硬柔の鋼を組み合わせて正宗などの相州伝の刀はつくられたとよく刀剣書に書いてあるが本当でしょうか?
平成14年の正宗展が名古屋で開かれたとき見に行ったが鍛接腺の隣に地景がくる正宗の刀は3割ぐらいであった。
この3割の正宗刀は本物ではないと私は考えます。
正宗の最高傑作は細川正宗や日向正宗のような鍛接線が全く見られないでしかも地鉄のなかに美麗な地景がきらめく作品である。
そこまで鋼の表情が美しい作品はこの世のものとは思えない気品があります。
鍛接線がたくさん見える作品は正宗としているだけで本物ではないと私は考えています。
こんどこれらの作品に接することがあったら必死で観てみてください。
ほんとうの鋼の美しさが分かります。
鍛接線は鍛接がうまくいっていないときに出る傷のようなもので見苦しいものです。
備前景光にあきらかな鍛接線がでる作品が多く価値が低いなーと思ってしまいます。
ところが光忠の作品になると地鉄は正宗の傑作と同じで鍛接線はほとんどなく地景も金筋も明瞭にでてきます。
時代の違いがこのような格段の差をもたらしていることは原材料の鋼の格段の違いを想定しなければ考えられません。
鎌倉時代にどんな鋼の材料が手元にあったのか謎ですが心踊らせる素晴らしい謎だとおもいませんか?
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