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「すっぴん見せて!」「部屋見せて!」断固断るのはどっち? ブログネタ:「すっぴん見せて!」「部屋見せて!」断固断るのはどっち? 参加中


「女の人はすっぴんを見せるのを嫌がる人って多いな。あれってどういう心理なんだろう」

「さぁ、どうかしらね。それより私の話を聞いてちょうだい。先日母の買い物に付き合ってデパートへ行ったのだけれど、化粧品売り場で店員に声を掛けられた母がメイクを始めてしまったのよ。仕方が無いから私も隣に並んで別の店員に試しにメイクをしてもらったわ。とても真剣に顔を近付けてメイクをしたい気持ちは分かるけれど、凄くファンデーションの匂いのキツイ人だったわ。ハイヒールのコツコツ音と合わさって、目をつぶっていると私の周りをスティックタイプのファンデーションが歩いているのかと勘違いしてしまったくらいよ」

「一体何なんだその話は……僕はどうしてすっぴんを嫌がるのかについて……」

「うるさいわね。それより私の話を聞いてちょうだい。ついにファンデーションを擬人化したような店員にファンデーションを塗られてしまった私は、自分の顔からもファンデーションのにおいを放出してしまっている事に気付いたわ。店員も私も黒い服の上下で、顔だけが肌色、というかファンデーション色なのよ。近くにいる人には黒いケースのファンデーションが2本並んでいるように見えたでしょうね。店員の髪の色は明るかったから違和感が無いけれど、私の黒髪は見る角度によっては黒いケースから黒いファンデーションが出ていると思った人もいるかもしれないわ」

「流石にそれはないと思うけど……そうじゃなくて、すっぴんを嫌がる心理ってどういう……」

「うるさいわね。それより私の話を聞いてちょうだい。いくらファンデーションを塗ったとはいえ、どうも二人分のファンデーションとしてはにおいがキツ過ぎるような気がした私は、ふと横を見てみたのよ。すると母も、母のメイクをする店員も、皆ファンデーションのにおいをまとってしまっていたわ。これでは顔を化粧したのか、4人の周りの空気を化粧したのか、もしくは近くを通る人をしかめっ面に化粧するのか、一体どれが当初の目的だったのか、下地となる記憶にしっかりファンデーションを上塗りをされてしまって全く分からなくなってしまったのよ。だから私はつい【あなたは空気や雰囲気や記憶を化粧する方が向いているんじゃないかしら】と言ってしまったわ。すると【こんな本音を言う人は初めてです】と返事してきたのよ。結局何をされても私の心や価値観だけはすっぴんのまま化粧されない、というわけね」

「何なんだその話は!結局すっぴんを嫌がるんじゃなくて、すっぴんの方が良さそうな話じゃないか」

「ええ、そうね。私は常に化粧なんてしていないじゃないの。私が飾るのは言葉だけで充分よ。あら、ちょっとキザな化粧になってしまったわね。私は少しだけ言葉に装飾を施せれば満足よ、程度の薄化粧にしておくわ」

「さっきまで本音を言うキャラっていうエピソードを話してたような気がするんだけど……まぁ良いか。お前がすっぴんの方が良いと思ってるのは分かったよ。でも他の女性はどうしてすっぴんを嫌がるんだろうな」

「しつこいわね。あなたみたいな人との会話を円滑に進めるためよ」

「え?どういう事だ?」

「私みたいに表情に出ない人は化粧をしなくても良いけれど、他の人ではあなたが目の前に来ると明らかに嫌そうな表情になってしまうじゃないの。でもそれではあなたが可哀想だから化粧で隠しているのよ。要するにそれだけ世の中には腹立たしい人が多い、という事ね。部屋を見せたがらない人も多いけれど、それも同じ理由よ。あなたのわら人形を壁に打ちつけてあるかもしれないものね」

「こら!誰からも呪われるほど嫌がられてるなんて、いくらなんでも酷いぞ!まさかお前の部屋にもあるんじゃないだろうな……」

「あら、何かしら。私の部屋に来ようとしてもそうはいかないわよ。主人が帰ってくるかもしれないもの」

「いや、結婚なんてしてないじゃないか。それとも部屋の主であるお前がいない隙に僕が上がり込むと思ってるのか?」

「違うわよ。写真が飾ってあるかもしれないもの、って、何を言わせるのかしら。とにかく私の部屋には許可なく来ないでちょうだい。あなたの部屋とはわけが違うのよ」

「僕の部屋は僕がいなくても出入り自由みたいな感覚なんだな……」


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