製鉄の原理は簡単で鉄鉱石や砂鉄(これも細かい鉄鉱石です)の酸化鉄を還元して炭素を含有させて岩石分を除去することです。
このとき鉄鉱石が優秀だと鋼に悪いリンや硫黄が少なくいい鋼をつくりやすくなります。
島根県の砂鉄やスウェーデンの鉄鉱石はすぐれた原料です。
島根県の砂鉄にはわずかにヴァナジウムがはいっていて(0.3%程度です)刃の切れ味をよくしたり結晶粒を細かくしたりします。
しかしこの微量成分が決定的な役割を果たしているわけではないようです。
基本的には日本刀の鋼は純炭素鋼にちかいようです。炭素量は最終0.7%ぐらいといわれています。
タタラ製鉄の唯一の欠点はノロ成分が混在したケラという製品がその産物であることです。
したがって不純物は高温に加熱して叩いて絞り出す必要があります。
高温で加熱する回数が多いほど鋼のなかは均一な炭素量となって玉鋼の優秀さが失われていくことになり、おおきな矛盾を抱えることになります。
したがって玉鋼からは古刀のような不均一のつよい刀はつくるのは無理です。
では鎌倉時代にはどんな鋼を原料にして名刀をきたえていたのでしょうか?
不均一の美の極致のあの時代の製品はどうやってつくっていたのでしょうか?
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