や赤信号や標識など、世の中の赤い色を保つために使われているのよ。その募金によって赤を裕福で強固な物として保っておかなければ、今頃は赤ちゃんも肌色ちゃんみたいな呼び名に変わってしまっているかもしれないわ。リンゴやイチゴも控え目なピンク色になってしまうんじゃないかしら。そして緑も同じね。世の中の全ての【みどり】という名前の人が【きみどり】などになってしまうわ」
「ウソつけ！そんな理由で国民中から募金を集めてたら確実に非難されると思うぞ！」
「うるさいわね。あなたがつまらない正解をいきなり言ったりするから悪いのよ。それに寄付なんて善意でやってる事だからどう使おうが自由じゃないの」
「なんだ、やっぱり正解だったのか。って、ちゃんと目的に賛同したから寄付したわけで、勝手に違う事に使われたら普通は許されないと思うんだけど……確か犯罪じゃなかったっけ？」
「さぁ、どうかしらね。それなら募金したお金を全て役立てて欲しいのに、勝手に赤い羽根を作ったり緑の羽根を作っている事についてはどこに文句を言えば良いのかしら。その羽を作るお金だって寄付した方が役に立つのは間違いないものね。先程の私のように、赤い羽根も緑の羽根も心に刺さっていればそれで良いのよ。まるでつけていない人が人でなしみたいな不安感を煽る演出は好ましくないと思うわ」
「そう言われれば確かにそうかもしれないけど……それはそうと、小学生の頃とかは有無を言わさず強制的に募金させられてたような気がするぞ。まぁ何かの役に立ってればそれで良いかって程度の認識だったけどさ」
「あらそう。お金をいきなり徴収されているのにその意味も調べないのね。そのうち意味も分からず変な壺やお札や絵画を買ってしまうんじゃないかしら。あなたの全財産を私が管理した方が良いような気がしてきてしまったわ」
「いや、まぁちゃんとした事にしか使わないから大丈夫だと思うぞ」
「そうかしら。そのちゃんとした事の見分けがつくのかどうか信用ならないわね。例えば毎日３００円前後の寄付であなたがとても幸せになれる募金があるけれど、興味があるかしら？」
「何なんだその怪しい内容の寄付は……目的が僕の幸せのためってのが抽象的過ぎるぞ。金額だって高過ぎるし、流石にそれは断るぞ」
「あらそう。やはりあなたは何が必要で何が不要かの見極めが全く出来ていないじゃないの。ふらっとボーっと寄付すれば良かったのよ。あなたは私の幸せなんてこれっぽっちも考えていないのね、腹立たしい。二度と私に近寄らないでちょうだい」
「おい！どうしてそうなるんだ！お前のためにも無駄遣いをしないようにしてるんじゃないか！」
「違うわよ。フライドポテトを寄付すれば良かったのよ、って言ったの。フライドポテトを毎日私に買うだけで私は喜ぶわ。毎日私が幸せならあなたも幸せなのかと思っていたけれど、決してそんな事は無いのね」
「そういうのは寄付じゃなくておごりって言うんじゃないのか？」
「あなたのクリックを募っているわよ」
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