雨のアジスアベバ真夏の日本から、アフリカ、エチオピアの首都アジスアベバへやってきた。標高約2,200 m。雨季で朝から冷たい雨が降る。町中の様子。渋滞発生。エチオピアの人も「イラチ」なのか、信号が青に変わるまでの秒数がカウントダウンされている。2連バス幹線道路でも路面に穴があき、避けようとジグザグ運転になり、また渋滞の原因となる。訪問先のアジスアベバ科学技術大学の構内の様子。敷地内は雨が降り吸水すると弱くなる粘土が広がる。敷石舗装箇所にも大きな轍ができている。雨季の様子が確認できた。
橋の紹介2014年4月に調査、2015年2月~3月にかけて施工した橋の様子を見に行った。今後同じような構造の橋を作ることを計画しており、その地域を管轄する市のエンジニアにも同行してもらった。2015年2月施工前の様子2015年3月 施工中の様子2015年4月 橋部施工完了2015年11月 台風時の様子(15年に一度の規模)オーバーフローしている。2015年11月 台風の後、水位が下がっている様子。橋の上流側には流れてきた大量の土砂が堆積している。2016年7月 土砂が川の両側に寄せられている様子2015年11月 台風後土砂を除去するために派遣された州政府の重機2016年7月 向かって右側の田に流入した土砂も除去され、田植えがされている。2015年11月 台風一過のあと、土砂除去作業が進められている様子2016年7月の様子作業に参加した住民と、来年施工を検討している箇所を管轄する市のエンジニア。石積工が不要で施工期間を短縮できること、土のうを二列に積んでより強硬な構造とできることを理解してもらった。住民とは2015年4月以来、約1年ぶりに再会することができた。今度施工を計画している地域に来てもらい、経験を共有し技能を伝えてもらうことも有効ではないか、と思う。構造が安定しており一安心だが、よりよい構造とするにはどうすればよいかも把握でき、再度様子を見ることができてよかった。次回お世話になるであろう市のエンジニアとも、よい関係を築くことができたと思う。
川べりでの生活川近くでは水の利用には便利だが、洪水の氾濫時には大きな被害が出る。昔から、どこでもそうだと思うが、自然と付き合いながら人は生活してきている。川の対岸へ、船を利用する。川幅が広く橋をかけるのは一大事業となり、実現が難しい。船で渡るのも、川中の河原までで、そこをしばらく進んでまた、水の流れる箇所を渡る。ココナッツの木の幹で、うまく三輪バイクが通れるように架けられた橋。このまま仮設の橋で利用することが、現状では一番良いと思う。また、船で戻る。一人一往復約25円。三輪バイク(トリシカル)も船に乗せて運ぶ。
日没にかけての調査午後から別サイトの調査。村の村長や役員の方々が、正装、革靴で待機してくれていて、一緒に問題箇所の調査を行った。村の役員、そして農家さんにも話を聞いている様子沈下橋の壊れた場所に、堰を設けて灌漑用にと水を引いている様子水深のある場所で、水牛が休んでいた。村人らが自分達で作ったという橋調査を終えて、村役場へ戻る。今日はすっかり暗くなってしまった。
やってもらうではなく、できることをする道直し道直しで誰が何を負担して実施するか、についての協議に参加した。 市、灌漑管理局、村、地主らが参加し、各々が道直しを自分事と捉えてできることをやる、そのできることは何かを具体化する、という目的の協議。プロジェクトが強制することにならないように、でも各自の参加と貢献を引き出すように議論を進める必要がある。この段階を踏むことが、道の持続的な維持管理につながる。 GLMiの日本人専門家の方が、議題の設定、シナリオのある程度の想定、議論の進行に必要な模造紙上に書かれた表の作成、プロジェクト現地スタッフの方による進行の役割分担など、指揮されていた。会場は市の議会場ラマダン明けの祝日というが、予定通りに参加者が集まった。プロジェクトの方がいい関係を築いて来られていると思う。副市長(写真右背中)が見守る中、参加者皆が各々何ができるか、活発に協議。副市長(写真左端)のリーダーシップ、プロジェクトへの協力姿勢が、議論への参加を促し活性化している。各自のできることが整理された。この議論結果を基に、次の乾季(来年4月ごろ)における施工準備が進められる。
お米農家への支援事業への参画フィリピン、ルソン島中央部での一週間の活動。日本のNPO,グローバルリンクマネジメントインスティテュート、GLMiが実施されているお米農家支援事業の一環で、市場へのアクセスまた農地への農機の搬入が可能となるようにと、道直し(主に渡河部)を行う。対象箇所を調査し、施工提案、必要資機材、施工期間をまとめた。そしてプロジェクト、市、灌漑管理者、村の人々との会議時に説明をした。宿泊したホテル、通行手段のトリシカルやジムニーはフィリピン名物市役所灌漑施設と田んぼ、田植えがあちこちで行われていた。農道の突き当りにある田んぼ。道から田へ農機を移動させるのに、灌漑の水路を横断する必要がある。乾季には水が止められるので、その時が施工のチャンスだ。
10年目に捧げる賞ケニアでの2008年から2014年までの活動成果をまとめた論文、「土のう工法の普及活動を通した未舗装道路整備のBOPビジネス化」(土木学会論文集F5(土木技術者実践)Vol.71, No.1 pp.13-23, 2015)が、「平成27年度土木学会論文賞」を受賞した。共著者はケニア事務所で活躍いただいた本庄由紀氏、恩師の木村 亮先生だ。ケニアで経済的に厳しい状況でも、粘り強く事業を進めていただいた当団体副理事長の喜田 清氏をはじめ、関係者の皆様に感謝したい。住民による生活道路整備活動を啓発しようと土のう工法の普及活動の中で、ケニア道路行政官への工法紹介の結果、若者雇用促進政策に取り入れられるに至った。町で昼間からぶらぶらしていた若者が一転、土のう工法を身に着け生活道路整備を通して地域の環境改善に貢献した。身近な素材を簡易な工法で活用することで道直しができ、役に立てたという実感が、若者の自信や仕事への意欲を引き出した。さらに6週間の道路維持管理研修の機会を得たことで、会社を立上げ公共事業を受注し事業活動を活性化させている。若者らしい、柔軟な思考、エネルギーを発揮している。若者に土のう工法を届けられたこと、行政官へも工法やその工法を習得した若者グループの変化の様子を伝えられたこと、が論文でまとめた成果につながった。地域のことをよく理解し事業活動の活発なNGOだからこそ、なしえたことのように思う。6月10日の土木学会総会に合わせて実施された受賞式に出席した。開始前の様子会員により構成されたアンサンブルシビルによる演奏で始まった。映画館にあるような、前方スクリーン様々な賞とともに論文賞についても表彰された。授賞式は鈴木史郎アナウンサーとアシスタントの方(お名前を聞き洩らしてしまった)が担当された。程よく軽快で荘厳な音楽がかかり、両アナウンサーによる授賞者の紹介、受賞理由の録音が流された。鈴木史郎アナウンサーは、2年前に亡くなった父の高校の同級生だったらしい。団体は設立から10年目になる。さらにがんばれ、という賞のように思う。
16年度第一回通常総会5月は総会の時期。一年を振り返り、事業成果と収支状況を確認する。そして次の一年の事業計画と予算をたてる。事業体として当たり前のことだが、いずれも発展に向けてとても重要だ。議案書作成作業を通して、計画どおりであることの達成感、想定外での出来事、予定通り進めなかったことが思い出され、また今後の見通しで予断を許さない点がはっきりし緊張感も出てくる。総会では約20名の参加を得て、活発な議論をいただいた。遠方から来てくださる方もあり、同志の存在をとても心強く思う。ここで得られたコメントを大切に、しっかり運営していきたいと思う。理事長の木村教授の挨拶から始まった。周りの方を前向きな気持ちにさせる先生の話術、エネルギーを見習いたいと思う。事務局の自分から、各議案内容を説明する。説明を聞いてくださる参加者議案に承認を頂く様子総会後、ミャンマーで活動されている田中輝彦専門家より活動紹介をいただいた。定年退職後の時間を有意義に過ごすことができている、と総会参加者へ御礼を述べられたことが、印象的だ。ご経験豊富な方の現場での工夫は、自分にも大変参考になり勉強させていただいている。参加者の集合写真また一年、しっかり事業活動を進めたい。
日本と南太平洋の島ブカ島で農村部の道路状況も調査した。未舗装の主要道路に接続する、コミュニティ道路こうした道の先に、コミュニティがある。トラックが村から出ていくところブカ島の未舗装主要道路は、2年前に整備されたとのこと。バス(PMV, Public Motor Vehicle)とすれ違った。主要道路端に出荷用に積まれているコプラ、麻袋に入れられている。コプラを収集するトラック使い古された麻袋が、マットのように家入り口付近に敷かれる様子。道路材料として利用されている。道すがら、見つけた旧日本軍の銃器。慰霊団の方がこの島を訪れるらしい。
写真を撮れる町ブーゲンビル自治州の主要行政機関が拠点を置くブカ島のブカタウン。首都をブーゲンビル島のアラワに移す計画もあるらしい。まずはここを拠点とすることになるだろうと、町の様子を知るべく歩いてみた。治安もよくカメラを持ち歩いても問題ない、とのことで、町の様子を記録してみた。郵便局、銀行のある海岸沿い(ブカ島とブーゲンビル島の水道)船着き場側のマーケットマーケットの様子国際NGO,CARE Internationalの事務所コミュニティラジオ局、「新しい夜明けFM」コンピューターショップのある建物。道路側にある2階のドアが不思議だ。船と車両の両方への給油所