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お正月の一番の楽しみは? ブログネタ:お正月の一番の楽しみは? 参加中


「もう来年だけど、正月になるとお節や雑煮があったりして楽しみだな」

「あらそう。そんなに好きなら我慢せずに今から食べれば良いじゃないの」

「いや、それだと雰囲気が……お節ってやっぱり雰囲気も含めた食べ物なんじゃないのかな……」

「あら、料理だけではなくて、雰囲気や月日も食べるという感覚ね。その考えは中々面白いわね。どうして今年の初めからそれくらい興味深い事を言ってくれなかったのかしら。これでまた年が明けたら元通り大した事を言わなくなるんじゃないでしょうね」

「うっ、そんなに期待されても困るけど……って、僕はずっと大した事を言わないヤツだと認識されてたのか?」

「そういう点では年越しそばや土用の丑の日などもその日が持つ雰囲気の中に料理が入り込んでしまっているわね。ここ数年は年明けうどん、なんて言う人もいるけれど、どうしてもっと広く浸透しないのかしら。やはりうどんと雑煮では系統が重なってしまっているのが問題かもしれないわね。いっそ雑煮は三が日で、うどんは四日から六日まで、七日は七草粥、としっかり日付を決めてしまうのが定着させるためには必要だと思うわ。年越しそばだって【年末そば】という日付が曖昧な表現だったら今のような爆発的な消費には繋がっていなかったかもしれないものね。そしていつかはフライドポテトにもたった一日を勝ち取るチャンスが巡ってくる日があるのかしら。先日も少しそんな話はしたわね」

「ちょ、ちょっと……僕の質問が完全にスルーされてるな……」

「そういえば正月の楽しみという話題だったみたいね。私としては正月だからといって特に何も変わらないいつもの一日、という認識しかないけれど、周囲が何故かソワソワフワフワと心許ない浮ついた様子だからつい正月だと感付いてしまうわ。要するに楽しみといえばそんな人達を観察する事かしら。年が変わるとしばらくは書類などに去年の年数を書き込んで書き直しになったりしてしまうのに、どうしてあんなに嬉しそうなのかしらね」

「うーん、完全に僕がいない事になってるけど、どうすれば良いんだろう。初フライドポテトはいつ頃食べるんだ?」

「あら、初フライドポテトだなんて、どこからともなく少しだけ興味深いフレーズが聞こえたわね。でも僅かに腹立たしさを感じるのは何故なのかしら。まぁ良いわ。来年の初フライドポテトは場合によっては年が明ける……」

「な、なぁ、おい!せっかく話が通じたと思ったら僕が見えなくなってるじゃないか!どうして突然そうなったんだ?」

「年が明けると同時にもう食べてしまっている、というのはどうかしら。フライドポテトの途中までが2010年に口に入って、途中からは2011年というわけね。という事はフライドポテト納めとフライドポテト初めが同一のフライドポテトによって行われるという、感覚的には……」

「おい!どうして僕がいない事になってるんだ!」

「ちょっと、うるさいわね。そんな目の前で大きな声を出さないでちょうだい。面白い事を言うまで放っておこうと思っただけよ。冗談に決まってるじゃないの、失礼な」

「そ、そっか、やっぱりそうだったんだな。そういうのをいきなりされるから僕としても対処に困るぞ。それはそうと、さっきは正月の楽しみ方が人間観察みたいな話をしてたな」

「ええ、そうね。大体浮かれてハメを外している人は最終的に痛い目か嫌な目に遭うまで辞めないものね。それを見るのは少しは楽しいんじゃないかしら。あなたも正月に親戚が大勢集まった時、従兄弟と追いかけっこをしてふすまを破ったり、大人達に対抗意識を燃やして夜更かしをしてお母さんに怒られたりしたものね」

「な、何故それを……僕が小学生の頃の思い出だぞ」

「あらそう。私としては高校一年生くらいの思い出だけれど、人によって色々と食い違いが生じるのも正月ならではなのかしら」

「それは単にお前がつい最近そのエピソードを聞いたからじゃないのか?なぁ、今日こそ聞かせて欲しいんだけど、僕の昔話を一体誰から聞いてるんだ?」

「感覚的には365日分の長いフライドポテトを食べたように錯覚してしまうかもしれないわね。そういう点ではもうこれが初夢と定義づけてしまっても構わないんじゃないかしら。ジャガイモはナス科だし、縁起の良い茄子の夢の代用としてもうってつけの……」

「都合が悪いからってまた僕をいない事にしないでくれ!」


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