![豪華ディナーまであと1時間。だけどお腹ペコペコ!!さぁ、どうする?](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
「昨日は昼食を抜いてえらい目に遭ったぞ」
「あらそう。確かに食べてなかったわね。普段なら確実に理由を訊くところだけれど、机に突っ伏したまま全く動かなかったからソッとしておいたのよ。死人に話し掛けると霊に気に入られてとり憑かれてしまうかもしれないものね」
「死んでないに決まってるだろ!っていうか、僕が死んでたとしても放っておくのか?」
「うるさいわね。先に私を放っておいて死んでしまうのが悪いのよ。私を残していくなんて絶対に許さないわ。私とあなたは死ぬ時も一緒だと……って、何を言わせるのかしら、みっともない。とにかくどうやって生き返ったのかを今後のために教えてちょうだい」
「だから死んでないってのに……って、何かスゴイ事を言ってたような気がするんだけど……と、とにかく、昨日は夕飯まで食べないようにしてたんだよ」
「あらそう。朝食と夕食と、家族と食べる以外の食事はもう二度と摂りたくないと言いたいのね、失礼な。私と昼食を食べると何もかもが美味しく感じないというのはどういう理由なのかしら?こうして少しずつ嫌がらせをして私に気付かせるのがあなたの流儀なのね。何か言いたい事があるならはっきり言った方が良いわよ」
「何を言ってるんだ!お前の事を嫌いになったりするわけないだろ!昨日はたまたま夕飯が好物のしゃぶしゃぶだったからたくさん食べようと思っただけじゃないか」
「……あら、それはどういう事なのかしら」
「いや、だから昼を抜いてお腹を空かしてたくさん食べようと思って……でも夕飯まで耐えられなくて結局夕飯の前に少し食べちゃったんだよ。それでえらい目に遭った、って言ったんだ」
「あらそう。趣味でもないのにあえて購入した丸くて小さな弁当箱をかいがいしく短めのお箸でつつく私の髪が風になびいて左右に揺れる様を見るよりも、薄い肉が白菜と人参の間を左右に動いて変色していく方があなたにとっては絶景だと言いたいのね、失礼な。昨日私が流した涙の海でじゃぶじゃぶさせてやろうかしら」
「ううっ、ごめん……そんなに僕と昼食を食べるのを楽しみにしてくれてるとは……今後は二度とこういう事が無いように気を付けるよ」
「あらそう。自発的にそう思うなら勝手にそうすれば良いんじゃないかしら。私は束縛なんて全くしようとは思わないもの」
「うん……なんか誘導されたような気もするけど……」
「……何をぶつぶつ丼に毛が入っていたけれど見れば見るほど自分の毛のような気がして言い出すキッカケを失ってしまった男のように呟いているのかしら、気持ち悪いわね。それで、結局あなたは何が言いたかったのかしら?」
「え?いや、だから普段と違う事をして失敗した、って話だぞ。お前の場合はもし好物の夕飯の前にお腹が減っちゃったらどうする?」
「どうもこうもないわよ。食べれば良いじゃないの。同じ事だもの」
「なるほど。お腹に入っちゃえば一緒ってカンジか。それもちょっと味気ないというか……」
「違うわよ。同じポテトだもの、って言ったの。夕飯もその前の間食もフライドポテトだもの。わざわざ我慢する理由が分からないわ」
「そ、そっか……お前に訊いたのが間違いだったな……」
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