昨晩、国会議員の方と再度打合せをする予定であったが、今朝に変更となった。これまでの現地での活動を通してDistrictの道路対策の様子がわかってきたので、それを踏まえさらに道路状況を改善するための提言をした。根本的な問題は、慢性的な予算不足に加え、せっかくの資金も効果的に利用されていないことであるが、その中でも少しでも道路状況をよくしようとするものだ。
現地の予算不足の様子や、資金の非効率性にはよく驚かされる。いくつかの例で挙げてみる。
パプアニューギニアの会計年度は1月より12月までである。ところが現在の3月の段階でまだ、2008年度分の予算が下りてきておらず、Districtはお金の無い状態である。1月に行ったときは、給料が払えないからとDistrictのスタッフはたった一人であった。さすがに3月現在は約3人程度を置いているようである。
また、写真はDistrictが所有する6tトラックである。私たちの現地事務所の敷地内で保管されている。Districtは燃料を入れることができない。そのためほとんど動かずにいる。だから道直しに出るときには私たちが燃料代を負担している。予算が下りてきた時には支払うとの約束はされている。
現地事務所に駐車されているDistrictの6tトラック
タウンと村を結ぶメインの未舗装道路脇の草刈を沿線村の住民へ発注し、労務代を振り分けるように指示してもそれが確実に執行されない、Districtがふとんかごを100個買っても、うち三分の一が現金を得るためにまた売られてしまうということが起こるようだ。
せっかくお金を払って草刈をさせても監督する人がいないために,写真のような様子で終わっている。道路脇の側溝を機能させるために草を除去することが目的のはずなのに、刈られた草がそのままになっていては意味がない。収集したり捨場を確保するのが大変なのかもしれないが、せめて刈った草は山側へ除去することが重要である。こうした道直しの作業を有効なものとするために適切なマネジメントが必要だと感じた。
草刈後草が溝の上にかぶさっている様子
現在の道整備の様子は行き当たりばったりとなっている。そこで、主に下記のような点を提案した。
1. District内の道路状況(路面のみならずカルバートや橋の状態、また一日あたりの交通量など)の把握、沿線の土取場、川砂利採取箇所などの情報を整理
2. 道路のクラス分けとそれに伴う整備方法(人力ベース、機械ベース)を決定
3. 整備の優先度を決め予算配分
4. エンジニアによる道路整備の施工管理
上記の理想に近づけるためにもコミュニティベースでの道路維持管理が重要になってくる。この点については私たち「道普請人(Community Road Empowerment, CORE)」が実行できることもアピールした。
道路改善のための提案と、私たちの活動、道直しにDistrictと協力し、最小限の経費の支給を受けて取り組む用意があることを国会議員のみならず、Districtに正式に伝えるためにDistrict Administratorへレターを提出した。11日より国会議員はポートモレスビーでの仕事があるので、帰ってきてからDistrict内で対応を協議するとのことであった。