- 國崎出雲の事情 12 (少年サンデーコミックス)/ひらかわ あや
- ¥440
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「バカだと思ってくれてかまわないよ‥
どうかしてしまうくらい大切なんだ、キミが」
國崎出雲の事情12巻
ひらかわあや・少年サンデーコミックス
(週刊少年サンデー掲載)
★あらすじ★
國崎出雲16歳、男。しかしそこらの女の子より超絶かわいい!!
息子萌えの父が危ないので別居していたが、歌舞伎一家の國崎家へ戻ることになってしまった。
腐っても國崎家の跡取り、梨園が放っておくわけがない。
男にばっかりモテて苦しむが、ずっと嫌っていた「女形」に何度も挑むことになる?!
革新的な歌舞伎を許さない井神が出雲の舞台と同じ日に大物役者を集めて客をさらってしまった。出雲は愉快な御曹司たちと「白波五人男」を演じるが‥?
そして出雲を「歌舞伎のために男装してる女の子」だと勘違いしている紗英。アホでウザいはずだった彼に対し、出雲の心が揺れだした!!
女の子にしか見えない出雲と梨園のイケメンが新しすぎる世界をを開くカオス漫画!!
ついにサンデー始まった!!衝撃すぎる12巻!!
☆☆☆
サンデーにおける「男の娘」はどこから始まったんでしょうか。自分の記憶だと究極超人あ~るの兵藤信から始まり‥ティンクルティンクルアイドルスターのあゆみ(歩)、私立探偵レイモンドはいつも女装するし、井上和郎先生が描いた「葵デストラクション」の葵(主人公の父親)や「美鳥の日々」の真行寺、そしてハヤテが現れ、神のみでも桂馬が女装する。
今でこそ騒がれていますが男の娘は昭和の時代から普通に存在していました。ジャンプやマガジンでも当たり前に。
しかし男の娘たちは基本女の子が好きで、好きな子のために頑張ります。
「男でも構わない」「男でもドキドキする」と男の娘に求愛してしまう男子もいますが、だいたいギャグ要員として終わってしまいます。結ばれたとしてもその場合物語のメインキャストではありません。
「出雲」を読みはじめたころは栂敷紗英もそういう「ギャグ要員」だと思っていました。
イケメンを気取っている割に残念なキャラで、出雲を女の子だと勘違いした途端周りを省みず出雲につきまといベタベタして殴られる。
壁や地面にめり込むのは日常で、それがこの漫画の「お笑い部分」だったのです。
ところが、巻が進むにつれ紗英が真剣すぎてギャグへ移行しない場面が出てくるようになりました。
そして7巻。逆上した篠竹の前で出雲のために土下座をする展開に。キレイ好きでプライドの高い王子様キャラだったのに。
そんなわけで「この男の娘漫画は様子がおかしい」と思うようになり、うすいほんを書くハメになったわけです(お前の事はどうでもいい)。
で、この12巻です。
恋をしたことがない出雲は「本朝廿四孝」の役づくりに思い悩んでいました。そんな時うっかり車道に出てしまった出雲をかばい、紗英が大怪我をしてしまうのです。骨折と脾臓破裂。
脾臓がなくても肝臓が代わりをしてくれるのですが、免疫力が下がり後遺症が懸念されるためワクチン投与などが必要になってきます。結構大変なんです。
なんで自分をかばったのかと尋ねる出雲に、紗英は冒頭の言葉を返します。彼にとって出雲は全部を賭けて構わない存在です。
性別を勘違いしているとはいえ、こんなに大切にされるのは初めての出雲。今まではただの「仲間」だったのに、
‥どうも何かスイッチが入ってしまったようなのです。
衝撃でした。
ボーイズラブは男性同士がいろんなシチュエーションで愛し合います。まあ、ファンタジーです。
しかしBLはいわゆる小さい出版社でひっそりと発売されているものです(爆発的に売れたりしますが)。
一方小学館など大手出版社で同性の恋愛を書くことはまだタブーです。ごくごく特殊なケースで現れますが、元々同人作家だったり悲恋で終わったり。
「出雲」は今まで紗英の片思いで進行していました。ところがここで両思いが成立したことになる(だけど紗英が出雲の変化に気付いてないというおいしい展開)。
大手出版社のしかも少年誌。大変な事態です。
私の頭の中は大喜びですが、男性読者が大半なのに大丈夫なのかなあという気もします。原作はさらにとんでもない方向へすすみつつあり、いつも感想サイトを見ながらハラハラしています。二人はどうなってしまうんだろう。
というか、出雲が今抱いているのは本当に「恋」なのでしょうか。
いやね、うすいほんを書いている側としては「恋だよ!」と言い切りたいとこですがそこはちゃんと見ていかないとまずいと思うんです。
出雲は小さい頃からずっと女の子扱いされ、周りの女の子は男として好きになってくれない。
逆に男子からは追いかけ回され恋というものに嫌気がさしている。
そこに紗英から隕石級の愛がぶつかってきたわけで、あわててドキドキしてたりしないのかなと考えるわけです。
が、「ごめん恋愛じゃなくてとても大きな友情だった」と出雲が切り出すような展開は‥まともではありますが‥面白みがいきなりなくなるでしょうね。
かといって出雲が性転換するわけにもいかないし。いわゆる「うやむやエンド」が一番想像しやすいですけれど、作者のひらかわ先生は何か違うことをするのではないかと期待しています。
ところでこの「事故」が起こる直前に柚葉のエピソードがあります。出雲の幼なじみでありながら加賀斗が好きで出雲のことを「親友」といいきっている女の子です。
このエピソードが物悲しく感じました。女キャラとしても、メイド喫茶で働く杏李の方がだんだん出雲と近づきつつあるのです。
なんというのかな、「存在をまとめられちゃった」というのか‥。
あとおまけページの梅樹、破壊力がすさまじかったです。今までで一番笑えてしまいました。
ああでも温泉とかもっと語りたいことがあるよ‥!!もうどうしてくれようこの12巻!!
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