「残心」 中村憲剛の物語を読んで | 僕が 僕バナ/スタ宙を読んで 蒼黒戦士と 戦うワケ

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今日は、書籍の紹介です。それは、「残心」です。サブタイトルに「Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日」とつけられています。そう、この本は、ケンゴの話です。ネタバレにならないよう、僕の感想を中心に話を進めます。




先月の15日に発売され、ひと月近く経っているので、読まれた方も多いかもしれません。しかし、まだ知らなかった、書店では見たけれどもまだ、買っていない、そういった方に、ぜひ手に取って読んでもらいたい一冊だと思います。


川崎フロンターレサポでなくても、サッカーに興味があり、Jリーグはともかく、日本代表戦なら見るよ、という方でも十分、楽しめると思います。もちろん、他クラブのサポの方でも楽しめると思います。


まず、「残心」というタイトルですが、辞書でしらべると、1.心をあとに残すこと。心残り。未練。2.武芸で、一つの動作を終えたあとでも緊張を持続する心構えをいう語。という二つの意味があります。


僕も読む前は、1.の意味しか知りませんでしたから、前々回の南アフリカW杯で1試合の途中出場しかなく、その試合で敗れ(最後は、PK戦ですが)、前回のブラジルW杯でその無念を晴らそうと日々精進してきたが、代表の選考から漏れ、そいういった経緯をとらまえて、心残りがあるのかな、そういった苦悩の物語なのかなと思いながら読んでいました。


しかし、読み進めるにつれて、確かに、ケンゴに無念な気持ちがないわけではないけれど、ケンゴは、サッカーを武芸になぞらえても、W杯を終えてもなお、プロサッカー選手としての緊張を維持し続け、精進している、という2.の意味で書かれた意味合いが強いのではないかと思いました。


タイトルの意味は、ただ、残念でした、という1.だけの意味ではなくて、2.の緊張を維持し続ける心構えとのダブルミーニングなのではないかと勝手に推測しています。


タイトルの話で長くなってしまいましたが、ここに書かれている内容は、僕が川崎フロンターレの試合を見初めてからの時期と重なっていました。どこかでも書いたと思いますが、僕が初めて、川崎フロンターレの試合を見に行ったのは、2010年の秋です。


この時期は、南アフリカW杯を終えて、エイジ、テセが海外移籍して、苦しくなってきた時期です。当時は、何にも考えず、というか、そういった情報も知識もなく、純粋に試合を見に行っていました。


僕にもその時以降に試合を見た記憶は残っており、結構な数の試合で、ケンゴの歴史の1ページに立ち会ってきたのだなと感じました。


2011年の8連敗目を喫した神戸戦や、ジュニーニョの等々力最後の試合、2012年の監督解任のきかっけとなった多摩川クラシコ、2013年の最終節のマリノス戦、2014年のGO KENGO!!の横断幕の張られたマリノス戦、・・・


書いていくときりがないですが、これまでも、これからも川崎フロンターレの試合を見に行き、ケンゴと川崎フロンターレの歴史の証人として、立ち会い、と同時に、試合観戦を重ねていく過程の中で、僕の気持ちとしては、ケンゴと川崎フロンターレと一緒に戦っている、という気持ちが強くなっていっているのを感じました。


一方で、試合を見ていただけでは知ることのなかった、ケンゴの胸の内を、著者の集めたインタビュー等を通じて、今になって知ることになり、読後の感情と当時の記憶とが、いいバランスでブレンドされてより深みのある記憶として定着していくのを感じました。


これからのケンゴは、タイトルが獲れたとしても、獲れなかったとしても、変わらず、自身の最高のパフォーマンスを続けてくれると思います。ただ・・・


こればかりは、サッカーの神様が決めることなので、どうしようもないですが、ケンゴのこれまで歩んできた過程を知るにつけ、なんとか、ケンゴにシャーレをあるいはカップを掲げる機会を与えてほしい、そう思わずにはいられなくなります。


最終章のタイトルは、いつだって未来は明るい、ですからサポもそう思って、また、スタジアムでケンゴと一緒に戦っているという思いを共有させてもらいたいと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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