いいから、読め!
AKB49~恋愛禁止条例~ 1~11巻
絵:宮島礼史/原作:元麻布ファクトリー
マガジンKC(週刊少年マガジン掲載)
☆あらすじ☆
浦山実、特に夢のない男子高校生。憧れの女の子・吉永寛子はAKBの研究生になろうとしていたが引っ込み思案でなかなか前に踏み出せない。
実は寛子を「応援するため」だけに女装し、「浦川みのり」としてオーディションに参加する。
ところが、彼まで受かってしまった!
研究生になるのも大変なのに、選抜チームに上がってセンターをとるなんて夢のまた夢。先輩のメンバーに叱咤され励まされながらみのりと寛子はスターへの道を駆け上がっていく!
アイドルは夢の世界じゃない!ガチ体育会系バトルストーリー。
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
タイアップもの、漫画にはしばしばそういう企画が登場します。
私はそれらを「イロモノ」としてみる部分があります。オリジナルの普通の漫画で競合誌と太刀打ちできないってことじゃないのかと思ってしまうからです。
好きな作家さんがタイアップとかやっちゃうと、すごく悲しくなったりもします。
ところがこのマンガ、ちょっと評判が違う。ネットだと「タイアップものというくくりが逆に残念」「男の娘モノとして十分面白い」・・・気になってレンタルしました。
ああ、本当にすんません、これガチで面白いです。
アイドルが夢に向かって進むという「少女漫画」ストーリーなのに、血と汗と涙の熱血マンガなのです。
主人公は男の子です。好きな女の子のために女装してアイドルになってしまうというトンデモストーリー。
正直「男の娘」と呼ぶには眉毛太いしガタイもいいし、ただヅラをかぶってるだけじゃないかと思うくらいたくましい外見です。
ところがこの「浦川みのり」、全然女らしくすることもなく男の子の感覚でアイドルのキツイ事情、嫌がらせ、どんどん上がっていくハードルに体当たりでぶつかっていきます。
そして研究生のやる気をまとめ上げ「センター」になってしまう。
男がAKBのセンターって冗談か?と思うかもしれませんが、実際読んでみると納得してしまうのです。
これ、原作考えている人(集団?)とんでもねえなって思ったんです。おそらくはAKBのそばにいて実際にあった出来事をアレンジしているんだと思うんですが・・・アイドルの汚い部分も余すことなくさらけ出す。しかし結局「努力」と「度胸」のみが結果につながるという王道の少年漫画として話を運んでいる。
原作者たちは実際AKBを少年漫画みたいだと思っているんでしょうね。
あと、主人公を「男」にしたのが何よりの成功でしょう。少女漫画だと主人公は女の子じゃないといけないし、恋愛を絡めなきゃいけないからアイドルのリアルにぶつかってくれない。
比較するようで申し訳ないんですが、なかよしの「AKB0048」は吉永寛子をそのまんまにしたような主人公の漫画です。しかし「浦川みのり」は存在しない、いるのは岡部愛のようなライバルだけ。
だから、いくら絵が可愛くても話がギスギスしちゃうんですよね。
少女漫画の難しいところなんですが、少年漫画だと簡単に障害を乗り越えてしまう。
こういう漫画に出会う度、少女漫画とはなんと窮屈だろうと思うのです。
タイアップものですから実在人物を悪者にできないけれど、前田/敦子をはじめとするメンバーを「一見掴みどころがなく、時に残酷なほど厳しく、でも努力する後輩を助けることはいとわない」キャラとしてうまく使っています。おだて上げ褒めちぎることないのがいいですね(といっても、ある程度の制限はあります。だからか、現在の展開にメンバーがあまりかかわってない)。
代わりに「悪役」としてこの話の暗黒面を背負う岡部愛(オリジナルキャラクター)が徹底したツンデレキャラクターなのが面白い。
そして不思議だなと思うのが「高橋/みなみ」です。実在人物なのにみのりにドキドキしてしまっている。
これオトシマエをどうつけるのかなと思ってしまうんですが。
また、原作者たちはもともと彼女の話を作りたかったのかもしれない。それが「みのり」に反映されている時があります。
とにかく面白くて続きが気になっております。
でもこれよーく考えてみると昔サンデーで連載していた「ティンクルティンクルアイドルスター」と結構似ているんです。
その当時はWINKが大人気で、二人に似たアイドルデュオが主人公。しかも片方が幼馴染のために女装している男の子。やはり男らしく芸能界の厳しさと戦います。
新曲が凡庸で気に入らなくて、路上ミュージシャンが作曲した曲を出そうとしたら作曲家にことごとく仕事を潰されてしまうエピソードもあります。
まあそれを元にしたとしても二十年以上前の漫画を発掘したことがすごいと思うわけですが。
にほんブログ村
