電気炉での焼き入れ | ―正宗の名刀は再現できる―

―正宗の名刀は再現できる―

自身を「スーパーメーカー」と称する鋼の研究者、古屋道正です。
世界に3人しかいないダマスカス鋼の再現者の一人です。
鉄・鋼に対するあくなき探究心を、ブログに少しずつ書き記していきます。名刀細川正宗は再現することができることを知っていただけることでしょう。

 我が家の陶芸用の電気炉で包丁の焼き入れの実験をして繰り返してみたら、やっとちょうどよい温度管理がみえてきました。


 包丁は吸熱のために電気炉の内部の温度よりもかなり高い温度になるので低めの温度設定が必要です。


 37分で700℃になるように設定すると包丁の先端は830℃、中程は800℃になります。


 包丁の先端には鉄板で小さな鞘をつくって被せておく工夫がいいようです。

 そうすると中程と先端の温度差がなくなるようにできると思います。


 どんな鞘がいいかは今後の課題ですが。

 
 電気炉の最終温度設定を660℃にしておくと、包丁の中程の最終温度が760℃ぐらいとなってちょうどよいようです。


 今日も実験してみるよていです。

 
 頭で考えたことと実際にやってみたことがこんなに違うのは驚きですが、同じことを炭で空気の送りかたひとつと刃物と羽口の位置関係をみながらやってのける鍛治屋さんの熟練の技には驚嘆を禁じえません。


 本当に手仕事のすごさにつくずく感心しています。

 



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