立命館大学、特殊講座(専門)Ⅱ(国際技術協力)で講演をした。パプアニューギニアに滞在中、関西国際交流団体協議会より講演を担当してほしいとの連絡をもらい、実現した。ちょうど一時帰国中の日程でついていた。
思えば、「道普請人」の活動をしているからこそ、こうした機会に恵まれる。現在自分が手を動かして実施している活動を報告する講演は、準備も含め楽しい作業の一つである。
高校教育を経て、さらに大学という空間で社会に向けて旅立つ準備段階をしている20才前後の学生さんに、自分の話はどのように受け入れられるのか?どんなことに興味があって、どういう表現をすれば学生さんが関心を示してくれるのか?
講義の目的、講義を受けにくる学生さんの学科などの所属、も踏まえてパワーポイントも工夫をする。講義を担当される立命館大学客員教授・京都大学名誉教授、中川博次先生からは、地域適合型技術の開発・普及の必要性や課題についてお話頂き、学生の国際貢献へのモチベーションを高めてほしい。」とのコメントをいただいた。中川先生は、「途上国開発に向けて、簡単な技術で人々を幸せにする方法を見つけなさい」と京都大学木村 亮教授(道普請人・理事長)に言われていたと聞く。その後木村教授の指導のもと、「土のう」を利用した開発途上国農村部未舗装道路整備を行い、これまで11カ国で19kmの道路を整備してきた。具体的な事例を中川先生の前で紹介できることになった。
途上国農村部の、過酷な気象条件(雨季の集中豪雨)や険しい地形、河川による地域の分断などの自然条件に対して、現地の人々は私たちが想定できないような結束力を発揮し、対処している。
このような住民の汗を無駄にしないよう、技術者として理論に基づいて適切な指示をしていく必要がある。どの大きさの木を使うのか、どう橋台に設置するか、などである。
「土木技術者の、社会企業家への挑戦」を紹介した。自分自身の人生もまだまだ発展段階で偉そうなことはいえないけれど、若い学生さんたちに自分の打ちこめるものを見つけて人生をかけて進めて行ってもらいたいと願う。決して急ぐ必要はないけれど、自分で「どうせ無理やし」という壁を作らないようにしてほしいと願う。