施工当日、朝食を食べ終えた大工とともに現場へ向かう。途中、川砂利が中詰めされた土のうをピックアップしていく。
橋の近くで土のうをピックアップ
施工箇所でおろした土のう、どうしても一杯まで入れているので量を調整しているところ。
別の班が早速基礎を掘ります。タイヤの通る幅、範囲をヒモで明示しました。
乾燥していると粘性土は固いのですが、雨が降り濡れるとすぐにどろどろで靴底も滑るほどです。乾燥していてやや固いのですが村人らは、指定した場所を難なくあっという間に掘ってしまいました。
約20cm掘ったのち、土のうを並べ締め固めます。そして土のう間の隙間を川砂利で埋め、また締固めてコンクリート打設前の基礎ができます。そしてフェンスを置きます。間に石を入れてフェンスがコンクリート層の真中へ来るようにします。
一輪車の中でセメント、川砂利、砂を混ぜます。水の量の厳密な管理はできません。練り具合を大工と確認しながら加える水の量を調整します。勾配もあることからコンクリートが流れていかないよう、固めの練りあがりとしました。棒でつつきながらコンクリートを打ちました。
木ごてで、押さえていきます。
施工効率を考え、シート上で空練し、コンクリート打設箇所で水を加えました。
ようやく終わりが見えてきました。なんとか雨が降りだす前に終われればよいのですが。
休憩で、現地事務所スタッフの三宅さんから、彼らにとっておきの差入れです。ブアイでした。彼らの殺到ぶりは日本のバーゲン並み、それ以上でしょうか。せっかく打ったコンクリートを踏まないよう気をつけて、と私は叫んでいました。
前列左側の男性が昨日の買出しを手伝ってくれた運転手。この日は積極的に施工に参加しました。手と足がセメントまみれです。
残念ながら雨が降ってきました。予定の10mは終わっていましたが、もう少し乾燥させればよかったのですが。シートでカバーしました。
施工から約10日後の様子です。コンクリートはうまく打てているようです。タイヤのあとがコンクリートを外れていたり、右側は傾斜し低くなっているせいか、コンクリート表面の一部が流出してきた粘土で覆われています。今後も路面の様子を確認していきます。
今回の施工を通して生き生きと作業するケレナガ村の人々の姿を見ることができました。村の組織としてお互い助け合いできることを全うしたように思います。
トラックのオーナーは資機材の買出し、土のうの運搬を行いました。燃料代や手間賃は払っていません。
土のう袋は2年前に残置していたものを、きちんと保管していてそこから利用しました。
一人10袋ずつ担当をもらった村人らは河原で砂利を詰め、道路面まで運んでいました。
施工当日に村の車両はすべて、施工箇所からタウン側へ移動させていました。コンクリート打設箇所を養生するためです。
正直、2年前に施工後、ケレナガ村の人たちの「土のう」を使った道直し作業の様子は見られず、浸透していくのは大変だなあと感じていたところでした。今から考えると、選挙があって道直しどころでなかったり、また村人がなくなったことで喪に服していて、道で活動できなかったなど、その土地ならではの政治的、習慣のせいでもあるようです。これらを超えて、意識の変革を呼び起こすのは難しいと思いますが、私たちはそれでも日々の維持管理の大切さを工夫しながら伝えていきます。
土のう袋、セメント、フェンスなど必要な資機材の調達方法が課題です。まずデモをやりその成果を見せること。同時に道路管理者である国会議員や行政の道路担当官にアピールして予算をひきだすことを考えています。
今回1ヶ月にわたるパプアニューギニアでの活動の締めくくりに、いいものを見せてもらったという気持ちでした。