イラストレーター いとうみちろう のブログ -49ページ目

油彩でGo!3(完成)

前回の油彩の静物画の続き。

ある程度描き込んで、どうもビシっと決まらない場合は光と影の法則を「理屈で」攻めて描いていきます。

上明るい、横は暗い、下・奥は彩度・コントラスト下げる、反射光・・・と。

室内ですので照明の蛍光灯はこの場合当然上にあるので、上を向いた面は明るくなります(上画像の黄色)。横の面は暗くなります(青)。

↑ダルマに布の赤白のラインが反射して写っています。

 

竹も手前はコントラスト・彩度高め。回り込みの部分は低くなります。

 

本来ですと、どうも全体(or部分)が上手くまとまらない・・・というときは線画や構図が狂っているのがほとんどの原因ですが、ある程度工程が進んでそういったところが根本的に直せないような場合は、ひたすら絵の法則を合わせていきます。

画面全体がある程度まとまってきたら、あとは更にどんどん描き込んで行くのみです。最後に描き込みラッシュをかけるわけではなく、地塗りが終わったら初めから描き込んでいくつもりで作業していいと思います。

↑今回一番苦労した部分。最初から最後まで描いたり直したりを繰り返していました。でもお陰で、布を見る目が大分養われました。

↑今回一番テーマにしていた部分。ちなみにヤカンのまん中にはキャンバスに絵を描いている自分が写っています(笑)

 

油絵や、アウトラインが無いリアル系の絵は、「ともかく境界線を整えるのが大事」とよく言われます。一にも二にもともかく境界の部分を整えていく感じです。上の画像だとダルマとヤカンの境界、竹と布の境界、ヤカンと背景、ダルマの模様・・・あらゆる場所で境界をピシッピシッと整えていきます。

 

後は時間の許す限り描いていくのみ。終わり、と思っても実はまだまだ描ける余地が残っている・・・それの繰り返しです。そうしながらようやく作業が終わりました↓

その都度いっぱいアドバイスをもらい、励まされ、お時間をいただきました。

先生方からはしきりにお褒めの言葉をいただき、そのへんは恐縮でしたが、初めてのことも多く結構大変だったので嬉しかったです。一方で気になる部分や改善点もご指摘していただき、次回作以降に大いに役立てることができそうです。

正直、後もう少し直したいところもあるのですが、今、手元に現物の絵が無いので、今度もし機会があったら修正するのもいいかなと思っています。

 

デッサン、木炭・・・と続いて勧められるままにはじめた油絵ですが、楽しすぎるくらい楽しかったです。今まで絵に関して、なおざりに過ごしてきた部分が身につていきているように感じます。現在は教室はしばしお休みなので、また再開が楽しみです。

 

絵本と児童書

児童書や絵本は趣味でわりとよく読むのですがここしばらくの間で印象的だったものをいつくかご紹介。童話は心の栄養です(笑)

 

↑先日のスクーリングの講義でこのお話の一部を扱ったのですが、ようやく実物を読むことができました。子供の心を解することのない強権的な先生、成立しないコミュニケーション。最後のシーンで主人公の男の子、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーが決然と歩き去っていく姿が、次のステージに自ら足を進めていくのを象徴的に表現しているようで印象的でした。

 

 

木はいいなあ 木はいいなあ
 
Amazon

↑絵本の古典的な名作の一つ。

普段私たちも時折「なんか木っていいなー」と思うことがありますが、この絵本のすごいところは、その単純に「木はいいなー」という思い・情緒がそのまま作品になっているところです。全編、ただただあんな時、こんな場合で「木っていいよねー」って言ってるだけの絵本なんです(笑)特にお話を盛り上げたり、山場を作ったり、感情を刺激したり・・・とかいう演出がなく、ただただ木はいいなー。。。と。絵本だからこそ、それも古典的な作品だからこそ許されるようなそういう平和でのどかな世界観がとても素晴らしいです。

 

 

↑前から書店でよく見かけるな―と思っていた「おしりたんていシリーズ」を初めて読みました。上のリンクのとは別の作品で「見つける系」の絵本を見たのですが、面白かったです。絵がとても細部まで丁寧に描き込まれて、それだけでも参考になりました。

 以前サトシンさんの絵本「うんこ」がブレイクしてから、一時期児童書業界で「下ネタベース」の作品が多数リリースされる現象があったと思いますが、そのうちの一つくらいかな?と思って今まであまり気にかけていなかったのです。あの頃は絵本業界の方や、現場で子どもに関わる機会のある人などがよく「確かに子どもは下ネタが好き」とお話されたり、何かの文章に書いたしていました。・・・一理ある一方で一面的だとも思います。正直申しますと下ネタで笑いを取ろうとする大人は6割、7割の子どもたちからは軽蔑されることのほうが多いです(笑)ただ2割3割の子どものハートをガッチリ掴めばヒット作は生まれるのかもしれません。ちなみに「おしりたんてい」はとても紳士なキャラクターです。

 

↑売れない画家、死後に世間から認められる悲劇の巨匠・・・そういう話は誰でも耳にしたことがあると思います。アンリ・ルソーもそういった作家の一人で、月夜の砂漠に横たわる女性とライオンの描かれた作品が有名です。そんな彼の人生を記した絵本です。パリで他の仕事をしながら、貧しいままで40歳になってから独学で絵を始めたアンリ・ルソー。当時の画家としては始めるのが遅すぎるのはもちろんですが、長らく公募展などに挑戦し続けるも、批評家達からは散々に言われ続けます。それでも絵に対する思いがまったく冷めない彼は、パリで過ごすままに想像力を存分に働かせて、まだ見ぬジャングルや異国の世界を描き続けます。そこには技術とかセオリーとかを超えた彼独特の世界観があり、まさにこれぞ芸術!という評価が彼の死後になされるようになります。

 こういったお話を読んでいると芸術家にとって、世間に認められる・認められないというのは二次的な要素でしかないのかなと思えてきます。絵描きが勇気づけられたり、いろいろと考えさせられるような内容の素晴らしい作品でした。

 

 

  宮澤賢治のお話の絵本です。宮澤賢治が自然を描写すると、いつもそこから草の匂いや地面の感覚、木々の存在感や生き物の息吹、風、雨、日の光、ありありと身近なところで感じられるような気がします。あるいは精霊のような存在までもが私たちと隔てなくそこにいるようです。

 荒々しくも心豊かな土神、知的で洗練されているが小狡い見栄をはってしまう狐、そして美しいカシ(だったかな?)の木。見栄や自己嫌悪、プライドや嫉妬、恋心、男性にありがちな劣等感、荒々しさや不条理、取り返しのつかない誤解。。。そういったものが込められた胸を打つ作品でした。「画本 宮澤賢治」というパロル舎→好学社さんの発行しているシリーズなのですが、他の作品もすごく読んでみたいと思っています。

 

 

 ↑前から気になっていた本なのですがようやく読むことができました。いじめとか、家庭の事情とか、いろいろあって生きづらさを感じているような子ども達が主人公の作品です。学校・パラレルワールド的な作品という意味では岡田淳の作品に通じる部分があり、まったく世界観は違いますが楳図かずおの「漂流教室」なんかも少し思い浮かべていました。この作品では特に子ども達やその先生たちの「内面」というものによくフォーカスされていて、引き込まれる展開と、登場人物たちの心の変化や状況の変化を一緒に体験できるような面白さもありました。

 

「神隠しの教室」が面白かったので、興味をもって同じ作家さんの作品をもう一冊読んでみました。様々な年代層やたくさんの外国の人達が学ぶ夜間中学校が舞台の作品です。主人公は突然夜間中学校に通うことになったおばあちゃんとその孫娘さんです。このお話を読むと、なんだか人間、いつでも学び始めることができるんだ!という気分にもなれます。

 

 

↑偕成社さんの本で、何か外国の賞を受賞されたとのことで興味をもって読んでみました。いわゆる「ちょんまげもの」のお話で、題名や表紙を見てもわかりますが、きわめて日本的な題材を扱った作品です。これが外国の賞を授賞したというのがとても興味深い点です。外国人が日本のどういう部分を魅力的と感じるのか。私たちが普段意識することが出来ない日本の良さというものは、もしかしたら外国の方のほうがずっとよく感じているのかも知れません。自分が普段感知することが出来ていない身の回りの良さとか素晴らしさというものにはとても興味があります。最近モーションアニメの「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」という作品が一部で話題になりましたが、ああいうのも海外で再解釈された日本美ですね。日小見不思議草紙、日本昔話的でかつ幻想的なファンタジー少作品集、といった体の大変魅力的な作品でした。

 

 

↑日本昔話的と言えばこちらの作品もとてもよかったです。第56回講談社児童文学新人賞佳作受賞とのことですが、こんなに良い作品なのに「佳作」なのがむしろ信じられないです(笑)出会うべきものが出会い、然るべきものが然るべきようにあるには、そう簡単にはいかないことも,一山越えなければならない時もあります。誰かのエゴやワガママでこんがらがってしまった状況も、力を合わせて乗り越える。子どもたちの成長やそれを見守る大人たち、美しい野山やそれをポッカポッカと照らす太陽を感じながら、心もぽっかぽっかとするような作品です。

 

・・・・と気の向くままに書いていたらかなり数か増えてしまいました。

児童書ももちろんですが、近頃は意識的に絵本を、わりと多めに読むようにしています。絵柄やタッチももちろん刺激的ですが、大人用の読み物より字数や制限が多いので、かえって象徴的に考えさせられることも多いです。

これからも折々目を通していきたいと思っています。

 

 

 

 

 

 

土日

 土日はスクーリングの講義を受けていました。いろいろと事情のある中大変な思いをされて参加している方も多いので、最終日ともなると皆さん本当にお疲れです。しかしながら土日返上で準備や採点、その他いろいろ抱えながらの先生方もかなり大変そうというのは、スクーリングあるあるです(笑)

 そのようなわけでとてもみっちりな先週からの4日間でしたが、講義の内容は非常に面白かったです。現代における教育(の現状・問題)というものをさまざまな角度から議論し、学校におけるカリキュラムの編成を考える・・・といったような内容でした。なんか一見難しそうですが、先生が絶妙に楽しく、興味深く講義をリードしてくれたので、終始面白く、毎回が楽しみでした。感想を細かく書くと長大な文章になってしまいそうなのでここではやめておきますが、差し当たって無事に終了ということでお世話になった方々にお礼を申し上げたく思います。

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 昨日は「よこはまマンガ教室」さんのクリスマスパーティーにお呼びいただき参加してきました。教室に伺うのは相当しばらくぶりだったのですが、意外や知った顔も多く、久しぶりに皆さんと楽しい時間を過ごすことができました。

 プレゼント交換でゲットしたぼのぼの↓。

これは「ぼのぼの」のような素晴らしい感性の作品を作れる人になりなさい、というお告げだと解釈したいと思います(笑)あとは、もっと力を抜くときは抜いていいんだよ、と言われているような気がしました(^^)。

 

この日初めて知ったのが「卓上クリーナー」の存在。

マンガ教室ということで皆さんマンガにお詳しい人が多く、プレゼント交換会でこれを出していた人がいたのです。

自分、普段アナログ作業もかなり多く、消しゴムのカスも相当たくさん出てきます。こんなものがあったらいいな~とよく思っていたのですが、まさか実際に存在していたとは!今日さっそく買ってきました。

 

そのようなわけでとても楽しいパーティーにお誘いくださり、ありがとうござました。教室長のM先生もいつもお世話にっております。また遊びに行きます(^^)

 

 

クリエイターEXPOの準備

 例年では6月末~7月頭頃に開催されるクリエイターEXPOですが来年は会場の都合で4月4日~6日という日程です。そんなわけでPR用の画像とかぼちぼち準備などが始まっています。今回は間隔がすごく短い気がします。もっとも、まだブース番号とか決まっていないので本格的な準備はまだ先ですが。

 

 先日は同会場のコミティアなるイベントにはじめて行ってきたのですが、すごく楽しかったです。知り合いも何人が出展していたのですが、あまりの人の多さに一人も見つけることができず。。。しかしながらお目当ての加藤オズワルドさんとかの画集も手に入って個人的には大満足でした。コミティアは1日イベントだし開催時間も短いし、出展料も安いのでわりと負担が少なく出せそうなので、いつか出してみたいなーと思いました。

 

 一方のクリエイターEXPOは3日間の10:00-18:00の大型イベントなので毎回気合を出して臨んでいます。こちらは体力的にもかなり削られて、自分に限らず毎回出展者のみなさん相当キツそうです(笑)しかしながらこちらのご縁でいただいた仕事も多いので、年に一度の楽しい重大イベントとして今から心して準備をしていきたいです。

(PR画像の仮版↓)



 

 

 

相模大野カルチャーセンター

 本日は相模大野カルチャーセンターの絵本講座の今年の最終日でした。

皆様それぞれの思いのこもった作品作り。そのお手伝いができて今年も毎回とても楽しかったです。

 こちらの講座もかれこれ6年?続いているとのことで・・・たしかに言われてみればそのくらいになります。講師には至らぬ点も多々あったかと存じますが、ご受講されている皆様には感謝の念がたえません。

 オリジナルの絵本制作は本当に三者三様・十人十色で、その絵本の内容や制作への姿勢・考え方にいつも刺激を受けています。なんか画像ファイルを振り返って見ていたら、皆さんの作品の写真があまりなかったので、来年からは写真を取らせもらおうかな。。。

 

(↓思い思いに差し入れてくださるお菓子にも感謝m(_ _)m)

次回以降もまったり、思い思いのペースで楽しくやっていきたいとお思います(^^)

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今日読了した本↓

 

 作者は現在16歳の男の子!

幼いときから(5歳で)変形菌(粘菌)に夢中になり、好きすぎて研究会に所属したりして今では論文までも書いているそうです。

 変形菌が大好きな5歳ってどんな男の子だ!って思うんですけど(笑)目のつけどころが良すぎです。

 この本を読むと著者がいかに変形菌が大好きで、どんなところがステキで興味深いのか、本人のワクワクするような思いと一緒に伝わってきます。こういう一風変わったような大好きなことにとことんハマっている子ってステキですね。自然界の生き物・事物などに並外れた関心を持つ子というのは非常に興味深いです。これからもどんどん自分の世界を探求していってほしいなと思いました。

 粘菌といえば、博物学者の巨星として知られる南方熊楠が研究していたことが思い出されます。日本史上の規格外の大天才が大きな関心を寄せていたということは、粘菌(変形菌)にはもしかしたら自然界の秘密や神秘に触れるような未発見の要素がたくさん隠されているのかもしれないですね。そんなことを夢見てしまいます。

 この本を読んだら、よく知らないけどなんかネバネバしてる?・・・程度の知識しかなかった変形菌がとても好きになりました。そしてなぜだか近所の緑地を散歩してみたくなりました。

著者の増井真那くんの今後の研究の成果や活躍が楽しみです。