製鉄の秘密 | ―正宗の名刀は再現できる―

―正宗の名刀は再現できる―

自身を「スーパーメーカー」と称する鋼の研究者、古屋道正です。
世界に3人しかいないダマスカス鋼の再現者の一人です。
鉄・鋼に対するあくなき探究心を、ブログに少しずつ書き記していきます。名刀細川正宗は再現することができることを知っていただけることでしょう。

 焼き入れの話はこれぐらいにして 一旦は製鉄のはなしに戻ってみたいとおもいます。


 鋼をつくったあとその中に炭素量の不均一が存在すると 複合構造になってつよい性質になります。


 
 鋼を直接作る方法がタタラ製鉄です。


 
 この方法では直接鋼をつくることができますが、現代の製鉄はこの方法とは違ってまず銑鉄をつくりその溶けた状態のものを容器にとって固めたり、板状にしたりして一呼吸おいてから次にそれを加熱して空気中で脱炭して錬鉄にしたり鋼のところで脱炭を止めたりします。



 直接製鉄するときタタラ炉のなかでは何がおこっているのかはよくわかっていません。


 おそらく還元されて鉄になった雫が吸炭して少しずつまとまってきてケラになっていくものと考えられます。


 このときに炭素含有量の不均一が醸成されていくものとおもわれます。


 現代の間接製鋼法ではそのような不均一はできにくいようです。



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