仕事仲間とのコミュニケーションは大事だと思うけど、国も違えばなおさらで、かつ、互いの常識や感覚のずれに驚かされることが多い。
留守中新しく雇用したアカウンタントに、自分のハーゲンでの宿泊先を使うことを認めた。家を探すまでの間、苦労しなくて済むように、という思いだった。
今回突然戻ることになったので事前に連絡し、部屋を明け渡してもらった。
どうも自分の私物が使われている形跡がある。打合せの時、彼が持っていた手帳は自分が日本で買って部屋に置いていたものだった。
何気なく「その手帳、どうしたの?」と聞くとようやく自分の懸案に気づいたのか、彼は苦し紛れの言い訳を始めた。「部屋で見つけた」
手帳ごとき、かもしれないけど、他人のものは勝手に触らない、という自分の常識を訴えた。これは万国共通でしょ?彼は反省して謝ってきた。ひょっとしたら同族意識みたいなものが芽生えて、物についても共有するという感覚になったのか。正直今でも信じられないけれど、今後態度を修正するようくぎを刺した。慣れていってほしい。
首都での会議でも彼は同行したが、受け答えは堂々としていた。実際は思うように旧アカウンタントと引継できていないことがわかり、またこれが自分のいらいらを増長する。
彼は「心配ない。大丈夫」と言うけれど、以前にも聞いたセリフで、自分はとても心配である。