Kenya Burning | 道普請人_http://coreroad.org/のブログ

道普請人_http://coreroad.org/のブログ

道普請人HP, http://coreroad.org/

 新聞の広告欄に、Kenya Burningという写真展が載っていた。昨年末からのケニア大統領選挙での混乱の様子を10人のカメラマンが記録したものを展示する、という内容のものだった。その写真家の方に日本人の方が含まれていて、たまたま直接お話をする機会があり、関心を持った。その日本人カメラマンの方は特に暴動がひどかった西部へ取材に行かれていたらしい。部族間の闘争という図式に発展していたので、外国人の方が取材を各地で展開しやすかったのではないか、とのことだった。それにしても体を張った取材であったことには違いなく、「なぜ撮るの?」と詰め寄られたり、逆に「撮れ!」とポーズをとる場合もあったようだ。


 写真展はナイロビ市内の工場の集まる地域にある、展示場で催されていた。入り口付近は、さびれた工場、という感じであったが、中にはアートの雰囲気が出ていた。展示場にはケニア人、白人などが見に来ていた。日本で新聞やテレビなどで時折わずかに報道されるケニアの様子を見ていたが、展示されている写真からはさらに、人々の怒り、部族間の対立、警官隊との衝突、家族や財産を失った悲しみ、人間のおそらく「喜び」以外の感情が爆発している様子が伺えた。今、ナイロビにて普段接して話をするケニア人の中にも、こういう感情が存在するのか、とても信じられない。この国の国民である、ケニアの人々がこの経験をどう活かしていくのだろうか。

 非常に大きな衝撃を受けた展示であった。


 現在プロジェクトでは、カウンターパートが約42ある対象グループと接し、各グループの抱える問題の把握、それに対してどう対処していくか、というアクションプラン作りを進めている。農村インフラについては、やはり道と灌漑について関心が強いようだ。私たち日本人専門家が現場に入れないので、カウンターパートから実際のグループの様子の情報を得、どう具体的対処していくか、打合せのために来週、西部のエルドレッドへ出張することになった。あわせて町の様子も確認してみたいと思う。焼かれた家、また家を失った多くの人々が未だに公共のグランド内でテント生活を強いられているらしい。