アメリカはなぜ嫌われるのか | 銀輪流転

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残暑厳しく、夏ばて気味なので、野外活動は控えて読書。
積読棚から、取り出して怠惰な読書。

 題名からは、アメリカの軍事覇権とそれによる摩擦を想定していましたが、
内容的には、アメリカという国家原理と他の国との異質性が、議論されています。

「アメリカは単純化して言えば、「適応(適者生存)」と「平等」の
二つの近代的概念によってなりたっている「原理主義」国家です。」(P194)

と、規定したうえで、その大きさ故に、好むと好まざるとに係わらず、
どうお付き合いすべきかということを論じております。

前半、旧世界(ヨーロッパ)においてアメリカがいかに認識されてきたか、
後半、日本がアメリカを如何に受容してきたかが、論じられております。

そして、日本のアメリカ観として、
 小田実 と 江藤淳 の論を対立概念として併記することで、
現在日本のアメリカに対する2つの大きな感情を述べています。

現在、日本の自立を巡って、憲法解釈を巡る議論が政治課題に上ってます。
その中で、アメリカとの関係をどのように把握するのかが議論の前提にあったりします。
しかし、その議論が、国防の面に傾斜していることが残念です。

私自身は、アメリカ型資本主義システムを、グローバルスタンダードとして
受け入れ続けてきた、ここ15年あまりの政策に大きな危惧を抱いています。

それは、国防以上に、その存立基盤である、経済システムを決定的に変容するかもしれない
と思っています。
昨今の、格差問題は、そのような文脈で把握しいく必要があると思っています。