昨年3月から9月までケニアに滞在し、30グループ、約600人の農家の方へ「土のう」による農道整備手法の研修を行ってきた。本年2月より再度ケニアへ戻ってくることができた。
研修で実際に道を直して約半年、その後道路はどうなっているのだろう?
汗を流した人々は自分達で直した道をどう見ているのだろう?
ある農民グループで整備した道の、整備前、整備直後、そして約5ヵ月経過した今月の様子を比べてみた。整備前、また実施した時期は雨季、その後年末まで雨季が続いて、今回調査したときは乾季になっている。
整備前(2008年9月)
整備直後(2008年9月)
整備後約5ヶ月(2009年2月)
乾季なので今回調査時の道路の様子はよく見える。それでも整備後約3ヶ月は雨季が続いたので、「土のう」の面目は立つ。
この思いは何も私のひいき目ではなく、作業に参加したグループの人たちも同じ思いのようで、別の箇所を土のうを利用して自分達で整備していた。
下の写真は別の箇所の様子である。
「土のう」を覆っていた土がなくなり、土のうがむき出しになってしまっている。一部は袋の上を通るタイヤの摩擦のために破れてもいる。それでも土のうは固い。
また、ある部分は沈下しているようである。
土のうを覆われた状態で保つような維持管理が必要である。下から2枚目の写真では、左側で少し土の色が濃くなっているところがある。グループのメンバーが自分達で土を補充して維持管理しているようだ。
整備時に沈下を見越して5 cmから10 cmは周りより高く仕上げた方がよい。また沈下してしまったところには土、もしくは「土のう」を補充し雨季に水がたまらないようにする。
今後研修時には土のうを土で覆われた状態を保つような維持管理の重要性も伝えていく。